9 私、大会に出ます。
投稿だいぶ遅れて申し訳ない。ストックがある程度できたら投稿することにしていて、なかなかできなかったので遅れてしまいました。
のびのびやっていくので、それでも良ければこれからもよろしくお願いいたします。
私は次の朝、ギルドに来ていた。昨日のクエストの終了届を出していなかったのと、今日のクエストの依頼を見に来たからだ。
刀はストレージにしまってある、討伐クエストができない子供が帯刀しているのは問題だろうと思ったからだ。
私は適当に薬草採取を受けて街の外に出ることにした。お金?とりあえず足りてるし街の外に出るついでにできるものを探しただけ。一応昨日の報酬は15セルだった、今回の薬草採取は8セル約二倍だ。
そんなわけで私は森のほうに採取に行くつもりだった。
そんな時であった、私はとある広告に目が留まる。
「武闘大会出場者求。年齢制限なし。」
気になった私は受付嬢に聞いてみることにした。
「武闘大会ですか?あれは数年に一度、国内で武術や魔法で競い合い優勝者を決めるという大会ですね。優勝者には金貨10枚とCランクの冒険者資格が与えられます。Dランク以上の方は年齢関係なく討伐クエスト受けられますので年齢に達していない方がランク目当てに出ることも少なくないそうです。もちろん優勝者がすでにCランクの者ならそれ以外の報酬が与えられます。」
私は出ることにした。
「えっ?出場の受付ですか?それならこちらでやっておりますが…本当に出るのですか?試合形式でいくら審判が付くとはいえ不慮の事故で五体満足ではなくなる可能性もあるのですよ?」
「大丈夫です。ダメで元々なので負けそうなら降伏しますし。」
そういうと、受付嬢はギルドカードを出してくださいと言って引き下がった。受領処理をしているのだろう。しばらく待っていると。
「はい、受付完了しました。ギルドカードで受付いたしましたので、出場当日はギルドカードをご提示ください。開催日は一週間後からです。」
そういうと、受付嬢は舞台となる闘技場への地図をくれた。
私は、受付が終わると急いで街の外に出た。モンスター討伐のためにだ。
ギルドでは、討伐依頼は受けられないが別に討伐してはいけないというわけではないのだ。そんなことしているとすぐに死んでしまう。
さっそく私は作ったばっかりの刀になれるべく採取がてら討伐に行くことにしたのだ。
といっても、狙うはゴブリンやオークの弱いやつらだけだ。いくら防具が優れていて創造魔法で何とでもなるといっても万が一がある以上油断はできない。
というわけでさっきから獣道を歩いているのだが、全然モンスターが見つからないどころか薬草の類も見つからない。
もっとも、知識のないティアが薬草を見てもそれを薬草だと分かりはしないのだが…
その時。奥のほうで草むらをかき分ける音がした。
「やっと見つけた。」
喜ぶティア、それもそうである。三時間ほど歩き続けてやっとモンスター、もといオークを見つけたのである。
ギィィ
オークがこちらに気が付いて威嚇してきた。私は火魔法のファイアを放ってみた。
ブォーーッ!!!
予想をはるかに超えた威力に驚きティアはすぐに魔法を使うのをやめた。幸い森に着火はして居らず、火事にはなっていない。そのせいもあってオークも健在だ。
さっきの魔法を見てもオークは逃げようとせずに襲い掛かってきた。ティアはとっさに避けようとするが間に合わず肩に一撃をもらってしまった。
「痛っ…くない。あっ」
防具が本人の思っていた性能を発揮して守ってくれた。
守ったときに変形した様子もなかったのでどうなっているんだろうと思いながらも次の魔法の準備を行う。次にはなったのは水魔法だ。
オークに水魔法で作られた氷が放たれる。それはオークの額に吸い込まれ…頭が爆散した。威力が強すぎたのだ。
そんなこんなで初めての討伐は成功に終わった。
次は刀を使って討伐してみることにした。
しばらく歩いていると、今度はグループで行動しているゴブリンを見つけた。数は三匹。
私はまず、麻痺効果狙いで威力を絞った雷を先頭を歩いていたゴブリンにぶつけてみる。
今度は爆散することなく倒れてくれた。もっとも、煙が上がってるのでもうすでに死んでいるとは思うが。
先頭のゴブリンがいきなり倒れたことに驚いているもう一匹のゴブリンにも雷魔法を放つ。今度は死ぬことなく倒れてくれた。
最後の一匹はもうすでに戦闘モードに入っているのか、こちらをにらみながらいつ攻撃が来てもいいように構えていた。
私は構わずゴブリンに刀を一凪ぎする。しかし、所詮子供の剣ゴブリンにかすった程度でしかない。ゴブリンが好機と見たか襲い掛かってきたが、ティアは防具を信じ防御することもなく突きの構えをとった。
これが相手が動いていなかったり逃げていたりしたら、効果は薄かっただろう。しかし、ゴブリンは襲い掛かるためにこちらに動いていた。そのため子供の腕力でも敵を貫くことが可能だった。
こうして刀の試運転も終わったティアはオークとゴブリンの死体をストレージに収めて当初の予定であった薬草採取に励むのであった。
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「なんですかこれは…」
私は今、ギルドで薬草採取の終了届を出して買取カウンターにいる
「何ってゴブリンとオークの死体です。」
「そんなのは見て分かります!」
「あれ、買取してもらえないんですか?」
「いや、買取はできますけど…ってそうじゃないです!なぜオークの死体があるのかって聞いてるんです…それになぜそれをあなたが…仕方ありません。ここで待っていてください。ギルマスを呼んできます。」
なんかまずい雰囲気になってしまった。周りでは「おい。あれオークじゃ」「何あれ。頭がないオーク?」「なんであんな子供が…」などと聞こえてくる。最後のは余計じゃい!
しばらく待っていると買取受付の人が戻ってきて、奥に入ってくださいと伝えてきた。私はそれにしたがって奥の応接間まで通された。
「オークが出たってのは本当か?」
開口一番ギルマスはオークについて質問してきた。
「そうですけど、それが何か問題でもあったんですか?モンスターの討伐は受けることはできないですけど反撃なら許可されているし、その素材を売ることも可能だと思うのですが。」
「いや、モンスターを倒したってのは問題ない。いや、あんたみたいな年齢で倒したってのは多少問題になるかもだが…それは今はいい。問題はオークが出たっていうことだ。オークってのは通常群れを成して生活している。それが単独で現れたってことは、どこかに群れがいる可能性があるっていうことだ。それも三桁単位の数がな。確かにはぐれの可能性はある。だからと言ってギルドとして、そんなモンスターを放っておくわけにはいかない。もしその群れにネームドが入っていた場合、Cランクのパーティーが束になってかかっても勝てるかどうか怪しい。」
“ネームド”それは通常種より知能のあり特殊な力を擁している、いわゆる亜種や異常種のようなもの。そしてネームドは群れのリーダーである可能性が高い。そんな奴が通常種よりとはいえ知能があるとなれば相当まずいことになる。
「まぁ、ネームドなんてのはめったに出てこないし大丈夫だろうがな。嬢ちゃんが知らせてくれなかったら、大変なことになっていたかもしれなかったんだ。そこは感謝している。近いうちに調査隊が結成されるだろうからもう安心だ。」
ギルドマスターはそういうとオークとゴブリンの換金したお金を渡してくれた。
私はそのお金をもって宿屋に帰るのだった。