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望み

少し挿絵を入れてみました

絶望的に下手です

こいしとレミリアは、霊夢とフランが戦った場所に来ていた。

フランの遺体を、確認する為に。

咲夜は見たくないとのことで、紅魔館で待っている。


「……」


こいしは、左手首に付けていたリストバンドと髪を結んでいたリボンを解き、フランの上に乗せた。


「…フラ…ン…」


レミリアの目には、涙が浮かんでいた。


「…レミリア…」


フランの遺体の前で、地面に膝をついて絶望にくれているレミリア。

太陽が照っているのに、何故かフランの体は消滅していなかった。


「…ごめん、こいし……泣いても、いい?」


「…うん」


「……うわぁぁぁ…!!フラァァン……!」


「……ッ」


「うぅうわぁぁああぁあああぁぁああぁ……!!!」


フランの遺体の前に座り込んで、レミリアは大泣きした。


「フラン…フラン、フラン……!!」


「……うぅ…!」


こいしは見ていられなくなり、後ろを向いた。


「嫌……嫌よフラァン…!!起きてぇ……お願いよ……」


何を言ってもフランが起きる事はない。


「私、貴女に姉らしいこと何一つしてあげてないじゃない…私にも何か、恩返しさせてよぉ…!!」


「……日傘気をつけて、レミリア。私先に行くね」


「うわぁぁぁあぁ……!!」


こいしは、地底の入り口の方へ向かっていった。












「…これは、一体…?」


こいしは、ここにいる全員の魂を混玉に吸い取られたことを知らない。


「…一体誰に…?みん…な……」


「閻魔様…正邪…ぬえ…魔理沙…みんながいながらどうして…?」


「お姉ちゃんは…?お燐は…?お空は…?どこなの…!?」


その時、不意に思い出した。


「夢幻姉妹は、殺されたんだよね……?そしたら、夢幻世界も………」


こいしは全てを悟った。ここにいない者達はみんな、消滅してしまったのだ、と。


「………うぐっ……ぐっ…うぅ……!」


こいしが、悲しみのあまり呻きをあげる。


「あぁああぁあああ…!!」


そんな時だった。


「…?」


こいしの頭上に、紫色の輝きをあげる小さな光球が現れる。


「あれは…」


こいしはゆっくりと落ちてくるその光球を、両手で受け止めた。


「……まさか…これって…!!」


その時、何者かの声が聞こえた。


−貴女の望みはなんですか?


「!?」


慌てて周りを見回したが、起き上がっているものは誰もいない。


「……え?」


−貴女は知っているはずです。混玉には意思がある。

今貴女に話しかけているのは、私です。


その声は、女性の声を機械音声で再生したかのような声だった。


「じゃあ……もしかして霊夢やフランも…」


−いえ、博麗霊夢には聞こえていません。

何故なら、彼女には誇り高き精神がなかったからです。


「じゃあ何で、霊夢の願いが叶ってるの…!?」


−途中までは私にも意思はありませんでした。ただただ操られる道具でした。しかし、夢幻館という場所でフランドール・スカーレットに出会った事で、その誇り高き精神に呼び覚まされたのです。


「……信じられない」


−構いません。しかし、貴女の願いを叶えることはとある方の願いなのです。


「…え?」


−並行世界のフランドール・スカーレットの願いです。貴女の願いを全て叶えてほしいとのことです


「……」


−もう一度聞きます。


こいしの目から、自然と涙が溢れていた。


−貴女の望みはなんですか?


「この世界を……元の平和な幻想郷に戻してほしい……」


「霊夢が野心を持つことなく、ずっと呑気な巫女であって……フランがずっと幸せに暮らせていて……みんながずっと笑っていられる……そんな、平和な幻想郷に………してほしい。……それから……ーーー」





−承知しました。

最後の願いを叶えます。













最終決戦


~fin~



挿絵(By みてみん)











































































「…え?」


こいしは、見覚えのある場所で目を覚ました。


「博麗神社の……」


博麗神社の社の縁側である。しかし、そこは日陰になっていた。


「おはよう、こいし」


「……!!」


聞き覚えのある声が聞こえてきた。

声の聞こえる方を見ると…


「よく眠れた?」


フランが、そこにいた。


「…フラン……」


「…?どうかした?そんなに目を見開いて……私の顔に何かついてる?」


「フラン……!」


「え?こ、こいし?どうしたの?」


「フラァン!!」


「うひゃあ!?」


こいしは、思わずフランに抱きついてしまった。


「こ、こいし!?」


「フランン…!」


「……」


フランは、何があったのかわからないがとりあえずこいしの頭を撫でた。


「……」


頭を撫でられた直後、こいしが赤面した。


「…ごめん、フラン。この行動、無意識だった」


「そっか。…別に嘘つかなくていいからね」


「……」


「…やっぱり、嘘だね。何があったの?」


「……夢の事なの……」


「……うん……」


こいしは、夢ということにして全てを話した。


「……嫌な夢だね……」


「……うん」


「……私が死んだ辺りから……こいしは涙ぐんでたね」


「だって本当に辛かったんだもん……!」


「…ふふ、そう。ありがとう」


そんな時だった。


「二人共どうし……」


霊夢が現れた。


「…お取り込み中失礼しました」


「いや待ってよ!」


「いやー、二人がそんな関係だったとは意外」


「違うよ!?」


「へえ、じゃあ何?そんな趣味なわけ?」


「それも違うね!!」


「わかったわ、秘密にしといてあげるから」


「だからぁ〜!!」


「もういいよフラン」


「で、でもさあ…」


「私としてもそんな感じに思ってるし…」/////


「えぇ!?」


「ほら、どうなの?」


「……」


「フラァン…♡」


「……」


フランがやれやれ、といった表情で言った。


「人気投票!人気投票見に行こうよ!」


「え、人気投票やってんの?」


「夢のせいでごちゃごちゃになっちゃってるんだね……」


「ふん、今回も私が一位よ!」


「どうかな?意外と変わってるかも」


「……」


−これで私が一位になってるんだよねぇ〜…ひひ


「じゃあ行こうか」








1.博麗霊夢

2.霧雨魔理沙

3.古明地こいし

4.十六夜咲夜

5.フランドール・スカーレット

6.魂魄妖夢

7.レミリア・スカーレット

8.古明地さとり

9.アリス・マーガトロイド

10.射命丸文



「な、なにぃ…?」


「ふん、どうよ!また私が一位じゃない!」


−れ、歴史が変わってる?


「あれ?今回って人気投票十二回目だったっけ?」


「まあ何でもいいじゃない!」


「…まあいっか」


「…え?十二回目?」


−……


「?こいし?」


「い、いや、何でも」


「そう?」


「こいし、また順位変わらなかったわね」クスクス


「あ、お姉ちゃん!でもそれは私がまた三位ってことだからさ!嬉しいよ!」


「あら、そう。よかったわね、ふふ」


「でも、お姉ちゃんも変わってないね。順位上がらなくて残念」


「私はいいのよ。貴女が上位に立ってくれていればね」


「お姉ちゃん……あはは、ありがとう!」


「こいし、三位おめでとう。相変わらず凄い順位だね」


「そういうフランこそ!五位をずーっとキープしてるじゃん!」


「ありがとう!」


「くそー!またフランにも咲夜にも負けたわ!」


レミリアが鳥居に頭を打ち付けている。


「ま、まあまあお嬢様。次があります」


それを咲夜が慰めていた。

そこにフランが行き…


「そうだよお姉様。次は必ずいい順位になるって。それに、七位って充分凄いじゃん」


「それは私を煽っているのかしらフラン!?」


レミリアが凄い勢いで向き直りフランにそう言った。


「い、いやそんなつもりは……」


「あ、ごめんなさい…!私も今のはひどかったわ……忘れて」


レミリアは我に返った。


「あはは!わかった、忘れる!」


「も、もう!その笑顔卑怯よ!」


「さあ、私がまたトップ10に返り咲くことができた記念に一枚!!みなさん並んで〜!」


「お前記念にするの間違ってないか?」


「こいし、記念撮影だってよ」


「うん!隣いい?咲夜さん」


「ええ、いいわよ」


「さとり、貴女にはこれから先も負けないからね」


「どうでしょうねぇ、レミリアさん」


「お前ら何小さいことで争ってんだ。妹を見習え」


「その通りね」


「黙れトップ2‼︎」


「あと5秒後フラッシュです!」


「おっと、並ぼうぜ」


「ええ」


「わ、私はどこに行けば……」


「妖夢さん!おいでよ!」


「あ、フランさん…!ありがとうございます」


「さて、これで順位順かしらね」


「ええ!」


「それではみなさん笑って笑って〜!はい、チーズ!」














解散後、こいしはフランを呼び止めた。


「…ねえフラン。ちょっと来てくれない?」


「?どうかしたの?こいし」


「いいから」


「え?わっとと…!」


こいしがフランを引っ張っていった。






「ど、どうかした?」


「……いや、別に。フランと二人で話したかっただけ」


「…そっか。ならいっぱい話そう」


「…うんっ」


「んー、今回こいし一位いくと思ったんだけどなー」


「まあ結果は結果だよ。それよりフランは順位変わんなかったね……」


「まあ、仕方ないよ。私がここまで人気なこと自体信じられないのに…」


「フランが人気なのは当たり前だよ!だって、私の憧れの人だもの」


「そ、そう?ありがとう」


「うん!」


−…そう、あの決戦で貴女は私の憧れの存在になったんだ。


「……」


「…こいし?」


「いや、何でもない。……それよりね」


「?」


「私、これから旅に出かけるの」


「え?」


「多分しばらく帰ってこれない。いや、もしかしたらもう帰ってこれないかもしれない」


「…な、何を言ってるの?」


「だからフラン……」


こいしが笑顔で言った。


「私を救ってくれてありがとう」


「こ、こいし?」


こいしの体が光り始めた。


「!!こいし!!」


フランは何かを悟ったのか、大声でこいしの名を叫んだ。そして、こいしに向けて手を伸ばした。


「行ってきます」


しかしこいしは、その手を掴まなかった。そのまま、光に包まれて消えていったのだった。


「…こいし…!!」











「…ここは…」


こいしは、またも見覚えのある場所で目覚めた。


「紅魔館だ……願いが叶ったんだ」




−『それから……私をあの並行世界のフランのいた世界へ連れて行って』


−(承知しました。最後の願いを叶えます)





「……」


−この世界がどうなっているのか……私は気になる。


「……ここにいる人達にこの世界のことを何か聞きたいな」


「誰だ!」


「!」


後ろから声がする。


「…お、お前は…古明地こいし!?」


「……ぬえ?ぬえなの!?」


それは、並行世界のぬえだった。

容姿は特に変わりない。だが、髪が少し長く、より鋭い癖毛になっていた。


「何でお前がここにいる!!」


「ちょ、ちょっと待って!私は…」


「…よく見たら、私の知っている古明地こいしじゃないな。そんな帽子はかぶっちゃいない」


「ほっ」


「お前、何者だ?どうしてそんな古明地こいしと似ている?」


「ゆっくりと話すから、聞いてね」


こいしは、これまでにあったことの全てを話した。

そして、フランの死も。


「そんな……フランが……死んだ……?」


「……」


「…くぅ…!」


「……ねえ、この世界ではフランはどういう存在だったの?」


「……フランは……私達のリーダーだったんだ。この世界ではね」


「……」


「いつも私達を助けてくれた……私達がやられそうになったら、時を止めて颯爽と現れて敵を倒して……」


「……」


「いつもいつも……私達のことを助けてくれたんだ……支えてくれたんだ……フランがいたから……私達は希望を捨てずにいれた」


「……」


「…フランは無敵だった。冷静な判断力、凄まじい攻撃力、そして時間停止……フランが負けるところなんて想像もできなかった」


ぬえはそこまで話すと、こいしの方を向いてこう言った。


「この世界のことについて、色々と話すよ」


「…うん」


「……この世界は、絶望の世界だ。紅魔館にいる数人以外、生き残っている人妖はいない」


「…え!?」


「この世界は、ある人物の支配下にあるんだ。それに抗う者達の集まりが、ここ紅魔館に集まって一致団結してずっと暮らしてきた」


「…なっ…ま、まさか……」


「そう……その支配者の名前は……」











「ねえ、知ってた?人間の血ってね。生臭いって言うけど……吹き出したばかりの血は、塩っぽいんだよ」


「ひぃぃ…!!い、命だけは!!命だけはぁ!!」


「だーめ♪私に逆らった罰だよ。さようなら」


「ギャアアアアアアアアアアアア!!!」



「ふふふ、あーっはっはっはっはっはっは!!」










「古明地……こいし」





To be continue…




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