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1週間はあっという間に過ぎた
「じゃあね…シャル ディー 二人共元気でね…」
「もうっ!お母さんったら大袈裟なんだから。一生の別れみたいに言わないでよ…」
「姉ちゃんの言う通り。卒業までだよ?たった3年じゃないか。」
「そうね、そうよね! じゃあ二人共行ってらっしゃい!」
曇った顔からパッと晴れた顔になった母のリリィは二人を見送った。
「「行ってきます!!」」
街までは徒歩と馬車で約1週間ほどの距離にあるが、家から馬車を使えるほど贅沢はできない。
なので二人は隣の村まで徒歩で行き、そこから馬車で街を目指すようだ
「ふぅ、ようやく監視の目が無くなったね、おに……ディー」
「監視の目とか言うなよ…母子家庭ってかなり大変だって聞いたぞ、美……シャル姉ちゃん」
二人は最近まで前世の名前で呼びあっていたので、偶に名前を間違える。
「私、お姉ちゃんになれたけど、やっぱりダメだ……。 というよりこんなに上が大変だったなんて…」
「上の子なんていい事なんてほとんどないんだよ…… わかってくれたか?」
全国の兄、姉 達が1度は思ったことがあるあれだ。
『弟 妹』なんていなければよかったのに…
尤もシャルはそこまでではないと思うのだが…
「んー。どうしようかなー どの能力を使えば私が妹になれるかなー」
「おいおい…折角ガブリエルさんに貰った立場を捨てるのか...?」
「捨てるというよりディーに譲るよ… いや、『姉である事をストレス』と捉えて能力を使うよ。
不慮〇事故」
「貰ったチート能力をそう使うのか……」
「これで『姉である事を』ディーに押し付けて ディーは男だから兄になるんじゃない?」
「出鱈目すぎだ…… そしてなんで疑問形??」
「何でって…自覚症状がないから? あっ、そもそも 『姉である事』『姉であった事』を『なかったこと』にすればいいのか
これすっごく使いたかったんだよね!!!
『大嘘〇き』
『姉である事と姉であった事を無かったことに!』」
「二連続で同じ作品からの能力か………
これでシャルは姉であった事を無かったことにして俺が実質兄になるのか?」
「そうだね!これからもよろしくおにぃ!」
――――――徒歩の旅は始まったばかりである。
今回の能力は
二つとも〇〇かボックスより引用です…。
この内容大丈夫なんでしょうか…