表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/7

Prologue

初めてキスされたのは、確か幼稚園の時だった。


まだ小さかった私は、正直言ってその行為が、よく分からなかったし、どんな風だったかも全然覚えていない。


ただ、あんなことが、あったなあというくらいの記憶が、残っているだけである。


かくれんぼの時に花壇の裏に隠れた私は、照りつける太陽の光が、暖かくて、ついうとうと寝てしまった。


唇に生温かいものを押し当てられて息苦しさに目を覚ました時には、あの子の顔が、目の前にあった。


ただ驚いて何も言えなくて、口をパクパク、目をパチパチと動かす私をあの子は、面白そうに眺めた。


「花ちゃん、今の何だか知ってる?」


当然の如く、私を首を横に振った。


「キスっていうんだって。」


ふうんと私は、呟いた。


「キスをすると、大好きな人を喜ばせられるんだよ。」


その言葉に私は、ちょっと考えてから答えた。


「一平ちゃんは、私のことが、大好きなの?」


私の言葉に一平ちゃんもちょっと考えて込んでしまった。


「・・よく分かんない。泥だんごを投げてくる早紀ちゃんより泣き虫の愛美ちゃんより僕の膝の上でよだれを垂らす陽菜ちゃんよりは、好きだけど。」


一平ちゃんは、自信なさげに言った。


「じゃあ、間違いだよ。」


「なんで?」


一平ちゃんは、不思議そうに私を覗き込んだ。


「だって、私は、喜んでないもん。」


「そっか。」


一平ちゃんは、ちょっと残念そうに唸った。


「それから、陽菜ちゃんは、桃組さんで、まだ小さいんだから、あんなこと言っちゃだめだよ。」


一平ちゃんは、しまったという風に口を隠した。


「もう言わないよ。だから、先生に言いつけないでね。」


それだけ言い残すと、一平ちゃんは、駆けていってしまった。


こんなこと、もうどうでもいい昔の話だけど。



ちょっと、息抜きに書いてみました。よかったら、読んでみて下さい。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ