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東方人気投票の裏話(?)  作者: アブナ
第二幕 世界崩壊への序曲 第一章 絶望へのカウントダウン
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一時休戦

何か、不定期になってきた気がする

ていうかここ何回かは土日に更新してるし

てかまず、自己満足の作品だしそんな慌てる必要も無い気がしてk((

紅魔館中庭


「はっははぁ!!」


「…くっ…!」


「どうした神奈子ォ!!そんなものなのかな!?」


「…お前!何があったんだよ!!諏訪子!!」


「何も無いさ!!ただ、あんたに対する闘争心が私を動かしてるだけだ!!」


「だからその闘争心がどこから来てるのかって聞いてんだよ!!」


「さあね!!私にも分からない!……でも、もしかしたら今まで私は忘れていたのかもしれないな」


「…!?」


諏訪子の表情が暗くなる。


「…貴女と早苗の三人で暮らしてる時……本当に本当に幸せだった」


「……」


「けど、私はある日思ったんだ。早苗に利用されている気がする…と」


「…なっ…!!」


「おかしいと思わない?いつも早苗は異変とも呼べる程の事をやらかしている癖にあの子には何の罰もなくただただ甘やかされるだけ」


「……!」


神奈子には、思い当たる節がたくさんあった。

事実早苗の事で自分達がツケを払う事になった事もある。


「…いや…早苗は無邪気だ!あいつがそんな事を考えているはずがない!」


「分かってるよ。けど、 私は嫌気が刺しちゃってね……だから今こうして今尚早苗の”下”でへらへらと平和ボケして落魄れた貴女と対峙してるんだよ」


「…諏訪子…!」


「もうこれ以上は話しても意味は無いかな…だから、カタをつけよう」


パンッ!


諏訪子が掌を合わせる。


能力解放アビリティリベレーション


そう諏訪子が言った瞬間、辺りから地響きが鳴りだす。諏訪子の魔力が跳ね上がっていっているのだ。


「…!!」(何だ…これは…!)


「くくくく…!お前は終わりだよ…神奈子!!」


ガッ


「「!?」」


何者かに肩を掴まれる諏訪子。


「それ以上はアウトだ、諏訪子。大人しくしてよ」


肩を掴んだのは、萃香だった。


「…萃香…!?何でお前がここに……」


「お前らの企みなんざお見通しだっての」


「…ちっ…!フランか……」


「早く戻んないと、霊夢様に叱られるぞ」


「…分かってるよ」


諏訪子が帽子の位置を直しながら言った。

諏訪子が何も無い所を指でなぞると、謎のゲートのようなものが出てくる。そのゲートに、二人が入っていく。


「…今日のところは帰る。近い内に決戦になるだろうけどね」


「……諏訪子…」


「……それまで精々、死なないようにしてよ……私の手で終わらせる事に意味があるのだからね」


「……」


「またね……次会う時が、本当の決着だ」


ブウゥンッ


ゲートが閉じた。









紅魔館 二階廊下


「そらっ!」ガキィンッ


「せいっ!」ガキィンッ


夢月とこいしが、夢月は腰に差していた刀を、こいしは作った魔力刀を使って戦っていた。


「…ちっ…」ザザザァ…


「ふーっ…」ザザザァ…


−何だ…その気になればそこそこ行けるんじゃないか

……けど、油断は禁物だ……自分を信じろ……私なら出来る。奴を倒せる……いや、倒す!


「…何だ……やれば出来るんじゃないか」


夢月が、少し嬉しそうな声で言った。


「まだ本気じゃないけどね。…悪いけど、あんたはここで倒させてもらうよ」


「減らず口を叩くんじゃない……お前に私が倒せるわけがないだろう」


「あんたは自分に自信を持ちすぎなのよ……慢心するのと、自分を信じる事は別だ」


「…何だと?」


「それが分からないような奴に、私は負けない」


「……要するに、私よりお前の方が強いと思ってるって事でいいんだな?」


「違う」


意外な返事が返ってきて、夢月は驚いた。


「…何?」


「力だけが全てじゃない。心も大事なんだと、そう言いたいんだ」


こいしが、夢月をじっと見つめてそう言った。


「あーはいはい、分かった分かった……それ以上綺麗事を並べないでよ」


「力しか信じずただただ孤にまれていくよりは………私は、その綺麗事を貫いて行きたいかな」


「…本当に、一々カンに触る奴だ」ギロッ


夢月が、こいしを睨み付ける。


「……」


「こうなったら、手加減無しで一気に潰してやる」


夢月が、刀を構える。


「来い…夢月!」


こいしは、魔力刀を構えてそう言った。


「ふんっ!!」ビュンッ


夢月が凄まじい勢いでこいしに突進していき、刀で突きで攻撃する。


「ふっ!」ギギギッ


「…!?」


夢月の突きを魔力刀でいなしていた。


「くらえ!!」ブンッ


こいしがその勢いのまま夢月を薙ぎ払いで攻撃する。


「ちっ…!」ガッ


夢月はそれを、魔力で硬化させた右腕で防ぐ。しかし……


ブシャアッ


「なっ…!?」


夢月の腕が、少し切れた。


「へんっ…!」ニヤッ


「…!」(こいつ…!)


「いよっと!」ダンッ


「!」


こいしが飛び上がる。


「これでもくらえ!!」コオオオ…


「!!」(スペルか!?)


「本能『イドの解放』!!」


ドドドドドドドドドドドドドドド


桃色のハートが一直線に固まって夢月の方へ飛んでいく。


「くっ……!」(数が多すぎる……避けるしかないか)


夢月が避けようとした瞬間


パァァァンッ


「なっ!?」


集まっていたハートがバラバラに散り、夢月を囲うように広がった。


「……!」


「マーキング完了っと。これで終わりだよ」


こいしが、夢月に向けて右手を翳す。


「抑制……『スーパーエゴ』」ぐっ


その翳した手を握りしめると同時に、ハートが夢月に向かっていく。


「くっ…!?」


ドドドドドドドドドドドドドドドォォ!!


大爆発が起こる。


「…どうかな?夢月」


「はっ…!はっ…!」


煙の中から、ボロボロになった夢月が出てくる。


「…これが私の力だよ」


「くそっ…!くそっ…!!」


夢月がこいしを睨み付ける。


「…とどめだ。夢月」すっ


こいしが夢月に向けて右手を翳す。


「……!!」


コオオオ…


「『嫌われ者のフィロソフィー』」


ドオオオッ


こいしの右手から巨大な弾幕が交差しながら現れ、夢月へ向かっていく。


「くそっ…!!」(こうなったらもう……あれを…!!)


バシィッ


「「!?」」


何者かが嫌われ者のフィロソフィーを弾き飛ばした。


「全く……面倒な事を起こしてくれたな。お前達は」


「せ、正邪……!」


夢月の前に、正邪が立っていた。


「戻るぞ。霊夢様の機嫌を損ねる前にな」


「…分かったよ……」


「!ま、待て!!まだ勝負は終わってないだろ!?決着がつくまでは…!」


「運が良かったね……古明地こいし」


「何だと…!?」


「あともう少し戦ってたら、私は能力解放を使っていただろうね」


「…能力解放…!?」


「深くは話すつもりはない……とにかく、次会った時に決着をつけよう。それまでにもっと強くなっていてよね」


「……!」


「……」


ブウゥンッ


謎のゲートのようなものが現れる。


「…!?」


「じゃあね」


「あっ…」


ブウゥンッ


ゲートが閉じていく。


「ま、待て!!」


こいしがゲートに入っていこうとしたその時


ガッ


「!?」


「やめておきなさい」


紫がこいしの右肩を掴んでいた。


「……!」


ブウゥンッ


ゲートが完全にきえた。

















「とどめよ幻月……!」


「…はは…これで私に勝ったつもり?」


「…何?」


「本当はこんなところで使うつもりはなかったんだけど…幽香……貴女が相手ならそんなことも言ってられないわね!!」ニヤッ


「!!」


幻月が幽香に向けて弾幕を放った。


「っと…危なかったわ」


「…幽香……今から見せてあげるわ……霊夢がくれた力よ……」


「…混玉の力かしら?」


「その通り。混玉が私の中に眠っていた真の力を解放してくれたのよ」パンッ!


幻月が掌を合わせる。


「さあ!!終わりにしましょう!!」


「!!」(来るか!?)


能力解放アビリティリベレーション!!」


その時


「おっと」ガッ


「「!?」」


「それ以上はやめときなよ……霊夢さんにどやされるよ?」


幻月の肩を、フランが掴んでいた。


「フ、フラン!?な、何で…!」


「何でって……貴女達の企みに気が付いたから止めに来ただけよ」


「…!」


「…私は別にこの事で怒ってないんだけど、正邪が大分機嫌悪くしてたよ。多分後で色々言われると思うから、まあ……ガンバ」(⌒▽⌒)b


「随分他人事だな!?フラン!?」


「だぁって……私関係無いし?」


「…ご、ごもっともでございます」


「フラン……!」


「……」


辺りは風が強く、フランの着ている赤紫色のローブのような装束が靡いている。月明かりにより輝く鮮やかな羽と黄金色の髪が、何処か神々しさを醸し出していた。


そんなフランが笑みを浮かべて、幽香の方をみる。


「…久しぶり……でもないか。また会ったね…幽香」


「…あんたの目的は……一体何?」


「さあ、何でしょう?」


「……貴女は……本当に霊夢の仲間なの…?」


「…さあ、どうでしょう?」


「…勝負しなさい…フラン…!ここで決着を付けるわよ!」


「……今貴女と戦った所で結果は見えているわ」


「どういう事よ!?」


「私と貴女じゃ力の差が大きすぎる。せめて今の状態の幻月を余裕で倒せるくらいにはなってもらわないとね」


「ちょっと、馬鹿にしてるのフラン?」


「違う違う。それぐらいにならないと私を倒せないって事だよ。幻月と私は本気でやりあった事ないし、決して貴女の方が私より弱いって言いたかった訳じゃないよ」


「なーんだ、それならいいや」


幻月とフランが和気藹々と話している。


「…!あんた達いつのまにそんな仲になったのよ…」


「そんなことはどうでもいいでしょう?悪いけど、私達はこれから帰らなきゃいけなくてね……だから、戦うとしたらまた今度」


「……」


「じゃあね幽香。次会った時は覚悟しなさいよ……」


幻月がそう言うが、幽香は全く聞く耳を持たず……


「……」


じっとフランを見つめていた。


「…私の事が気になってるようだけど…別に深い事は考えていないよ」


「…嘘ね」


「本当よ……”深い事”は考えていない」


「…その言い方からして、何か良くない企みをしてるのは確かって事でいいのね?」


「どう思うかは貴女の自由……好きに考察するといい」


「…!」


「ほら、行くよ幻月。霊夢さんに怒られる前に」


「へいへーい」


フランが何も無い所をなぞると、謎のゲートのようなものが現れる。


「ま、待ちなさい、フラン!!」


「…幽香。貴女が何を思っているのかは大体わかるわ……けど、それを私が答えてあげる義理も無い」


「……!」


「答えが知りたければ、強くなって私に挑むといい。私を極限にまで追い詰められれば、聞けるかもね」


「……!」


「それと……今日から一時休戦って事で。私達も少しやりたい事があってねー」


「…!何よ、そのやりたい事って」


「もうすぐクリスマスでしょ?」(⌒▽⌒)


「…は?」


「いやだから、もうすぐクリスマスでしょ?だからぱーっと遊びたくて」


「…本当に何考えてるのか分からないわね……!」


「はははっ!それこそが私でしょう?」


「……」


「…まあ、この話はこれくらいにして」


「じゃあね……次会う時を楽しみにしてるよ」


フランと幻月が謎のゲートのようなものに入っていく。


幽香は、ある事を思い出した。


「…フラン!」


「!」


幽香がフランを呼び止めた。


「貴女のお姉様と…それと、お友達からの伝言よ」


「…!…こいしと、お姉様の?」


「”貴女は本当に私達を裏切ったの?今まで私達の事を思いやってくれていたのは演技だったの?もし何か抱えているのなら、相談して。私達は友達でしょ?”……こいしからね」


「……」


「”貴女が何をしようとしているかも、考えている事は分からないし、貴女の気持ちも分かってやれない情けのない姉でごめんなさい。けど、それでも私は貴女の姉でいたい。だから、何か抱え込んでいるのなら、私に言いなさい。これは、姉としてのお願いよ


いつでも帰ってきなさい。私達は、いつまででも貴女を待ってるから”……だってさ。」


「……」


「…フラン?」


「…行くよ、幻月」


「え?う、うん」


「…フラン…」


ヒュッ


「幽香」


「!」


フランが一瞬で幽香の真横に移動した。


「お姉様に、こう伝えておいて」


「…!」







「…!!」


「お願いね」


ヒュッ


「…何て言ったの?」


「んん?お姉様への伝言だから言いたくないなー」


「ええ!教えてくれてもいいじゃない」


「だーめ、我慢して」


「ちぇっ、分かったわよ……」


「…じゃあね、幽香」


ブウゥンッ


ゲートが消えた。


「……」


−何を考えているの…?フラン……


「幽香!」


「!」


魔理沙やレミリア達が幽香の方に走ってくる。


「貴女達……」


「凄いな…お前ってあんなに強かったんだな」


「幻月を圧倒してたじゃない!まさか私との戦いの時手を抜いてたのかしら」


「いやいや、貴女と戦った時もちゃんとやってたわよ。けど、ちょっとした油断と遊び心かしらね……」


「ふーん…」


「ま、ともあれだ!災難は去ったな」


「…幽香」


「ん?」


「フラン…何て言ってた?」


「……”ありがとう。


ごめんね”……って」


「……!!」


レミリアの表情が、若干悲しみに歪んだ。


「…本当、あの子の考えてる事……全く分からないわ……」


レミリアは寂しそうに、悲しそうにそう言った。


「……」


「…戻ろうぜ。みんなが、待ってるよ」


「…ええ」


「…ねえ、レミリア?何で私に伝言を伝えたの?」


「…何となく……貴女ならフランと会う気がしたの」


「…そう」






ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



「…お前達、私を怒らせたかったんだろう?」


「い、いやー…ちょっとした遊び心といいますか」


諏訪子、夢月、幻月の三人が正邪から説教のようなものを受けている。


「ほう……その遊び心とやらはこんなにも面倒な事を起こし得る物だと今度からは認識してもよさそうだな」


「…素直に謝っておきなよ。三人とも」


フランがそう言った。


「…ごめんなさい」


「…ともかく、早く行くぞ」


正邪が玉座の間の方へ早足に歩いて行った。


「…悪いねフラン。あんたは何も悪くないのにつき合わせちゃって……」


「心にもない事言わなくていいよ諏訪子……こちらこそ邪魔して悪かったね」


「…いや、それも私達が悪い」


「早く行こう。霊夢さんの機嫌が悪くなっちゃう」


「ああ」









「…お帰り、三人共」


「…すいません」


「何が悪いかは分かるわよね?」


天子が言った。


「…勝手に攻めに行って、すいません」


「いいのよ。誰にでも抑えられなくなる事はあるわ。それに、フランが抑えてくれたしね」


フランがお辞儀をした。


「……」(こういうところは、フランって淑女だよな)


「さて、それじゃあ……もう戻りなさい」


「…霊夢…私はちょっと納得行かないんだけど」


「…どうかしたの?天子」


「こいつらのやった事はこれからの計画にも大きく関わる事だったよね……仮にもし誰か殺していたとしたら、計画が全て崩れるところだったのよ?」


「…それで?」


「制裁が必要ね」スー…


天子が鞘から緋想の剣を抜いた。


「……」


「…っはっ!おまえが単に私達が気に入らないだけじゃない!幹部様がそんなんでいいのか?」


「諏訪子…私は調和を乱すものは許すべきではないと考えてるの」


「…目的の為?」


「霊夢の為よ」


「はっは!大義を掲げるのがお上手なことで!」


「…そう、大義よ。貴女にはそれがない」


「…だったら何だよ」


「故に……ここで私が始末する」


「やってみろよ……私の力を舐めるなよ…?」


諏訪子と天子が互いに見合っている。


ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ…


辺りが揺れだした。


「……」はあ…(もう知った事か…勝手にすればいい)


正邪が呆れ混じりに溜息をついた。


「……」(これ、どっちのが強いんだ?)


萃香は、どちらの方が強いのかが気になっていた。


「……」


霊夢は玉座に座ったまま薄ら笑いを浮かべてその様子を見ていた。


「姉さん、どっちが勝つと思う?」


「天子かな?」


夢幻姉妹は、どちらが勝つかの予想をしていた。


「……」トン トン


フランはスカートのポケットに手を突っ込んで、そして、つま先を地面にとん、とん、と打ち付け靴底を合わせていた。


「行くぞ…」


「来いよ…!」


ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ…


「ふん…!」ドオオッ


「ははっ!」ドオオッ


二人が同時に突撃していく。

二人の拳と剣がぶつかろうとした瞬間


ヒュッ


ガッ


「「!?」」


「はい、そこまで」


フランが一瞬で二人の間に入って、緋想の剣を左手で、諏訪子の拳を右手で軽く抑えていた。


「なっ…!!」(私は全力で切り掛かったのに…!!緋想の剣には今、私の全力の魔力が込められているはずなのに……片手で!?)


「…!?」(嘘でしょ…私は全力で殴ったぞ!?)


「貴女達が争っても何も起こらないでしょ。ま、気持ちは分かるけど抑えなさい」


「…分かったわよ……悪かったわね」


天子が、緋想の剣を鞘に収めた。


「……」


諏訪子も、拳を下ろした。


「…報告すると、どうやら敵側は完全に協力体制のようです」


「そう。それが聞きたかったわ。ありがとうフラン」


「…いえ……じゃあ、私はこれで」


そう言うとフランは、玉座の間を出て行った。


「…じゃ、貴女達ももう戻りなさい。お疲れ様」


「…はい」


「フランってやっぱり超強いんだね」


「そりゃあそうよ。じゃなきゃ最高司令官なんてやってないわ」


「お前ら、次面倒事を起こしたら叩き潰す」


「正邪…口調変わってるよ…」


五人が玉座の間を出て行った。


「…じゃ、私もこれで」


「ええ、さっきはありがとう天子。私の為とか言ってくれて」


「…いや、本当のことだし」


「そう。それなら尚更ありがとう」


「ええ」


天子が出て行った。


「……」すっ


霊夢が椅子から立ち上がる。

そして、夢幻館の外に広がる夢幻世界を見ながら呟いた。


「…大切な者からの言葉は、その者を思っていれば思っている程心に染みる。はてさてフラン……貴女はどうなのかしらね」










「……」


夢幻館の屋根に座り、フランは幻想郷から映し出された月を眺めていた。


「……」


−いつでも帰ってきなさい、か…


「…ほんと、人の気持ちも考えずに……相変わらず自分勝手なお姉様だな……」


「…こいしも、あんなに言ったのに……ったく……しつこいなぁ…」


「……やっぱり……謝っといて、よかった」


微笑みを浮かべ、目を右手で隠しながらフランはそう口ずさんだ。













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