第2話 パラレル異世界
ソータはここはどこなのかと聞こうとした瞬間、
「お兄さんどこから来たのぉ?」
少し動揺したが、迷いもなく
「日本」
ソータは答えたが、自身でなぜ日本と答えたかは、周りの状況を見れば一瞬で理解できた。
ここは日本ではない。
クロムの表情をみると思った通り不思議な顔をしている。
クロムが口を開けようとしたとき、とっさに
「ここはどこなの。気づいたらさっきのベンチにいたんだ。」
「ああ、僕も気づいたら右隣にお兄さんが座ってたんだよぉ。理解できないね。」
ソータが口を大きく開けていたが、お構いなくクロムは続ける。
「ここはクロロ街という場所だよぉ。15年前にアクアと名乗る人が作った街だ。まあ、特に街だと言っても普通の街じゃないよぉ。ここは都市国家だ!」
「え、じゃあここはギリシャとかローマみたいなとこなのか。」
で勉強してでさえさえ期末で赤点を取ってしまうソータの頭を使って考えてみたが、いまいちしっくりこない。
「え、なにそれぇ。お兄さんの日本というとこの街の名前?」
首を傾げてクロムは聞いて来た。
「いや、日本には都市国家はなくて、日本から結構離れたとこに結構昔になんたら人という人が北か南からやってきて作ったんだ」
なんか全然しっくりこないが、ソータにとってはこれが最大の知識なのだ。
「ふぅーん」
「話変えるけど、ここは何年?」
「えぇーと、西暦1600年の10月1日」
1600年といえば関ヶ原の戦いが日本で起こった年だ。
日本史は得意だから日にちも覚えている
10月21日だ。
いや、まった。
なぜに400年以上前にいるんだ?
クロムが冗談でしたー
と言ってくれるわけでもなく、キョトンとしていた。
「まって、西暦って?」
そういえば、この変な世界も西暦を使っているのか。
「お兄さん、西暦も知らないのぉー!」
「いや、知ってるけど日本でも使ってたから。」
ソータは上を向いて考えたみた。
まず、ここは過去であり、過去の日本ではない。
そして、ギリシャやローマを知らないということは、自分が知ってる過去ではない。
まとめると、ここは過去であり、異世界である。
一種のパラレルワールドなのか。
ひとまず、この世界を
『パラレル異世界』と呼ぶことにしよう。
そしてソータは大事なことに気づいた。
「俺も、住むとこないんだわ」