光と闇
またも下手な挿絵があるよ
存分に笑うといい
ついでに64話の戦いに終止符をにも挿絵を追加しました
「……ねえフラン。もう時止め解除していいんじゃない?」
「時間を短縮できるところまでしたいの。もしも誰かが心配して私の部屋に来たりしたら……いけないでしょ?」
「……確かに」
「古明地こいしと少し会うだけだよ。……ここで倒そうなんて思わないでよ」
「……うん」
「……着いた。地霊殿よ」
「……ここに、いるのね?」
「…うん。ここの何処かに「古明地こいしはいる!」……!?」
「…なっ…!」
「ようこそ」
地霊殿の二階から声が聞こえる。
上を見上げると……。
「我が居城、地霊殿へ♪」
並行世界のこいしが、窓の縁に肘をついてこちらを見ていた。
「……入門者…!!」
「へえ、その入門っていう単語を知ってるのか。……なら、貴女も一度フランドールと戦った事があるのかな?」
「……あるよ」
「……」
「…思ったより冷静だね、フランドール?」
「……そう?」
「もっと怒って向かってくるだろうと思ってたけど……」
「……ふん」
「貴女の姉は最後まで貴女の事を心配していたよ」
「!」
並行世界のこいしが、笑みを浮かべながら煽るような口調でフランに語りかけた。
「いやー、ここでわたしが倒れたら、あの子を狙うでしょう!?だって。妹思いで感動したね」
「……」
「…お前…!」
フランではなく、こいしが怒りを露わにしていた。
「…何でお前が怒るのさ。お前は関係ないだろう?」
「確かに私は家族を失う悲しみは知らない……!けど!友達が泣いているところを見たのに!!怒らないわけにはいかない!!」
「……ふーん、フランドールは泣いてたんだねぇ……情けない奴だよ」
「…何だと…!?」
「お?やる?私は構わないよ…命が惜しくなければかかってきなよ」
「望むところだ…!殺してやる!!」
「知ってた?血は生臭いって言うけど……吹き出したばかりの血は塩っぽいんだよ」
並行世界のこいしが狂気の笑みを浮かべながらそう言った。
「はあ?塩っぽい?鉄っぽいの間違いでしょ!」
こいしは、小馬鹿にするような言い方で言った。
「お前は私が殺してやる!!」
「やってみなよ!」
二人が戦おうとした時…
すっ
「!」
フランがこいしの前に立った。
「……今はまだ…戦わない」
フランは帽子を深く被っているため目が影で隠れてよく見えない状態だった。
「けど……いつか必ず決着はつける」
「……はっ…逃げてるだけでしょ?私が怖いんでしょう?情けない奴」
「……貴様ァ…!」
「いいんだこいし……事実だもの。私は情けない奴よ」
「…フラン…!」
「あーっはっは!認めたか!やっぱりそんなものね!妹の方は!」
「けどね」
「「!」」
「私はその情けなさは、仲間を大切にできる長所でもあると思ってる」
「…!」
「だから私は……臆病者のままでいたい」
フランが笑顔でそう言った。
「……お前、本当に仲間思いなんだな。それはいいことだとは思うけど……」
「……貴女とはまたいつか、決着をつける。決着をつける時は今じゃない」
「……そこにいる奴は私と戦いたいようだけど?」
「…!」
こいしは、並行こいしを睨みつけていた。
「……抑えて。こいし」
「ごめん、無理」
ドオオッ
こいしが無理矢理時間停止を解除した。
「…なっ…!?」(時が動きだした…?)
「…へえ」
こいしが、並行こいしを見つめながら言った。
「…ひとつ、気になることがあるの」
「?」
「貴女…帽子は?」
「…帽子?元々私は持ってないよ」
「……そっか」
「……その帽子に何か意味があるっての?」
「……この帽子をもらえば、貴女のようにならないってことがわかった」
「…?」
「この帽子をもらえなかったら、貴女のようになっていたってことがわかった」
「……あっそ」
「私は……お前が私だってことが気にくわない!」
「……そんなのこっちだってそうだよ……お前が私だって?そんな平和ボケした奴が?」
「……お前という存在を消すには……殺す以外に方法はない」
こいしが帽子を深く被って、目を隠す。
「……それで?」
「お前を殺す」ギロッ 「やってみろ」ニヤァッ
「「本能!!」」
二人が同時に突進していく。
ドガァッ!!
「「イドの解放!!」」
二人が激突したと同時に、スペルカードを発動させる。
ドオオオオオオオンッ!!
「……」
フランは、その様子をじっと見つめていた。
「……こいし。やるからには……勝ってよ」
「はっはっは!やるじゃあないか!!」
「まだまだァ!!」
こいしが魔力刀を出して突進していく。
「へえ!そんなこともできるのね!」
「行くぞ!!」
こいしが魔力刀を横に倒して、スペルカードを発動させる。
「『嫌われ者のフィロソフィー』!!」
「!」
魔力刀から、大きな弾幕が交差しながら飛んでいく。
「っ…!?」
並行こいしはそれを飛んで躱す。
「…へえ…!その使い方……どこで覚えたの?私の使い方そっくり…!」
「…!?」
「思ったより楽しめそうだ…!さあ!続きやろうか!私!」
「…黙れ!お前は私じゃない!!」
「そうかい!けどどんなに否定してもこの事実は変わらないぞ!?」
「うるさい!!」
こいしが突進していく。
「お前は精神的にまだ幼いな…この世界を生き抜いてきたあいつらよりも未熟」
ズバァンッ
「……え?」
「だから……お前の隙はつきやすい」
「…ぐっ…がぁああっ…!!」
こいしの首が少し抉られていた。
「これで息はしにくいでしょ?あえてそうした……お前には苦しんで死んでほしいからねぇ」
「…かっ…!はあっ……はあっ……」
−い、息がしづらい……
「さあて、どうやって虐めてあげようかな……」
ドオォーーンッ
次の瞬間、こいしが消えた。
「何!?」
ブシャアッ!
「!?」
そして、並行こいしの腹部が切り裂かれていた。
「…時間停止…!!フランドールか」
しかしもう既に、フランとこいしの姿はなかった。
「……私が見ることの出来ない時間停止…そんなものがあるのか…!?」
「……まあ、いっか。面白い奴も見れたし……寝よ」
並行こいしが、地霊殿へ戻っていった。
フランが、こいしを抱えて紅魔館に向かって飛んでいた。
「…フ、フラン……けほっ」
「……やっぱり、真っ向から勝負して敵う相手じゃないみたいね。あいつは」
「……ごめん……挑発に乗っちゃって……」
「いいよ。けどこいし、何で本気でやらなかった?」
「……違う…本気を出せなかったんだ。私の世界のフランの力を使うのは、それなりに魔力を必要とするの」
「……時止めを無理矢理解除した時にだいぶ魔力を使っちゃったってことか」
「うん……ごめん」
「いいよ別に謝らなくて……紅魔館でゆっくり休もう」
「…うん」
To be continue…
胸を盛りすぎた感はある…かな?




