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「危なああああああああい!」
叫びながら俺はブレーキを踏んだ。幸か不幸か飛び出してきた子供には車は突っ込まなかったが、電柱ととある女子高生を巻き込んで事故を起こしてしまった……
辺りを見渡すと真っ白な世界にいた
「どこだここ?病院、って感じでは無いな……」
周辺を探索してみると、見知った顔の女子高生がいた
「美緒か?」
「ん、おにぃじゃん!ここどこ?てか、さっき交通事故に巻き込まれたんですけど……あの車っておにぃの車に似てたような……」
背筋が凍りついた 先程の事故はどうやら本当にあった事らしい と言うか 巻き込んだ女子高生が妹だったとは……
自己嫌悪に陥っていると声が聞こえた
「あなた達は死にました。榊衛さん榊美緒さん。それも兄の衛さんが起こした不幸な事故によって兄妹お二人共……」
「あなたは誰です?」
美緒が固まってしまったので衛が口を開いた
「私?私は、うーん、ガブリエルという事にしておきましょう まぁ、天使 女神 その類のものです」
「天使!?女神?!もしかして私達 異世界に転生とか出来るの?!」
固まっていた美緒がようやく口を開いた
「お前ツッコむところ違うだろ…」
「だっておにぃ異世界だよ?多分女神様もいるから何かしら能力もらって異世界に行けると思うんだよね!」
「お、おう」
俺ら兄妹は生粋のヲタクだが、美緒の最近のトレンドは異世界転生ものだ
だからと言うのもあってやけにテンションが高い
「ええ、貴方達には異世界に転生という形で第二の人生を送っていただきます。そして能力をお一つづつ与えますが、今回の件は衛さんの過失という事で衛さんには能力は分け与えず美緒さんにお二つ与えるという措置をとらせていただきます」
美緒の言っていた事が当たったが、どうやら俺はチートが与えられないらしい。妹を事故で殺してしまったなら仕方ない……。
「あのー、私能力一つでいいんでもう一つはおにぃにあげてもいいっすか?」
ん???
「いいのか美緒??二つのチートが一つになるんだぞ??」
「別に私の欲しいチート決まってるし、それあれば何でもできるからもう一つはおにぃにあげるよ 但し、来世では私がお姉ちゃんやるから」
「お前なぁ…勝手に言ってるけどガブリエルさんが許可してないだろ?それに生まれる順番も操作できるとは思わないし…」
ガブリエルさんの方をチラチラ見ながら話したが期待してたものと違う答えが返ってきた
「美緒さんがそう言われるなら能力をお一つづつ、それと、美緒さんが来世では姉という事でよろしいですね?」
簡単に出来てしまうのか…
「では、お二人共欲しい能力を………」
「ちょっといいですか?」
遮る形で俺が質問した
「...?どうぞ」
「えっと、俺たちが転生する異世界について何ですが、その、魔法とかってあるんですか?」
「もちろん、剣と魔法の世界ですね、ただ、科学力はこちらの世界と違ってあまり発展していないですね」
異世界転生ものお決まりの設定きた!とか美緒が叫んでいたが無視した
「了解です。すみませんお話の最中でしたのに…」
「いえいえ、では 欲しい能力をお一人づつお願いします。」
剣と魔法か… 魔法だなーと思いつつ美緒から声がかかった
「先、おにぃ言ってよ……」
「おう、いいぞ じゃあ俺は全種類の魔法を全て極められる素質が欲しいです」
「極めている状態ではなく、極める素質が欲しいと?」
「ええ、素質で大丈夫です。もしかして、ダメですか…?」
「いえ、そんな事はありません。ただ、他の方なら世界最強の剣が欲しいやら、全ての魔法を会得した状態になりたいとか言われる方が居ましたので…」
「俺たちの他に何人もその異世界に行かれてるんですか?」
気になるワードが出たので質問した
「えぇ、ですが こちらの世界とあちらの世界では流れている時間が違いますので 同じ時代に転生者は基本かぶらないようにしています。今回の件は特別ですが…」
「そうなんですね…ありがとうございます」
そりゃそうか、同じ時代に何人もチート能力を持った転生者がいたらやばいもんな……
「美緒さんはお決まりですか?」
「あ、はい!何でも大丈夫なんですよね??」
「えぇ、何でも大丈夫ですよ」
入念に確認していた。あまりいい予感はしない…
「じゃあ……
漫画 アニメ ゲーム 小説 二次創作物 全てのキャラクターの能力を使えるようにしてください」
.........は????
明晰夢のラウンズを書いていましたが、中々先が思い浮かばず、結局新しいものを書き始めてしまいました……
美緒の能力の関係で伏字が多くなり、分かる人にしか分からなくなってしまうと思いますがよろしくお願いいたします…。