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東方人気投票の裏話(?)  作者: アブナ
並行世界篇
81/123

ヒロトの策

たまに一気にものすごいアクセスしてくれる日があるのは何故でしょう?笑

嬉しいしありがたいんですがね笑

『ねえ、お姉ちゃん』


『ん?』



『もしも、私が死んじゃったら…どう思う?』


『何縁起でもないこと言ってるの」


『いいじゃない。答えてよ』


『…悲しむわ。一日中、ずーっと泣いていると思う』


『そっか』


『…こいし?』


『ううん、何でもない。お姉ちゃんは気にしないで』









「……」


並行世界、紅魔館


「……こいし……」






ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー







「急いで!別の世界の貴女が今、あいつと戦ってる!」


「…!」


並行フランに、記憶が共有された。


「……なるほどね」


「……ねえ、フランドール。貴女は……目の前で私に姉を殺されてるんだよ?なのに何故…私を助けてくれるの?殺そうとしないの?」


「……復讐にとらわれていないわけじゃない。私も、貴女は憎くて仕方ないよ。今すぐにでも殺してやりたい」


「…!」


「けど、ここで復讐に走ってしまえば……もう二度私は私に戻れない気がするんだ」


「戻れない?」


「私は昔の私に戻りたくないの……今の私でありたいんだ。…もう私の大切な人達を傷付けたくないんだ」


「…何か、あるんだね……けどそれは今は聞かないよ。行こう」


「…ええ。さっきの今すぐにでも殺してやりたいって言ったの、謝るよ。酷いことを言ったね」


「そう思って当たり前だもの。謝らなくていいわ」


「……」













「……」


「威勢はいいがやはり人間……どうしようもないよなぁ…!!ヒヒヒヒッ」


フランの右腕が、切り落とされていた。


「……」


「おぉいおいおいおい!どうしたどうしたァ!?さっきまでの威勢はよォ!?まさか腕が切り落とされた事で絶望しちまったかァ!?ヒヒヒッ」


「……」


フランはじっとヒロトを睨んでいる。


「無視か!?おい!俺は知ってるぜ!?お前が本気で焦ってる時は口数が減るってことをよ!!それで心の中で色んな事を考えてるんだよなぁ!?ヒヒヒヒヒッ」


「……」


「俺を倒す策でも見つかったかァ!?心中する方法は見つかったかァ!?あるわけゃあねえよなあ!フレアちゃ〜ん!?」


「…今はもうフレアじゃない」


「ヒャーーハハハハ!!!惨めだねぇ!!今のお前にできることなんてそれぐらいだァ!!なぁにが『お前は私を本気で怒らせた』だァ!!お前如きが俺様をやれるわけねえだろバーーカ!」


「…うるさい」


「…ぷっ、ふふひひ、ヒャーーハハハハ!!おいおい!!『うるさい』だとォ!?ほんっとになにもできねえのかよォ!!ヒャハハハ!!」


ヒロトが、腹を抱えて大笑いしていた。

フランは、じっとヒロトを睨んでいる。


「…んじゃ、苦しいように殺してやる。最後にお友達に残してえ言葉でもありゃ言いな」


「……それじゃあ、一つだけ」


「おう言ってみろォ!」


ズバァンッ


「……ッはっ…?」


「死んじゃえよクソ野郎」


ヒロトの左足が、切り落とされた。


「……てめぇ!!フォーオブアカインドかぁ!!」


「……」


右腕が無いフランが消え、ヒロトの背後にフランが現れる。


「だがそれが何だァ…?俺は別に足が無かろうが飛べばいいんだからなぁ…!!状況は変わってねえぞ?」


「…もうあんたとは話したくない」


「ヒヒヒッ!てめぇが話したくなかろうが関係ねえんだよォ!!俺はてめえと話したいんだ!!」


ヒロトが高速でフランの背後に移動し、紅色のオーラを纏ったナイフをフランに向けて振るう。


「!」


フランはナイフでそれを防ぐ。


「やるねえフレアちゃん!!」


「うるさいな…!」


フランがナイフを逆手持ちにして、上に飛び上がる。


「いい加減、黙れッ!!」


急降下して、ヒロトに向かっていく。


「ヒッヒヒ…!」


ガキィンッ!!


ヒロトは、それをオーラを纏わせたナイフで受け止めた。


ピシッ


「…!」


フランが持っているナイフに罅が入る。


「…そろそろ死期が近いんじゃねえのォ?フレアちゃ〜ん…ヒヒヒヒッ!」


ガキィンッ!


「…うるさいな」


「おぉいおい!さっきからうるさいしか言ってないぜぇ〜!もしかしてあれか?勝てる自信が、無くなってきたとか!ヒャーーハハハハ!!」


「…もともと勝てる自信なんてなかったよ」


「ぷっ、ヒャハハハ!!マジかよフレアちゃん!!やっぱてめえは軟弱な小娘にすぎねぇってわけだ!!ヒャーハッハッハッハ!!」


「……」


フランがヒロトに向かっていく。


「まだやるか!?無駄無駄無駄無駄ァ!死ぬのが早くなるぞォ!?……!?」


ヒロトは、フランの顔を見て驚いた。


「……ふん」


フランが不敵な笑みを浮かべている。


「…!?おい、何で笑ってる。今から殺されるんだぞてめえ」


「どうして私が?殺されるのは貴方なのに」


「……あぁ…!?」


−何だこいつ…何を考えてやがる…!?

この状況はどう考えてもこいつにとって不利でしかねえはずだ…!なのに何だこいつのこの笑いは…!?


フランがヒロトに突撃していく。


「…!?」


−ただのはったりか!?それとも馬鹿なのか!?強がりか!?


ヒロトは焦っていた。こいつなら本当に何かやりかねない、と考えていたからだ。

フランの手に持つナイフに触るのを、恐怖していた。


「ちぃっ!!」


−こうなりゃやけくそだ!!


ヒロトは、ナイフに大量の霊力と魔力を注いだ。

紅いオーラが纏われる。


「くらいやがれ!!」


ガキィンッ




バキッ


「…!」


バキィンッ


フランの持つナイフが、砕けた。


「……」ニヤァッ


ヒロトが、笑みを浮かべる。


「…何だよ、やっぱりただのはったりか」


「……」


「さーて、どうやって殺してほしい?あ、あとお前が分身じゃないことぐらい感知してるからな。くだらねえはったりはかますんじゃねえぞ」


「……」


「……んじゃ、嬲り殺しにしてやんよ」


ヒロトがナイフを構える。


「まずはその手を切り落とそうか…ヒヒヒヒッ」


「……」


フランは、ただただ無言でヒロトを見ていた。


「さあ、足掻け…苦しめッ!俺に最高の悲鳴うたを聞かせろォォ!!ヒャーハッハッハッハ!!」


ヒロトがナイフを振り下ろす。


ブシャッ



辺りに、血が飛び散る。

しかし、フランの右腕は切り落とされていなかった。


「……あっ?」


フランは、左手を盾にしていた。

そして、ヒロトの両足が”壊れていた”。


「……てめえ…おいおいおいおい!!待てよ…能力が使えるだと!?お前ッ…!破壊の力は吸血鬼になってからじゃねえのか!?」


「…そんなことも知らなかったんだね。ヒロト君」


「…ちっ、まあいい。生きる時間がほんの少し伸びただけだ。お前、魔力が足りてねえだろ」


「…やっぱり、わかる?」


「何で足しか壊さなかったか…その答えが魔力不足だ」


「……」


「さて、今度こそ殺す」


ヒロトが宙に浮く。そして、そのまま高速でフランに向かっていく。


「死ねえ!!」


フランが、再び不敵な笑みを浮かべた。


「…!?」(何なんだ…!!)


そして、フランが言う。


「…『The World』」


「…あっ…!?」


その時、ヒロトの背後からも声が聞こえた。


「私だけの時間だよ」


ドオォーーンッ


並行フランが、そこにいた。









「……おかしいな。何で貴女まで止まった時の中に入ってきてるの?…別世界の私」


「私は咲夜の能力を何回も見てるからね。何となくコツはわかってるよ」


「…嘘だね。能力の干渉を壊したでしょ」


「……ばれちゃった?」


「だからこいしの無意識も探知できたし、私の時間停止の中も動けるわけだ」


「…ま、それはいいよ。あと二秒くらいしかないよ」


「大丈夫、もう攻撃してるよ」


「…ていうかヒロト君、動けるんじゃなかったっけ」


「幻符『ザ・ワールド』と『The World』を同時発動してるからね」


「…あれ、なら私止まってるはずじゃ……」


「スペルカードの方はちゃんと止める対象を決められるからね」


「あ、なるほど」


「…さて、五秒経過。時は動き出す」







「ち、ちくしょーーッ!!てめえが来る前に仕留めるつもりだったのに…!!」


ヒロトの四股が、全て切り落とされていた。


「……残念だったね、ヒロト」


「……てめえはフレアじゃねえな…おい、フレア。せめててめえの手で殺しやがれ……」


「……怪しいなぁ……その剥き出しの魔力抑えてくれない?」


「喧しい!!この状態で俺に何かできるか!?何かしたところで時止めすんだろうが!!」


「……とどめを刺すのは、私達フランのどちらでもないよ」


「…はぁ?」


並行フランの後ろから、並行こいしが現れた。


「…こうして会うのは今日で二回目だね……ヒロト」


「……てめえに、殺されるだと…?ふざけんな、御免だよ」


「その体は私のだからね……それと、こんな世界、全部壊しちゃえばいいんだって思いついてしまったのは、他でもない私。…この世界を地獄に変えたのは、私達なんだよ…ヒロト。だから……」


並行こいしが、ポケットからナイフを取り出した。


「私の手で殺して、けじめをつける」


「…おいおい、このまま俺を殺せば…お前の体も死ぬぜ?いいのか?」


「ええ。もうその体に未練はない。平和を取り戻せるなら、このクローン体でも何も困ることはないもの」


「そうかい……ところでお前、燐や空は助けなくていいのか?」


「……!」


「フランドールの仲間は真実を知らないぜ…?殺されてるかもなぁ」


その時、少し後ろからフランが連絡を取っている声が聞こえた。


「…うん、だから殺さないでおいて。今の話は全部本当だから……どっちもまだ殺してしまってないよね?………そう、よかった。こいし、そっちにいる?……いるんだね、了解。…私の方はもうちょっとかかりそうだから、終わったらまた連絡する。…うん、それじゃあ」


「……フランドール……」


「…こいし、フランドールって呼びにくいでしょ。フランでいいわ」


「……ありがとう、フラン」


「どういたしまして」


「…いつからだ…いつから連絡取ってた」


「時間停止を解いて、貴方に一言言った後」


「…あっそ」ギロッ


「…ッ…!?」ゾクッ


一瞬、ヒロトが並行フランを睨んだ。


「……!?」(…何だ…今の感覚…)


ヒロトが目を閉じた。


「やれよ、早く」


「…言われなくてもやるよ。ヒロト」


並行こいしが、ナイフを両手で持つ。

それをそのまま振り下ろす。


「さようなら、ヒロト」




ドスッ











「……終わったね、こいし」


「……色々、ごめんなさい……フラン」


「気にしないで。貴女は何も悪くないんだから」


「…うん」


「…私、みんなと合流してくるから」


「わかった、また後でね」


「ええ、また」


並行フランが飛び去っていった。


「……ふぅ」


「…!時間を稼いでくれてありがとう、別世界のフラン」


「…ええ、それより、貴女の体…復活させられるからさ。ヒロト君が死んだかどうか、確認できる?」


「…うん」


−吸血鬼に戻ってる……人間にされてたんだ…。


「……死んでるよ。脈はないし、魂も消えてるっぽい」


「そっか。なら、私の蘇生魔法で生き返らせられるね」


「……貴女も蘇生魔法を使えるんだ……」


「この世界の私も使えるみたいだね……なら、この世界の私にも協力してもらおうかな」


「おーい!」


「…!」


魔理沙達が駆け付けた。


「お前ら無事かー!フランから話は聞いてる!」


「……魔理沙…それに、他のみんなも……本当に、本当にごめんなさい……!」


並行こいしが、頭を深く深く下げている。


「おいおい、いいってそんな…!お前だって被害者なんだからよ…!」


「でも…私のせいで……!」


「……私。過去をいつまでも悔やんでも仕方ないよ。これからどうして行くか……それが大事なんだから」


こいしが、並行こいしにそう言った。


「……うん、わかった。今まで、本当にごめんね…みんな」


「ははっ、平和に終わってよかったぜ」


「…あれ?そこにいるフランは……」


「私と同じ世界から来た、私の大親友のフランだよ」


「…初めまして、こいしの世界と同じ世界から来たフランだよ」


「あーなるほどねぇ…友達の危機に駆け付けたってわけか……美しい友情だ。これからも仲良くな」


「どうも。みんな、私のいる世界とあまり変わらないね……霊夢以外」


「こ、こいしさんからもそうやって言われたのですが、そんなに違いますか?」


「うん、違うよ。まるで真逆」


「えぇ!?そ、そうなんですか……」


「…ふふっ」


「……」(こうやって、平和な会話が出来るのも…決着がついた証……)


−駆け付けてくれてありがとう、フラン。


「この戦いは、私達の勝ちだね!みんな!さあ、帰ったらみんなで宴会をしよう!」


『おおー!!』


−私達は、絶望だった世界から、希望を勝ち取った。これからは、この世界も幸せな世界へと変わるだろう。一つ世界を救った、かぁ……変な気分だなぁ。


こいしが現れたことで、この世界は希望へと歩みを進め出した。

ある意味、こいしはこの世界の英雄である。

こいしの存在は、皆に希望を与え、光を与えた……こいしは言わばヒロトという宇宙の闇の中、光り輝く一つの太陽のような存在。

そして、この世界は地球と例えるのがいいのだろう。

地球は、太陽無くしては生きていけない。

こいしという太陽が、この世界を生かしたのだ。


「帰ろうみんな!紅魔館に!」


「ああ!帰ろう!」


「終わったんだな、この長かった戦いが」


しかし、並行こいしとフランが、とある事に気付いた。


「…ねえ、フランを迎えに行かないと……みんながいる方向を間違えちゃったみたい」


「あら、そうなのか。どっちに飛んで行った?とりあえず連絡取るか」


「……ちょっと待って……怨霊って人から人へ取り憑く力って持ってる?」


「ん?……おい、フラン…!それって…」


その時だった。


ドォォォォォォォォォッ


『!?』


並行フランが飛んで行った方から、凄まじい魔力と霊力を感じた。


「察しがいいね……”フレア”」


ザッ ザッ ザッ ザッ


「……あっ……」


「……そんな……!お前…まさか……!!」


















挿絵(By みてみん)







「よぉ……さっきぶり」


「……ヒロト…!!」










To be continue…



…もうちょっとおぞましく、かっこよく描きたかった…笑

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