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東方人気投票の裏話(?)  作者: アブナ
並行世界篇
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決戦の地霊殿

「こいし様。傷の調子はどうですか?」


「あーもうすっかりよくなったよ。フランドールの奴わざわざ再生不能の剣で切りつけてくるとは……抜け目ない奴だよ。私をしばらく攻めさせないためだろうね。もしかすると、近々攻めてくるかもね」


「ご安心を。そうなった場合はあいつらはこの霊烏路 空がまとめてフュージョンしてみせましょう」


「そりゃあ頼りになる」


「この火焔猫 燐もいます。貴女様のお手を煩わせるまでもありません」


「我々二人で、奴らを片付けてご覧にいれましょう」


「……そう。期待してるよ二人共」


「「はっ」」













紅魔館、中庭。

作戦決行の日だ。作戦の主要メンバーのみんなが集合している。


「さあ!今日だぞ!」


「結局一週間各自でシュミレーションしただけだったじゃん。大丈夫なの?」


「まあいけるだろ。なんたってこっちにゃ頼れるリーダーがいるんだから」


妹紅がフランの方を見ていった。


「……何か一言言えって?」


「おう」


「…はいはい」


面倒くさそうに立ち上がるフラン。ちなみに日光を遮断するローブを着てるよ。

さっきまで紅魔館の噴水のところに座っていた。


「…今回の作戦は、成功すれば勝てるだろう。けど、失敗すれば私達の命の保証はない」


みんなは、フランの事をじっと見ている。


「だから……命が惜しい人は素直にここでこの作戦を降りて欲しい」


……。


「フラン。そんな奴がこの中にいると思うか?」


魔理沙が言う。


「!」


「その通りだな。私達はもうとっくに命を賭ける覚悟は出来てる」


「はい!私もです!」


「私もです」


妹紅、霊夢、早苗が続いていった。


「もちろん、私達もね」


ぬえがそう言うと、正邪が頷いた。


「…世界は違うけど、私は貴女の友達だからね。命を賭ける理由なんてそれで充分だよ」


「…こいし」


「それに、暗い話ばかりしてるけど……勝てばいいんでしょ?フラン」


私がそう言うと、フランは私の顔を横目で見た。


「みんなこの世界を守りたい気持ちは同じ……だから、フランもそんな心配はしなくていいんだよ」


みんなが、頷いてくれた。


「……ごめん、みんなを侮辱してしまったかな」


フランは、笑みを浮かべて言った。


「こいしの言う通りだ……勝てばこの世界を守れるしみんなが平和に暮らせる」


「うん!」


ドオォーーンッ


フランが紅魔館の扉の目の前に移動していた。


「それじゃあ、行きますか。この世界を救いに」


『おおーー!!』


フランらしいあまり気合の入ってない発破かけだ。

けど、不思議とやる気が出るんだよね。

……今度こそ、誰も死なせない。絶対に。














「さあ、奴らがくるぞ…準備はいいか?お空」


「いつでもいける。奴らを消し炭にすればいいんでしょ?」


「そうそう。燃えカスも残らないようにしてやりな」


「任せといてよ」


「そう意気込むのはいいけど、あまり無理はしないでよ?お燐、お空」


「こいし様!」


「大丈夫です!我々が負けるはずがございません!」


「でも、私は貴女達が心配なの。お姉ちゃんが私を見捨てた今、貴女達しか私の家族はいないんだから」


「…さとりは我々が消し飛ばしてみせましょう。あいつは……私達の信頼を裏切った…」


「奴を生かしておくわけにはいきません」


「その通り……私達でお姉ちゃんの息の根を止めよう。そして私達がこの世界を支配しよう」


「「はい」」


「……ごめんね、私の計画に巻き込んじゃって」


「いえ。私達を見捨てず最後まで残ってくれたのは貴女ですから……」


「今度は我々が助ける番です」


「……そう。ありがとう」


「こいし様はお部屋でお休みになってください!我々が敵を仕留めます!」


「…さっきも言ったけど、無理はしないでね」


「はっ!」


お燐とお空と並行こいしが、地霊殿の玄関の扉の前で話している。

並行こいしは、言われた通りに部屋にもどっていった。


ガチャ バタンッ


「……」


「…また、一緒に遊びたいな…お姉ちゃん…」


並行こいしが、写真立てを見つめながらそう小さく囁いた。そのまま、ベッドに横になる。


「……」


ガラッ


「調子はどーですかー?こいしさん?」


「……何でいんの」


黒いローブを羽織った長身の男がこいしの部屋の窓から入ってきた。


「冷たいですねぇー!心配してきてあげたのに……」


「……私が調子が悪い時があると思う?鬱陶しいから失せて」


「まぁまぁ、そうカッカしないでくださいよー?」


「誰が原因だと思ってんの。私は一人になりたいの」


「おぉっと、それは申し訳ない!ですが今日はちょっと話があってですねー…」


「何?とっとと済ませてよ」


「あ、はいはい…!えーっとですね………紅魔館の連中の始末の話なのですが……」


「……それなら請け負うつもりはないって言ったでしょ。あんたが自分でやってよ。一人で」


「おやおや、それはやられてこいって言ってるんでしょうか?ま、あそこの連中は私一人でも充分ではあるんですがね……」


「だったらやればいいじゃん」


「いやですね?ただ一人!ただ一人とても厄介な奴がいてですね……」


「誰?」


「悪魔の妹、フランドール・スカーレットさんです。奴がいなければ余裕なんですが……奴だけ他の連中と比べて異常なほど強いわけですよ。私が本気を出せば戦えない相手ではないのですが、他の敵もいるとなると厳しくてですねぇ……」


「ふーん、で?私にそいつを倒してほしいって?」


「はい」


「嫌だね。私だって、フランドールに勝てるわけじゃないし。前に戦った時は互角だった。しかも私は押され気味だったしね」


「あーららぁそーですか。ならどうして今生きているんです?」


「……さあね」


「全く頑固な人だなぁ……」


次の瞬間……


ガッ


ベッドに横になっているこいしの首を掴んで、無理矢理身体を起こした。


「大概にしとけやてめえ……お前が今こうしていられるのは誰のおかげだと思ってんだ?あぁ?」


「……あんたのおかげ……結果的にはね」


「んん?過程に文句があると言いたげだなぁ?このシスコン野郎」


「……文句があっちゃ悪い?」


「言っとくが……俺が少しでもてめえが気に入らねえと思ったらソッコーぶっ殺すからな。自分の力量をよく理解してるてめえならわかるだろうが、逆らおうだなんて思うんじゃねえぞ?」


「……」


「あと、また”借りる”からな。許可なく」


「……約束は守ってよ」


「おうよ。俺は約束は守る男だぜ」


そう言うと男は手を離した。


「それではまた、こいしさん?次に会う時まで」


男が窓から出て行った。


「………


…ちくしょう…!!」


並行こいしは、歯を食いしばり必死に怒りを抑えていた。


「今に見てろ……私が…殺してやる……!!」




















「地底の入り口に着いたぞ。お前達準備はいいか?」


「おう!」「ああ!」「よーし」


作戦のメンバーが、地底の入り口の近くの”あの木”に待機している。


「……」


この世界のこの木には、私とフランの名前はないんだな。…そりゃそうか。あったらおかしいもんな……。

ふと、木の枝の方を見上げた時に見えた。


「………!!」


「こいし」


「!フ、フラン…!」


「……見ちゃったか。木の方を見てたから、見られないようにしようとしたんだけど」


「……いつ来た時の?」


「……ここに行った時の私の話、覚えてる?その日」


「……」


「…まあ、忘れてほしいって言っても無理だよね」


「…ごめん、フラン」


「謝んなくていいよ。さあ、作戦に集中しようか」


「……うん」


私は見つけてしまった。

レミリアとフランの名前が入った蝙蝠の羽が枝に彫られているのを……。

それを見た時、さらにこの世界の私に対して怒りが湧いてきた。この作戦……必ず成功させて倒す!


「……それじゃあみんな、行くよ。準備はいいね?」


フランが言った。


「ああ!いつでも行けるぞリーダー」


「…それじゃあ……覚悟はいいね?」


全員が頷く。


「行くよ!この世界の平和を取り戻しに!」


『おおおお!!』


さあ、決戦だ!



To be continue…








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