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東方人気投票の裏話(?)  作者: アブナ
第二幕 世界崩壊への序曲 第一章 絶望へのカウントダウン
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悲しいひと時 〜決戦開始まで後1日〜

正月SPやろうと思ったんだけど、和服を上手くかけないのなんの

オーノーッ!

「フラン?また一人でどこかへ行ったそうじゃない」


「……」


「どこへ行ってたのかしら?」


「何処でもいいじゃないですか。あ、もしかして何か疑っちゃってる感じですか?」


「んー、まあ若干疑っちゃってるわね」


「大丈夫ですよ。裏切ってませんので」


「あらそう?ならいいんだけどね」


「じゃあ私はこれで」


「はいはい」










「……」


−『どうして私の前に現れるのよ!!フラン!!』


「……ちっ」


フランが小さく舌打ちをした。


「……勝手な勘違いは程々にして欲しいもんだよ……全く」


−とりあえず、部屋で寝るか…眠い


「…!」


フランの自室の前に、誰か座っていた。











「…霊夢、明らかに怪しいわよ」


「そうねぇ……とりあえず”あの子”をフランの部屋の前に待機させといたわ」


「…まさか…」


「ええ、酔った萃香よ」








「フゥゥラァアン……おかえり」


「…酔ってんの?萃香」


「ええ?酔ってないけど……」


「ああそうか。つまり酔ってるな」


「よぉしフラン…勝負じゃ」


「…酔ったら見境いなく周りを襲うのはやめようよ…ったく」










「…見境いないわよ。辺り壊しかねない」


「フランの実力を試すのにも丁度いいしね。酔った時の萃香は貴女と互角ぐらいはあるから…」


「…悔しいけど、多分あの時酔いが覚めてなかったら私は負けてたと思うわ」


「…まあ、それほど強いんだから…期待しておきましょ」







「そぉりゃー!」


ドゴォォォォンッ!!!


「…そんな軽い掛け声で一撃粉砕技を出すんじゃないよ…!ちょっとびっくりした」


「えー?そんな強くやってないんだけど…」


「……なるほど、こりゃいつも以上に……」


萃香はいつも以上に酔っているようだった。

そして……


「……」(酷い事をするわね……)


「シャアアア!!」


「っと!」


ドゴォォォォンッ


「すばしっこいなぁ…」


「…まあ、それが吸血鬼の取り柄でもあるし」


「よーし、じゃあミッシングパワー使っちゃおー!」


「…!?」


ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ……


萃香が凄まじい大きさになった。


「……これは思ったより面倒な事になりそうだ」


「とおぉうっ!!」


萃香が大ジャンプして攻撃してくる。


「……!」(避ければ夢幻館が危ないか)


フランがレーヴァテインに手を伸ばす。


「久しぶりの解放だ」


禁忌……


「ぶっ潰れろ〜!!」


「レーヴァテイン…」


カッ


「!?」


フランがスペル宣言をすると、鞘から引き抜いたレーヴァテインから凄まじい光が放たれた。


次の瞬間……


ズバァンッ!!


「…なん……だと……」


萃香の体が、真っ二つに切り裂かれていた。


「…悪いね、萃香。すぐに治す」


空中で元の大きさに戻り、フランの近くに真っ二つになった萃香が落ちてきた。


「……幻魔術」


フランが萃香に蘇生魔法を掛ける。


「……」(戦っていて気付いた。明らかにいつも以上に攻撃的だった)


−……覚醒剤を、酒に盛っていたな。それに混玉の力を加えて……


「……」






少しすると、萃香の服と体が元通りに戻っていた。


「う〜ん…あ、あれ?私は……フラン?」


「おはよう萃香、気分はどう?」


「な、何だか少し気持ち悪い」


「あらそう?じゃあ部屋まで送ってあげるよ」


「あ、ありがとう」


「じゃ、行こうか」


−覚醒剤飲まされてたとか、体の切断面から覚醒剤を抜いたとか言ったら余計萃香気分悪くしそうだ……言わないでおこう(汗)












「フランの奴、萃香に覚醒剤を飲ませていた事に気付いたようねぇ」


「…な、何で覚醒剤を……」


「フランを試すためには徹底的にしてもらわなきゃ困るでしょう?」


「……」


「あ、天子。明日、紅魔館に強襲をかけるわ」


「…わかった。みんなに伝えてくる」


「ええ」


天子が高速移動で消えた。


「……もうすぐでこの世界は私の物に……!くくく」







ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー





「明日だ。明日決着をつけよう」


「…ちょっと気が早いと思うぜ?なあ、紫」


「いえ、それがいいかもね……こちらの戦力も強大よ……相手には混玉とか言うチートアイテムもあるんだから、早いに越したことはないわ」


「…しかしなぁ……」


「何を怯えているんだ魔理沙、お前らしくもない」


「…何か嫌な予感がする」


「そんなものはあてにはならないよ」


「しかしだな慧音……私の勘は霊夢の勘並に当たるんだ」


「関係ない。一気にケリをつけよう」


「わかりました。私はこいし達にこの事を伝えてきます」


「私も咲夜達に伝えるわ」


「私もぬえ達に」


「私も姫様達に」


「じゃあ解散。明日に向けてしっかりと休みなさい」







紅魔館、屋上


早苗とこいしが、何やら話していた。


「どうですか?気分は」


「…悪くないよ。ありがとう早苗」


「いえ。お役に立ててよかったです!」


「それじゃあ…私はもう少しここにいる。先に戻ってていいよ」


「わかりました!では」


早苗が屋上から降りて行った。


「……」


こいしは自身のサードアイを見た。

閉じた恋の瞳と言われた理由でもあるこの眼。


「……」


「こいし」


「お!?」


急に声を掛けられて、変な声が出た。


「あ、ごめんなさい。驚かせてしまったわね」


「い、いやいや……何?お姉ちゃん」


「明日が、決戦の日になったわ。だから…今日はゆっくり休みなさいって」


「…!わかった」


「それじゃあ……ところで何をしていたの?」


「屋上で風に当たってると……心が落ち着くんだ」


「…そう。それじゃあね」


「うん」


さとりが降りていった。


「……」


−懐かしい感覚……


「……」









「ナズ、ムラサ、ぬえ」


「んー?どうした聖」


「明日が、決戦の日となりました」


「…!」


「…一輪や寅丸のこともあるし、負けるわけにはいきません」


「……」


「明日の戦い……必ず勝ちますよ!」


『おお!!』








「失礼するわ」


「あ、お嬢様!おかえりなさい」


「ええ。ああ、いつもの癖でお茶淹れてくれてるけどいいわよ小悪魔」


「あ、そうですか?」


「重大な話があるわ。よく聞きなさい」


『!』


「…明日が、決戦になったわ」


「…!…」


「私達は…”あの子”と戦う事になる」


「……」


「けれど、決して忘れないで」


「……」


「私達は…”家族全員”で生き残る。そして、また楽しかったあの日々を取り戻すのよ」


『はっ!』


「…レミィ、あの子と戦えるの?」


「…いざとなれば…戦うわ」


「……」(もし…あの子がレミィを殺すような真似をすれば……容赦なく殺す)


−…そうしなければ、ならないのよ……裏切り者は……殺さなければ………。


「……パチュリー様?」


「あっ…な、何かしら?コア」


「…随分、思い詰めてらっしゃいますね」


「…何の事かしら?」


「嘘つかなくてもいいですよ。パチュリー様も、妹様は大好きでしたもんね」


「…だから、何の事…!」


「いいんですよパチュリー様。そんなに一人で思い詰めてばかりじゃ仕方ないじゃないですか」


「……」


「妹様は本当に優しいお方だったし、強くて可愛くて、けどどことなくかっこよくて…」


「……」


「妹様はきっと、紅魔館のみんなの憧れだったと思います」


「……」


「…私は、妹様が本当に裏切ったのかと疑っています」


「…!」


「願望とかではなく、本当にです」


「聞いた話によると、妹様はちょくちょくこの幻想郷にやってきています。その度に意味深な言葉を残して去っています。私にはまるで、それが妹様からのメッセージのように感じるんです」


「…?」


「”私は味方だ、貴女達に敵意はない”…というように聞こえるんです」


「……!」


「私は、妹様がお嬢様を裏切るような事をするとは思えません。妹様のお嬢様への思いは誰よりも強いです……」


「…そんなこと私もわかっているわ」


「妹様を殺す事なく終わる可能性も…」


「だからこそなのよ」


「…?」


「妹様は…フランは……自身のやった事に悔いは残さない生き方をする子なの」


「…それが何ですか?」


「あの子は最後まで……自分の力だけで何とかしようとするわ」


「…!」


「仮に貴女の言う通りだとしたら……尚更危険なのよ……フランが……一人で霊夢に挑む可能性もあるって事なのよ」


「…!!」


「……本当に裏切っていたとしても、フランの実力は明らかにこっち側の誰よりも上……だから私の魔法で日光を出し、フランを殺すしかない」


「……」


「…レミィを殺そうとすれば、だけどね」


「……」


パチュリーが歩いていった。


「……嫌ですよ。こんなの……」


小悪魔は、涙声で言った。


「どうしてこんな事に……うぅっ…」











「姫様、うどんげ、てゐ」


「ん?」


「はい」


「明日が決戦の日よ」


「!…はい」


「…明日なの?面倒ね」


「そんな軽い気持ちじゃいけません。中には、家族が敵として現れる人だっているのですから」


「…あっそ。私には関係ないわ」


「…別にそれでも構いませんが、真面目に戦ってくださいね」


「はいはい、わかってるわよ」


「…なあ、その家族が敵になる奴って紅魔館の連中の事?」


「ええ、そうよてゐ。それが?」


「…あいつら、いつもは明るいのにずっと暗い雰囲気のままだった。それの理由がわかった」


「…そう」






ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「…明日か…」


「…気分はどうだ?フラン」


「正邪…いたのね」


「ふん」


「…いい気分にはならないよ、そりゃあ」


「…だろうな」


「フランがこんなに暗い雰囲気なの、私は初めてみたよ」


「…まあね。夢幻館では常に明るく振舞ってたつもりだ」


「……」(こいつ……)


目に光がない……まるで、何もかも悟っているかのようだ……。


「…何があった?」


「…別に何も。この先の事を考えるとね」


「…そうか」


「…まあ、戦いは嬉しいものではないよね」


「……」


「…お前確か、戦闘狂とか自分で言っていなかったか?」


「…そうだねぇ……けど、家族と戦っても楽しいとは思えないかな」


「…そうか」


「フラン、正邪、萃香。来なさい、霊夢がお呼びよ」


「…わかった。先に行ってていいよ、天子」


「わかったわ」


「じゃあ行こうか、正邪、萃香」


「ああ」


「うん」









「よく集まってくれた。今日は貴女達の序列……No.の確認をして、それで戦力を振り分ける」


「まずはNo.15から10まで、挙手してくれる?」





「まず、No.15がメディスン。貴女ね」


「はーい」


「で、次の14がレティ、貴女ね」


「はい」


「13が、屠自古ね」


「はい!」


「12、芳香ね」


「はーい…」


「11、響子」


「はい」


「10、一輪」


「はい!」


「9、寅丸」


「はい」


「8、萃香」


「はい」


「7、諏訪子」


「へーい」


「6、夢月」


「はい」


「5、幻月」


「はーい」


「4、正邪」


「はい」


「3、秦こころ」


「はい」


「2、天子」


「ええ」


「そして1番が……あら、まだいないわね」


「遅れました」


「あら、遅かったわね


No.1、豊聡耳神子」


「すいません、遅れちゃって」


「ええ、いいわよ」


「…?霊夢様、フランは?」


「ああ、ごめんなさいね。フランの事を忘れていたわ」


「え、でももうナンバーは15まで…」


「あら、だれが1から15までって言った?」


「…!」


「……」


「…そう黙りこくらずにフラン。これは最強の証なのよ?


私を除いて、この館最強の者……”No.0”フランドール・スカーレット」


「…はい」


「…それじゃあ明日の攻める人数を決めるわ。ナンバーが7から下の者は残りなさい」


「…じゃ、じゃあ……私は残るんですか!?」


「諏訪子、貴女は強い…だからこそここに残すのよ」


「なっ…!まず何で残すんですか!!奴らが攻めてくるわけでもあるまいし…!」


「…そうねぇ、敵が攻めてくるから残してるのよ」


「…え?」


「この話は終わりよ、明日の準備をしときなさい」


「…ちっ」


「……諏訪子、むしゃくしゃするのはわかるけど抑えなよ……辺りに怒りぶちまけてもいいことないぞ?」


フランが諏訪子の額をとんっとつついた。


「いって!このっ…!何すんだフラン!」


「だからそう怒るなってば…」


「私は神奈子との決着がある!!」


「…なら、私が交代してあげようか?」


「…本当か…!?」


「私はいいけど……」


フランが霊夢の方を横目で見る。


「……わかったわ、フランと諏訪子交代ね」


「ありがとうございます!」


「…よかったね、諏訪子」


「…ありがとう、フラン」


「どういたしまして!」


フランが笑顔でそう言った。


「……」(そうか…)


この優しさが……


「諏訪子、もう部屋に戻りなよ。明日に備えよう」


「あ、ああ」


人を引きつけるんだ。








次章 決戦の幕開け







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