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「なにやら様子がおかしいですね」
門に近づくにつれてアンリがこう呟いた
「ドラン王国の街なら門に王国の国旗が刻印されているはずなんですが… 」
まさか、ピンク色のドアが故障したとかか…?
「まぁ、別の街に来たなら観光も悪くないんじゃないか?」
そんな気楽な言葉を投げかけた途端に
「不味いです!シャルさん!ディーさん!ここは王国領ではなくて、共和国領です!!『盗聴』で共和国語が聞こえました!」
「何が不味いんだ?別に戦争してるわけじゃないんだろ?」
「実際に王国と共和国では戦争はしていませんが『王国派』と『共和国派』の小国同士は戦争の真っ只中なんですよ!」
「えっと、つまりそれって…」
今まで聴き手に回ってたシャルが気がついたようだ
「ええ、地球で起きた冷戦のようなものです。 王国と共和国はそれぞれ睨み合ってる状態なんですよ…」
その中に王国領出身の俺達が行けば考えずとも分かる
「こういう時、転生モノの主人公なら自分の正体を隠してチート能力でどうにかするよね」
1人だけお気楽な奴がいた。
まあ『能力』があるから今に始まったことではないか
「まぁそうだな」
「あれさ、物凄く非効率だし、隠すの面倒だと思わないのかな? しかもハーレムフラグ自分で折ってるし。 前世がニートだったり陰が薄かったり スクールカーストの底辺だったりする人達がわざわざそんな事するかな?ってずっと思ってたんだよね」
全くもってその通りだ。そういう作風の物は大抵 ゲームやらアニメ、漫画、ネット小説等で異世界転生モノを知っている奴を主人公にする。なら隠さずに皆からチヤホヤされたいようや奴じゃないか? これは俺も長年思ってたことだ
「だからさ、------」
だからといって、こんな爆弾発言されるとは思ってはいなかったが…
「王国だの共和国だの知らないけど『支配』しちゃおっか」
お久しぶりです。
いろいろ立て込んで なろうのログインIDとパスワードを完全に忘れて諦めてたら つい先日思い出しログイン出来た次第です
これからも少しづつですが進めていこうと思います