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東方人気投票の裏話(?)  作者: アブナ
第三幕 開演、世界崩壊への導曲 第一章 再来のサバイバルゲーム
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命令2

「そうか……こいしとフランを探すか?」


「探したところで見つからずに終わるわ……きっと無意識の力を使ってる」


「…それもそうだ」












「ねえ、フラン。そろそろ話してよ。どうして二人で行動することにしたのかを……」


「……殺人鬼という言葉のせいでお互いがみんな疑心暗鬼の状態になる。それを避けたかったんだ」


「……なるほどね…けど、二人で行動するのはかえって危険だよ。レミリア達に何も話さず行っちゃったから……怒ってるかもよ?」


「いいの。その方がむしろお姉様は安心する」


「…え?」


「私はいつもいつもお姉様に何も言わずに出掛けてたから……その方がいつも通りで安心すると思う」


「……そっか」


私達は今、フランの案内により人里に来ていた。

ここなら誰にもバレることもないだろう。

ちなみに服装も変えている。

フランは羽をしまって、いつもの服の上から薄赤のパーカーを着ていた。

帽子は外して髪を解いていた。


私の服装は、帽子を外して髪をフランがいつもしているようなサイドテールにして、いつもの服の袖を折って上から黄色いパーカーを身につけ普段履かないニーソックスを履いている。


「異常気象、いつも通り起きてるね」


「うん。今は本来梅雨明けのはずなんだけどね」


「フラン、名前はどうしようか……普通に話してたらバレちゃうかも……」


「…私の事はフレアって呼んで。こいしはどうしようか……」


「フレアね、わかった。…そうだなー……私は渚沙なぎさとでも呼んでよ」


「…渚沙、ね。わかった」


今は宿に留まっている。その際フランは名前はフレアで登録していた。

フレアという名前は、ヒロトが言っていた気がする。

もしかすると、フランは偽名でフレアが本名なんじゃないか……と私は考えていた。


「それじゃあ、渚沙。私ちょっと飲み物買いに行ってくるよ」


「あ、待ってフレア!私が行くよ!」


「!そう?わかった、それじゃあお願い」


「うん。何がいいとか希望はある?」


「んー……じゃあ紅茶で。あるかな?」


「多分お茶っぱはあると思うから、フレアって確か淹れられたよね?」


「うん。任せといて」


「それじゃあ行ってくるよ」


「気を付けて」









色んな店がある。町は活気に溢れていた。

羨ましいな、平和そうで。

おっと、いけないいけない…!早くお茶っぱを買わないと……。


「いらっしゃいー!おや、見ない顔だね。最近越してきたのかい?」


たまたま目にとまった店に入ると、そこには陽気なおばさんがいた。


「うん!ここってお茶っぱとかも売ってる?」


「ああ、あるよ!何のお茶っぱが欲しいんだい?」


「紅茶ってあるかな」


「紅茶ならあるね。それ、代金は……」








少してきとうに回って、色んなものを買ってきた。

これならきっと、しばらくあの宿にいても大丈夫だろう。


「ただいまフレア。色々買ってきたよ」


その時、私はフランの様子を見て驚いた。


「…すー…すー…」


「……」


きっと、疲れていたのだろう。ベッドに横になってぐっすりと眠っている。


「…お疲れ様、フラン。ゆっくりと休んでて」


「…ん…」


フランはそれに反応するかのように声をもらした。

その声がとても可愛らしかった。


「……フラン…可愛いなぁ…」


つい口に出してしまった。けど、どうせ寝ているし気付かれない。


「私はあの戦いのおかげで貴女を憧れるようになった。貴女は、私をどういう風に思うようになったの?前は私に憧れていたって言ったけど……本当にそうなのかな…?」


サードアイを開いて見ようと思った。けど、それはさすがにやめた。


「……フラン……」


私はフランの隣にそっと寝転んだ。

そして、じっとフランの顔を見つめていた。


「すー……すー……」


「……」


フランはぐっすり寝ている。


「…ちょっとくらい、ね」


そっとフランの口に自身の口を近付ける。


フランは全く目を覚まさない。

よほど疲れていたのだろう。

私が口にキスをしても起きることはなかった。


「すー……すー……」


「…ねえフラン……これから私達どうなるのかな……」


寝ている親友に向かって、答えが返ってくるはずのない質問を投げかける。


「また前みたいな平和な毎日を過ごせるようになるのかな……」


フランと毎日のように一緒に遊んだ毎日。

当たり前だったはずなのに、今ではそんな日々に憧れる。

あの頃の私達に、これから起こる惨劇を伝えて事前に阻止させたい。フランが全てを背負わないようにしたい。


「…ねえ、フラン。もし私がさ……貴女の前からいなくなったら……必死になって私を探してくれる……?」


「……すー……」


「…なーんて…言ってみたりね」


突然、睡魔が襲ってきた。どうしようもなく、眠くなった。


「……フラン……貴女は私が守ってみせる……だから……一人で背負いこまないで……」


そっと目を閉じ、私は眠りについた。

























「魔理沙…今回の命令なんだけど、悪いけど私は魔理沙をそういう風に見たことないからちょっとさ……」


「いいぜいいぜ!ちょうど私も同じこと考えてたところだ」


「今回の命令には従わないってことで。さて、どうなるかしらね」


「罰ってのが何なのかも気になるところだな」


「まあとりあえずは様子見ね」


「そうだな」


「これからどうする?」


「さっきは無駄だとか言ったけど、とりあえずフランとこいしを探すわよ。あの貼り紙が本当なのだとしたら殺人鬼に狙われるのはおそらくあの二人だわ」


「…?何でだよ」


「あの子達は相当強い。だから、不意打ちであろうと何だろうと殺したという実績があるだけでみんなは恐怖し、命令に服従する。そして殺人鬼から逃れようとするわ」


「……確かに」


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

追伸・命令に従っていれば殺人鬼に狙われにくくなる。

命令は服従を確認された後から次々入ってくる。命令は24時間以内に服従しなければ罰を与える。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


「このふざけた紙に事を信じるわ。私はあの子達が心配よ」


「…そうだな。すぐに探しに行こう」


ポツッ


「!」


ザーーッ


「大雨だわ!レミリア!」


「大丈夫よ、傘はちゃんと用意してある」


「それでも危ねえもんは危ねえ!とりあえず近くのあの人里に行くぞ!」


「ええ!」













辺りがざわざわとしている。

とある宿から火の手が上がっていた。

大雨だというのに、火は燃え続けている。


「…あれはいったい…!」


「レミリア、それより早く宿にい行くわよ」


「え、あ…ええ!」













「…ん…?」


ザーー……


雨の音が聞こえる。

目が覚めている。ここはさっきの宿屋ではない。


「……ここは……?」


そして私は起き上がる際にあることに気がつく。


「……!?」


自身の手が、血塗れだということに。


「……え…!?」


そして、もう一つ気がついた。フランがいないのだ。


「フラン!!どこなの!?フラン!!」


今外は雨が降っている。フランが外に出ていると危険なのだ。


「!!」


その時、木陰で木にもたれているフランを見つけた。


「フラン!!よかった、無事だったんだ……ね……?」


「……こいし…」


フランは全身傷だらけだった。

今にも死んでしまいそうなほど、重症だった。


「フラン!!どうしたの!?まさか殺人鬼に……」


「…うん……私達が寝ている間に来たの……何とか逃げ切れたけどね…」


「どうして私を起こしてくれなかったの…!!もう!いっつもいっつもそうなんだから…!!」


「…大丈夫大丈夫……治癒魔法あるし……」


「そういう問題じゃないの!!もう!!」


「…やっぱり、優しいね。こいしは」


「えっ…」


フランはそう言って笑った。


「……私のよく知ってるこいしのままで…本当に安心してるよ」


「……」


フランはいつもそうだ……私の事を助けてばっかり……。

私はフランに何も恩返しできてない。このままじゃいずれフランは私のために殺されてしまうかもしれない。


「…ねえ、フラン……お願いだからさ…!」


「…!」


「お願いだから……もっと私を頼ってよ…!」


「…こいし……」


「グスッ…こ、こんなだけど私でもフランの役に立てるんだから…!それに私達は友達でしょ!?」


「…そうだね……ありがとう……」


「…フラン?」


「少し疲れたからさ、私、寝るよ。大丈夫、死ぬような心配はないから」


「…そっか……わかった。それじゃあ雨が止むまで私が守るよ」


「ありがとう、こいし」


「いいよ、お礼なんて」










数時間後……。


「……!」


私はどうやら寝てしまっていたらしい。


「……朝日だ……フラン……」


数分前までは起きたまま見張りをしていたため、目の下に酷いクマができていた。


「…すー……すー……」


「…やっぱり、無理してたんじゃんか……フラン」


あれからずっと寝ている。

よほど疲れていたのだろう。


「…ここから動かないと……このままじゃ格好の的だし……」


と言っても移動のしようがないからなぁ…。


「……ん……」


「!フラン!」


「…!こいし……酷いクマが……ごめん、そんなに寝てたんだ私」


「謝らないで。今まで私のためにフランはどれだけ傷付いてきたか……それに比べたらこんなの安いよ」


「……ありがとう。とりあえず、町に戻ろう。一度攻められた場所に戻るわけがないと思うだろうから、それを逆に利用しよう」


「う、うん」


「……!」


その時、フランが何かの紙が木に貼られているのを見つけた。


「!新しい命令?」


「……」


そこに書いてあったのは……。



〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


命令に従わなかったためバツを与える。

博麗霊夢、霧雨魔理沙のどちらかが大切な友人を殺害せよ。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜



To be continue…



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