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「そう言えばおにぃってどのくらい魔法使えるようになったの?」
唐突にシャルルが聞いてきた
「えっとだな…… 中級まではすべて覚えたし、混合魔法も少しなら使えるぞ」
魔法のランクは 初級 中級 上級 特級 禁術級
と分かれている。
また、魔法の属性は 火 水 土 風 陰 陽 の6種類 に分かれていて、この属性魔法を同時に使用する。 例えば 水と土を発動すれば 木魔法が使える。 これが混合魔法だ。
陰属性と陽属性は デバフ バフと支援魔法だ
ちなみにこの年で中級までの魔法をすべて使えるなら確実に天才と言われる部類に入るんだが…
「おにぃ、まだ、中級までなの… てっきり私禁術級まで言ってると思ってたよ……」
「む、無理言うなよ…お母さんの目の前でバンバン魔法の練習なんて出来るわけないだろ… 普通の子供なんだからさ…」
「ま、そうだよね。ならこの一週間で上級までの魔法を使えるようにしようよ」
監視の目がない今なら余裕だろと思っているシャルルにディーは
「シャルは魔法が簡単なものだと思ってるのか? そう思ってるなら考えを改めた方がいいぞ… 魔法が使えても限度があるし、練度を積まないと危ないしで、中級まで覚えたのも血のにじむような努……」
「はいはい。特訓パートは読者に不況だから辞めようねー」
俺の妹は現実世界と漫画の世界を区別できてないらしい………
「まぁ、いい… 兎に角 魔法は簡単なものじゃないって認識してもらえれば……
シャルの『能力』は努力とかしなかったのか? というか"この世界の魔法"は使えるのか?」
「努力? 努力はしてないよ。 想像しただけで発動するからね。 それと、この世界の魔法は使えないよ。 ただ、"この世界"の魔法は使えなくても "他の次元"の魔法なら使えるけどね」
そもそも努力しないで無尽蔵に使えるチートなんてつまらなくないか……
あと、"他の次元"は二次元だろうけど、あえて無視するか……
「これから戦闘になったとしたら一方的な蹂躙になるだろうけど、シャルはそれでいいのか? それと、偽装としてこの世界の魔法を覚えたらいいんじゃないか?」
「蹂躙するのがいいんじゃん!俺TUEEEEの真骨頂だよ?? おにぃ分かってなさ過ぎ…
偽装も何も私の『能力』 で記憶改竄も出来るし、魔法なんて 【分解】と【再生】だけあればこと足りるってお兄様が…」
流石です妹様……
何も言えない。と言うか自分の妹だけど、かなり歪んでるよこの子……
「ま、まあいいや… 先急ぐぞ とりあえず日が暮れる前にこの森を抜けなきゃな…」
「OKっ!私の超高校級〇幸運があれば 虫も熊もモンスターもよってこないけどね!」
あれ…その能力ってそれ相応の不幸が………
「僕達ィ こんな森を子供だけで歩いてたら怖ーい人攫いが出てきて攫われちゃうぞぉ?」
思ってるそばから盗賊が出てきた……。
次は無双回になりそうですね…