妖精達と花の妖怪 そして……
これにて第一章は終わりです!
次はどうしようかな?
何も思いつかない(笑)
「立て続けにこんな経験すると……どうも嫌な気分になるわね……」
「むしろ、平静を保ってる方が凄いと思うなぁ」
「……」
ルーミア、チルノ、大妖精の死。
心を持つ生き物には、必ず”慣れ”が存在する。
それはあまりにも残酷で、たとえそれが命に関わることであろうとも”慣れ”ていれば平静を保てるのだ。
死に慣れることを恐怖しているものは、まだ心の隅で現実を受け入れれていない証拠だった。
例えば友が目の前でバラバラになったとして、それを素直に受け入れることが出来るのはどれほどだろうか?
「……」
「……そろそろ日が沈むわ……レミリア、フラン。夜の見張り、頼むわよ?」
「任せなさい」
「うん」
フランの中では、何かが変わっていた。
以前のフランなら、死を極端に恐怖していた。誰も死なせたくない……誰も傷付かないでほしいと願っていた。
だが今は違う。守りたい者を、何がなんでも守るといった感じだった。
「ふぁあ〜……!連続バトルだったから疲れたぜ……」
「さあ、ゆっくり休みなさい。私達吸血鬼にとっては月の光は養分だからね」
「おやすみ、みんな」
「おやすみ。あまり無理しないでね?」
「うん」
フランに一声かけ、私はそのまま眠りに就いた。
「これでおしまいよ……さよならね、フランドール」
「ぐっ……う……」
「フラァン!!逃げて!!」
「正直言って、あんたを早目に殺せてほっとするわ……それじゃあね」
「……くぅ……」
「フラン!フラン!!お願いだから逃げてぇ!!」
「……こいし……」
「……後は……頼んだよ」
「フラァァーーン!!」
「うわぁあぁぁあ!!」
「うおっ…!」ビクッ
「はあっ……!はあっ……!」
…夢……?
「大丈夫?随分魘されてたよ」
私の横には、いつもと何も変わらないフランがいた
「……悪夢ってヤツかな……嫌な……夢だった……」
「……そう」
「こいし、起きたわね」
「お姉ちゃん……」
「みんな出発準備は出来てるわよ。この後人里の方へ行って、身支度とかお風呂とか、色々とするらしいわ」
「わかったよ」
「さ、行こ。こいし」すっ
そういいフランが手を差し伸べてくれた
「うん!」
「くぅー!温泉なんて何日ぶりかなぁー!」
「私はその辺で誰にも見せてない沸き風呂で入ってるから、ほぼ温泉と同じなのよね」
「いつ以来かな咲夜……貴女が前に誘ってくれたよね私に」
「はい。妹様との親睦を深めたかったので」
「ふふ、あの時は嬉しかったよ。でも、何で私に?」
「……これと言った理由はありません」
「……?あ、咲夜鼻血出てるよ。逆上せちゃった?」
「はっ!?し、しまった!」
「?」
「フラン、気を付けなさい。咲夜が一度荒ぶると主人であるこの私にさえ手を出してくるわ」
「咲夜って荒ぶったら見境なく攻撃するの?面白いね……ふふ」
「いや、フラン。そういう意味じゃないのよ。もっと……あれな意味なの」
「もっとあれな意味?……まあいいや、久しぶりの温泉だし、ゆっくりしていこうよ」
「いや〜気持ちい〜ね〜……お姉ちゃん、地熱風呂と温泉どっちが好み?」
「温泉かしらね……」
「私はどっちも好きだなー。でもこうしてみんなで入るのもいいね」
「フランのところに行かなくていいの?私は構わないわよ」
「フランのところか……行きたいけど、大丈夫」
「……どうして?」
「お姉ちゃんを一人にはしないよ」ニコッ
「……ありがとう」ニコッ
温泉旅館
何故か誰もいない人里。里はどこも静まり返っていた。ただ一つの旅館を除いて……
「んでよ、フランが『あなたがコンティニュー出来ないのさ!』って言って勝負仕掛けてきたんだ!あん時はちょいと惚れたね……人間を超越してる感じがしてぞっとしたぜ」
「はっきり言ってあの時の私は相当弱かったと思うよ」
「マジかフラン!マジで言ってんのそれ!」
「あの時でもあんたは充分すぎるほど強かったわ……それなのにあれ、才能だけでやってたのね」
「フランはもともと、戦闘の天才だったのよ。吸血鬼の中でも凄まじいくらいの戦闘センスがあってね」
「お姉様曰く、『修行すればきっと魔理沙に勝てる』ってね……まあ正直言うとそんなことはどうでもよかったんだよね」
「ゑ」
「私は自分の不安定な精神を安定させたかった…ただそれだけ」
「結果……力ばかりついて精神は少しも安定しなかったけどね」
「それで、あの日に繋がるんだね……今でもよく勝てたなぁと思うよ…ものすごく強かった」
「私と咲夜、こいしの三人がかりでやっとギリギリ勝てたのよね……暴走した状態だと、殺すことを考えてるから一発でも当たれば瀕死……きつかったわ」
「……ごめんなさい……三人共……」
「気にしないで!結果としてはみんな無事だったでしょ?」
「……それでも……みんなを傷付けてしまった……」
「いいのですよ妹様。私達は家族なのですから、助け合うのは当然のことです」
「咲夜……ありがとう」
「フラン。もし何か辛いことがあったら何でも言っていいからね?姉として……いや、私自身の意思で貴女のことを守るわ」
「お姉様……」
「私も、咲夜やレミリアと違って家族ではないけど……友達として、フランの力になるよ!」
「こいし……」
「もちろん私だって力になるぜ!」
「ま、暴走されても困るしね」
「私も何か役に立てれるなら立つわ」
「私もです」
「右に同じ」
「同じくです!」
「……私って、幸せ者だなぁ……こんなに優しい人達に囲まれてる……ありがとう、みんな」
その時ーー
ドオオオオオオオン
「!?」
「っと!」
フランが飛び上がり、こいしの頭上に落ちてきていた旅館の屋根を蹴り飛ばした
「浴衣だと動き辛いな……着替えとけばよかった」
「さらし巻いてるからいいけど、男物の浴衣着てるとは。流石イケメンフランだな」
「い、イケメン?」
「今の弾幕……何かしら」
「「「答えは私達だ!」」」
「だ、誰だ!」
屋根に空いた穴から三人の妖精の姿が見える
「……ッ…」
「……!…」
フランとレミリアが少し苦しんでいる
「二人とも下がれ!日光が少し入ってきてる!」
「う、うん……」
レミリアとフランが影の方に入る
「なら私も一緒にいく!他にも敵がいるかもしれないから!」
「わかったわ……」
「咲夜……気を付けなさいよ?」
「はっ!ではいってまいります」
「サニーミルク!」
「スターサファイア!」
「ルナチャイルド!」
「「「三人揃って!」」」
「「「三月s」」」「サニーは太陽の光を使えるらしいから、気をつけろ!」
「こらー!最後まで言わせろ!」
「そーだそーだ!」
「……どっちでもよかった」
「「ええ!?」」
三人がもめている
「コントか?あれ」
「多分そうじゃない?」
「まーとりあえず!いくよ二人共!」
「ラジャー!」「了解!」
「霊夢、お前誰いく?」
「スターで。魔理沙は?」
「じゃあルナでいいぜ」
「なら私がサニーを。アリスと咲夜は援護を。妖夢とさとりはフラン達のところへ戻ってくれ」
「わかりました」
「無理はなさらないでくださいよ⁉︎」
「おお」
「では!」
「妹紅。焦って死ぬなよ?」
「それを私に言うかよ!全く」
「こら、油断しない」
「「は、はい」」
「行くよ魔理沙!」
「うおっ、いきなりものすごい顔になったな……いいぜ、そっちがその気ならやってやる!」
「霊夢、覚悟!」
「ふん……」
「行くぞー妹紅!」
「来い!」
「ふうー……大丈夫だった?お姉様」
「ええ……しかし、多少の日光なら貴女は平気なのね……あまり苦しそうではなかったわね」
「え、でもフラン苦しそうだったじゃん?」
「普段太陽なんて見ないから眩しくてね……」
「ああ……そういう?」
フランは日光には強いんだな……吸血鬼にも日光に弱い強いはあるんだね……あ、そういえば
「フラン、着替えなくていいの?」
「ん?ああ……この戦いが終わってからにしようと思ってね」
「うん?それならいいけど」
その時ーー
パリィンッ
「!?」
旅館の窓が割れ、ミスティアとリグル、そしてリリーが弾幕を放とうとしている
「くらえー!」
「春ですよー」
「いまだー!」
「一人おかしなこと言ってるけど!?」
「や、やばい……!この旅館壊されたら、私達は……」
そうか。今は真昼間だ……仮にここが壊されたとして、フラン達の逃げ場はどこに……
「……」
フランが一歩前に出る
「フラン!無理しなくていいよ!下がって!私が……」
「大丈夫……」
フランの目が紅く光っている
「え……?」
左手を三人の方へ翳す
「きゅっとして……」
ーま、まさか……!
「ドカン」ぐっ
ドオオオオオオオン
「うおわぁー!!」
「うわっ!?」
「いっ!?」
三人が放とうとしていた弾幕を爆破させる
「おお…!そういうことか。てっきりあの三人を壊しちゃうのかと……」
「そんなこと私には出来ないよ……こいし、一人じゃ危ない……私が日傘差して援護するよ」
「いや、それだとかえって危ないよ……ここは私に任せて」
たまにはいいとこ見せないと!
「でも……!」
「大丈夫!心配しないで、私が強いのは知ってるでしょ?」
「……わかった。気を付けてね?」
「うん」
振り返り、窓から外に出る。
そこには先ほどの爆風で吹き飛ばされた三人がいた
「いったたた…!」
「う、うーん…」
「あーいたかった…!何だよあれもー!」
「あれはフランの能力……ありとあらゆるものを破壊する程度の能力だよ」
こいしは旅館を守るよりに三人の前に立っていた。
「さあ、貴女達の相手はこの私だ!」
「なんだ、吸血鬼じゃないのか!ならいけるかもしれないですよ二人共!」
「よーし!」
「おう!」
こいしが構えをとる
「さあ、来い!」
「いっくぞー!」
「倒してやる!」
「覚悟しろー!」
その時だった
ズドオオオオオオオオオン
「……⁉︎」
三人は、跡形もなく消え去っていた
ー今の……マスタースパーク……⁉︎もう魔理沙が……いや、でも……
「……まさか……⁉︎」
「いい勘してるわね」
ドドドドドドドドドドドドドドド……
「……!!……‼︎」
こいしは、とてつもない魔力を感じた。
押し潰されそうなほどの凄まじい魔力だった。
そしてこいしは一瞬で悟った。
こんな魔力……あいつしかいない、と。
「……風見……幽香……!」
「ごきげんよう?地底の妖怪さん」
ーやばい……!まさか……こいつまでいるなんて思ってもみなかった……!
少し考えれば分かることだった。
別に刺客は誰であろうと構わないのだから。
こいしはどう逃げるかしか考えていなかった。
こいつには勝てない……こいつだけには絶対に勝てないと、そう確信していたからだ。
「あらあら……そんなに怯えちゃって……どうしたの?」
「……!」ずず……
「……え」
こいしは、無意識のうちに体が後ずさりしていることに驚いた。本能的に勝てないとわかっているからなのか、それとも恐怖からなのか……それはわからなかったが、こいしはそんな自分を心の中で貶した
ー臆病者……!フラン達を見捨てるつもりだったっていうの⁉︎
「……」キッ
「……あら……いい眼をするようになったわね」
ーやってやる……!絶対勝つ……!
「……じゃあ、お手並み拝見といきましょうかねぇ」
幽香が傘を畳む。
「……」(来る……!)
「それ!」
「!?」
幽香が凄まじい速さでこいしの目の前に現れる
「ぐっ!」
賺さず回避するもそれを読まれ……
「遅いわね……」
「なん……⁉︎」
傘で腹部を殴られる。
ドゴォッと鈍い音がなる。
「ゔっ……!?」
「吹き飛べ!」
傘で旅館の方へ吹き飛ばされるこいし
ドガァンッ!
「……⁉︎こいし!?」
「はっ……あぅ……かっは…!」
ーたった一撃くらっただけだったはずなのに……!身体が……動かない……!
「フ、フラン……!逃げてぇ…」
「……!」
状況を察したのか、旅館の外の方をフランが見ている
「……貴女がここで来るとはね…!」
幽香がゆっくりとこちらに向かってきている。
「あらまあ…まさか貴女達の子守でその子がいたのかしら?」
「……風見……幽香……⁉︎」
「お姉様、こいしを連れて逃げて」
「なっ……!貴女は⁉︎」
「私は時間を稼ぐ……大丈夫、そう簡単にはやられたりなんかしないさ」
「で、ても!そんなことしたら……!」
「それ以外助かる方法があるの⁉︎」
「……!」
「……ごめん…とにかく、早く逃げて」
「駄目…フラン……!一緒に……逃げて……!」
「こいし……ありがとう。よく頑張ってくれた……もうゆっくりしてていいよ」
「……後は……頼んだよ」
「……!!」
ー夢の時と同じだ……!そんな…嫌だ……!絶対にやだ!
「嫌だ……フラン!一緒に行こ……ッ……ううっ…!」
「さとりさん!
「……わかりました」
さとりと妖夢がいつのまにかレミリアの後ろにいる
「!?ちょっとさとり!いつのまに居たのよ!」
「ここに着いたのは今です。……行きますよ」
「やめなさいよ!フランを……見捨てて行くっての⁉︎無理よそんなの!」
「お姉様ァ!!」
「!!」ビクッ
フランが大声で叫んだ。
「……今は…一人でも多く助かる道を進んで行かなきゃいけないんだ」
「だからさ……お願い」
「……」
「嫌…!嫌だ……!フラン……!」
「こいし……お姉ちゃんと仲良くね?」
「何で……最後の言葉みたいなこと言ってるの……!そんなの聞きたくないよ…」
こいしの目には、涙が浮かんでいた。
「絶対に死なないって約束したじゃない……!」
「……そうだったね……わかった。私は死なない」
「うん……だから…お願いだから逃げよう?」
「……そうもいかない。守りたい人がいるから」
「そんな……フラン…!」
「そろそろ待ち草臥れたのだけど……」
幽香がそう言った。
「……行って」
「はい!」
「フラァーン!!」
「フラン!!離しなさい!!さとり!!」
「お許しを……!フランさんの頼みです!」
「こいしさん、我慢してください…これも……生き残るためなんです!」
四人が去っていった。
「……」
「……美しい友情と姉妹愛をありがとう」
「ふっ……心にもないことを……」
「貴女……実は結構強いでしょ?あんなこと言ってたけど、私が見る限り鬼と同等かそれ以上よ」
「……嬉しいこと言ってくれるね」
「ふふふ……さあ、始めましょうか…!」
「……」
フランがレーヴァテインを構える。
「ふふふ……傘にそれを使うの?随分不利ねえ私」
「貴女の傘、魔力でどうにでもなるでしょ?」
「まあね」
ヒュン
「!」
幽香がフランの目の前に現れる
「ソォラァ‼︎」
「……」
フランが傘の攻撃をいなすように躱す
「…⁉︎」
「シッ…!」ブオンッ!
ドガァッ
そしてその勢いを利用して、重い一撃を当てる
「ぐはっ…!」
「こいしの分の……お返しだ!吹き飛べ!」
幽香を旅館の外の方へ吹き飛ばす。
「ぐあっ!」
木に打ち付けられ幽香の顔が苦痛の表情に歪む
「……」
「……いいぞ…!」
「……?」
「……!?」
幽香が狂ったような笑みを浮かべている
「……その調子だ……!もっと…私を楽しませろ!」
「……!」
幽香がフランの後ろに一瞬で回り込む
「なっ……!」
「ソラァ!」ブオンッ!
「……ッ……!」
フランは傘の攻撃を素早く躱して、後ろに飛び下がる。
ドドドドド!
「うわっ!」
小さな妖怪弾をガトリングガンのように飛ばしてくる
「はははははは!いいねぇ……あんたは強いわ!私を楽しませられる強さを持っているわ!」
「さぁあ!!もっともっと楽しませてくれ!」
「……お望み通り……
楽しませてあげるよ!」ヒュン
フランが幽香の目の前に現れる
「それ!」ブオンッ!
レーヴァテインを振るう。
「ふん!」ガキィッ!
幽香は傘でそれを防ぐ。
「そらそらそらそら!」
傘を連続で振るう。
「くっ…!」
レーヴァテインで防ぐも、押されていく
「安心なさい!この辺りはもう日光は当たらないわ!だから心置きなく戦えるわよ!!」
「あっそ……それは!よかった!ね!」
三連続でレーヴァテインを振るう
「ははっ、のろいのろい!」
それを全て躱す幽香
「隙あり!」
フランが幽香の足を引っ掛ける
「くっ!?」
「そぉれ!」ブオンッ
ドゴォッ
幽香に重い一撃をまたくらわせる
「ッ……ふふふ!」ガッ
「…⁉︎」
だが幽香はそれに怯む様子はなく、少し苦しそうにする程度だった。レーヴァテインを掴む
「ははぁ!」ブオンッ!
幽香がフランの頭に向けて傘を振るう
「…くぅ…!」ガキィッ
フランは腕で防御する。しかし……
「…う…あぁ……!!」バキバキ
バキバキと音を立て腕の骨に罅が入る
「このまま折ってあげるわ!」
「…そうは……いかないよ…!」
フランが右にそれる。
「!」ドゴォンッ
幽香はその勢いのまま傘で地面を殴る。
殴った地面は大穴が開いた
「はあっ!」ドゴォッ
「ゔっ…!」
幽香の腹を全力で殴りつけるフラン
ー効いた…!
そしてそのまま、幽香を吹き飛ばす
……はずだった。
ガッ
「!?」
「ッ……本当に強いわねぇ……あんた!」ニィィ…
幽香は吹き飛ばされることはなくフランの腕を掴んでいた
「……なっ……!」
「零距離……」コオオ…
「!!」
「マスタースパーク!」
ーしまっ…!
ズドオオオオオオオオオン
「!あれって……マスタースパーク⁉︎」
霊夢達は三月精の三人を気絶させていた
「嫌な予感がするぜ…フラン達のところへ行こう!」
「ああ!」
「お嬢様……妹様…!」
「あの爆発……まさか…!
「はあっ……!はあっ……!」
「ギリギリで自分から腕を切り離して避けた……?いや、だいぶ当たったようね……腕を切り離したものの既に遅く、直撃ではないにしろ当たりはしたようね」
フランは全身傷だらけになっていた。
「はあっ……!はあっ……!」キッ
「……そんな眼で見たって同じよ?でも……楽しませてくれたお礼に私の手で殺してあげましょうか」
実を言うと、日光はここには当たっている。
それにフランは気付いてはいたもののそれを言っても場所は変えられないだろうと考えていた。
本調子の、四分の一ほども出せていなかった
「……」
「正直言って、貴女を早目に殺せてほっとしているわ……さよならね。フランドール」コオオ…
「……」
ー……お姉様……今までありがとう。いっぱい迷惑かけてごめんね……美鈴……私のことを大切に思ってくれてありがとう。楽しかったよ……咲夜……私やお姉様の世話を……みんなを支えてくれてありがとう。これからも頑張ってね……パチュリー……魔法を教えてくれてありがとう。お世話になったよ……小悪魔……私と遊んでくれてありがとう。美鈴と一緒で……貴女も優しかったな……
ー……私はもう、ここで終わりだけど……後のことはきっと私の親友が何とかしてくれるはず。……任せたよ……こいし
ズドオオオオオオオオオン
「また爆発だ!」
「近いわね……急ぐわよ!」
「ああ!」
「……」
咲夜は、妙な胸騒ぎを感じていた。
不安になって、愛用の時計を開き中の写真を見る。
「!」
フランが写っている部分だけ、時計のガラスが割れていた。
「……妹様…?」ゾクッ
「幽香!」
「……あら、霊夢じゃない」
「……!」
「…え…」
…パサッ
フランの帽子が落ちてくる
「……妹……様…?」
「妹様!!どこにいられるのですか!?」
叫んでも叫んでも
「妹様!!悪い冗談はやめてください!!」
フランは出てこなかった
「……嘘……だろ……?」
「……あんた……まさかフランを……!」
「霊夢、珍しいわね…妖怪を殺されてそんなに怒るなんて」
「……フランを……殺しただと……⁉︎」
「うわぁあぁぁあぁあぁぁあ!!!」
咲夜がフランの帽子を抱いて大声で泣いている
「……てめぇ……よくも!!」
「……」
霊夢が幽香を除く全員をワープさせた
「……いい判断ね」
「うわっ!」
「!?咲夜さん!魔理沙と!それに霊夢も妹紅も!みんな無事だったんだ!」
「こ、こいし……」
「……」(言えない……こいしは……本当にフランののことが大好きだったんだから……)
「……!」(そんな……みなさんの考えてることが本当なら……フランさんは…!)
「……ところで、フランは?みんなが来たんだから幽香は倒したんでしょ?」
「……」
「……うぅっ……!」ガクッ
「うあぁぁあぁぁああぁああぁあ!!!」
「……咲夜……?その胸に抱いてるのは何……!?」
「お嬢様ぁ……うぅっ……!ううぅっ…!!」
「……え……?」
レミリアは気付いた。咲夜が抱いているものが妹の帽子だと言うことに
「……ははっ、冗談よね?どうせ驚かそうとしてるだけ……」
「そんな反応する方がよほど辛いのですよ⁉︎」
「……」フルフル……
レミリアは今にも泣き出しそうだった
「……どういうこと……?まさか…」
「……フランは……殺されたわ」
「……!!」
「……嘘よ……嘘に決まってる!あの子が負けたっていうの!?そんなはずないわ!」
「……フランが……死んだ……」
「……フランが……死んだ……?」ガタガタ…
「はっ…はあっ……はあっ……!はあっ!」
「……!こいし!ゆっくり息をしなさい!」
「はあっ!はあっ!はあっ!」ガタガタガタガタ
「こいし!」
ーそのまま、わたしは意識を失った。大好きな者の死を……受けいれたくなかったから
目覚めたら、きっとフランが私を励ましてくれるんだと……そう願いながら……
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「……危なかった……もしあそこでマスタースパークを当てられなければ勝負はわからなかったわ」
「……ぐっ」ガクッ
フランからの攻撃は、幽香にはかなり効いていた
「……少し……休んでいきましょうかね……」
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その後、人里を後にして、紅魔館へ向かった
道中で三月精がまた絡んできたけど、全員かなり雰囲気が重かったため一瞬で決着はついた
私も……早く紅魔館へ行ってフランのお墓を建ててあげたかったから
そして、紅魔館へ着いた
「……貴女の……私達の家なのだから……どうか……安らかに眠ってね……フラン」
帽子を墓標に被せ、そしてそのまま紅魔館へと入っていった
……これから……あの人達と戦うことになる。フランの家族でもあるから……あまり戦いたくはないのだけど
それでも……フランが命を懸けて繋げてくれたこの命を……無駄にしてはいけないから……私は戦う
後は任せて……フラン
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「……妹様は死んでしまったのね」
「……そんな……!」
「殺したのは風見幽香のようね……」
「……ですが、私達はやるべきことがあるはずです」
「……そうね……それが終わってから復讐にいきましょうか」
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何でわざわざ後書きに書かずにここに書くのか?
それはね……後書き機能のことを完全に忘れていたからさ
フランちゃぁぁん!自分で書いてて悲しくなったっていうあれ!やっぱ一番好きなキャラ殺すのは心が痛む……( ;´Д`)
続き、頑張ります




