決戦を終えて
フランには、幻魔術という神の領域をも犯す能力を持っているという設定です。
何かBL○ACHの織姫みたいな…笑
「……」
霊夢達が立ち去って行った後、私達は紅魔館へと戻った。しばらくはここを拠点とする事にしたんだ。
それから、互いに持っている情報を交換し合った。
そして、これからは元紫軍の人達とも協力して霊夢達を倒す事になった。
そして何故か、紫は生きていた。
私が見た限り、あの時は確実に死んでいた。
その紫が、何故か今ではピンピンしている。
紫は、記憶は戻っていた。けど操られている時の記憶はないらしい。
「そんな事が……ごめんなさいね、私とした事が……」
「ううん、紫は悪くないよ」
「しかし、フランと天子がねぇ……意外なメンバーね」
「……うん」
「…今までは貴女がリーダーだったの?」
「…いや、霊夢が……」
「…そう。ならこれからは貴女が指揮を執りなさ…」「それは駄目!紫がしてよ!」
「…!……分かったわ。私が指揮を執る」
私は……絶対フランのところに行こうとしてしまう
だから……指揮官なんて向いてないんだ
「こいし、色々話してくれてありがとう。今日はもう休みなさい」
「……うん」
実は、今日はフラン達が去って行ってから3日経っている。
みんな傷心していた。衣玖も魔理沙も私もレミリアも咲夜も……。
あの後、永遠亭の正門辺りで寝ていた美鈴を見つけた。
よくもまあ呑気に寝ていたものだ。そこが美鈴らしいと言えばそうなのだが
美鈴に何があったか伝えた時、真っ先に聞いてきた事
「フラン様は…!!本当に本当に裏切ったのですか!?私を捨てたのですか!?」
正直心が痛んだ。私だって信じたくなかった。
……けど、一つ疑問があったんだ。
『さよならこいし……ご免ね』
あの時……フランは何を思って謝ったのだろう。
私には分からなかった。
私はフランの事は何でも分かってあげられる自信があった。なのに……
その日の夜、私は部屋でベッドで寝っ転がっていた。
「……フラン……フランが考えてる事……分かんないよ……」
私が思い耽っている、そんな時に
コンコン
「!どうぞ」
「お邪魔します……」
そう言って入ってきたのは、ぬえだった。
「ぬえ…!もう天子にやられた傷は大丈夫なの?」
「うん。それに……いつまでも寝てる訳にもいかないだろ?」
「…そう、だね。よかった、心配してたんだよ?」
「ありがとう。……あのさ……聞きたい事が、あるの」
「ん?」
「そのネックレスさ……誰から?」
ぬえが私の首に掛けているネックレスを指差しした。
「…これ…ね……フランから貰ったの」
「…!」
ぬえの表情が曇った。
「……フランがね……『大切な人に渡す物だ』って言って私にくれたの」
「…何か、ごめん」
「ううん、いいんだよ……」
「……」
「……」
少しの間、沈黙が続いた。
「…フランの考えてる事、いっつも分かんないよね」
ぬえが唐突にそう言った。
「…うん……フランはいっつも私達に隠し事をして、一人で背負いこんで、結局私達に話さず一人で解決して……」
「うんうん、私達に気付かれたら、『二人を巻き込むわけにはいかないよ』って言って何も話してくれないよね……それで次の日になったらけろっとしてて拍子抜けしちゃって……」
「そうそう……また、三人で遊びたいね」
「…うん」
「なら、久々に遊ぶ?」
「「!?」」
突然、窓の方から声が聞こえた。
「…よっ、二人共」
思いもしなかった。こんなに早くまた会えるなんて
きっともうしばらくは会えないのだろうと思っていたからこそ、驚いた。しかもこんな呆気なく
そこには、フランがいた。
「…フ、フラン…!?」
「何だよ、二人共浮かない顔しちゃって……」
「…何しに来たの…?」
いくらフランとはいえ、今は敵だ……それに、フランは何を考えているのか分からない。
よく知る友達という事もあって、警戒心はやっぱり出てしまう。
「なぁに、大した事じゃないよ。本当に遊びに来ただけ」
「…!」
目の前にフランがいる。嬉しいはずなんだ……なのに今は嫌な気分だった。
「……どうやって信じろって?」
「……そうだなぁ……じゃあ、弾幕ごっこしよう。そうしたら私に殺す気はない事が分かるでしょ」
「はっ!?だ、弾幕ごっこ!?」
「そそ!しばらくこいしやぬえとはしてなかったしねぇ……」
…?何だよ……何考えてる?
「何を、言ってるんだ?フラン?」
「裏切ったんだろ?私達を見捨てたんだろ?」
「それが何だよ、今更「弾幕ごっこしよう!」だと?
私達の気持ちも知らずによくもそんな事が言えたもんだ」
私は、その時無意識に口調が変わってた。怒りが私の心を支配していた。
「……」
「こ、こいし…!」
「お前が裏切ったから、お空はブチギレしたわけだし?どのツラ下げてここに弾幕ごっこしよう!とか言えるわけ?」
この時、私の目が黒くなっているという事は、後から聞く事になる。
「……」
フランは無言で、無表情で、私を見ていた。
「……!」
ぬえは、心配そうに私とフランを交互に見ている。
「…そう機嫌悪くせずに……その事は今は忘れて……」
ガッ
私は、あまりに激怒してしまった為フランの首を掴み、そのまま壁に押し付けた。
「…ッ…」
「何が忘れて…だ…!!お空はお前の所為であんな目に……!!」
「こ、こいし!」
「お前はこっちの気持ちを考えた事があるのか…!?この裏切り者……!!」
「……ふふ、その通りだな……」
フランが薄ら笑いを浮かべながら言ってきた。
「悪かったね……機嫌損ねちゃって。今日のところは帰るとするよ」
「あっ…」
フランがそう言って、窓から外に出ようとする。
しかし、何故か私の心は酷く痛んだ。
今ここでこのまま別れたら、一生あの時の仲に戻れない気がした。
「…フラン!」
「!」ザッ
飛び立とうとする前に呼び止めた。
「私が……絶対助けてみせるから」
「……何の話をしてんだか」にっ
「…!」
フランが微笑んでそう言った。
「…二人に言っておきたい事があってね」
「…!」
「『私達はもう、準備は整った。手を組むとは考えたものだが、所詮は悪あがき
この世界は私が戴く』」
「!」
「…霊夢さんからの伝言だよ……またね」
バサッ
フランが、飛んでいった。
「…こいし……」
「…やっぱり……」すとんっ
私は、ベッドに座った。
「…?」
「フランの考えてる事……分からないや…」
「……」
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夢幻館
「……」
「どこに行ってたんだ?」
「…!…ちょっと、遊びに」
「…抜け駆けか?」
「…まあそう言わないでよ……何もしてないし」
「…まだ霊夢様から命令は受けていないだろう」
「その話はもういいでしょ……それに、私は霊夢さんから伝言伝えてこいって言われたんだし…」
「今日は行くなと言われていたはずだろう?」
「早い方がいいでしょう?」
「…何を言われても知らんぞ」
「ははっ、心配してくれるのは嬉しいけど、別に何もされはしないさ……霊夢さんなんだし」
「…ふん。正直に言うと、お前は霊夢様に呼ばれている。今から呼びに行こうとしていたところだ」
「……分かった」
夢幻館、玉座の間
「お帰りフラン。随分と早く行ってくれたのね」
「早目に行くに越したことはないので」
「ふふ、そうね。でも私はまだ行くなと言った筈だけど?」
「……」
「……まあ、それは構わないとして……私が一番聞きたかったのは……何故、”あいつらを生き返らせた”のかしら?フラン」
「……敵は、多い方が面白いだろうと思いまして」
「…本当かしらね」
「嘘だと思いますか?」ニヤッ
「……ふふ、まあいいわ。さて……それじゃあフラン。もう休んでいていいわよ」
「はい」
「こいしの様子はどうだったかしら?」
「…元気そうでした」
「あらそう。よかったわね」
「……では」
ギギギギィ……バタンッ
「…どう思う?正邪……」
「…フランは仲間思いな奴です。裏切るような真似はしないでしょうが……少し身勝手なところもありますね」
「警戒しておいた方がいいのかもしれません。本当は、フランに対してこんな感情は抱きたくはないのですが…」
「…そう。分かったわ。ありがとうね正邪。もう戻っていいわよ」
「はい」
−…全くあの子は、何を考えてるのか読めない子だわ
「正邪、やっぱり待ちなさい」
「?」
「天子。いる?」
「はいはい」
「萃香を呼びなさい」
「了解」シュンッ
天子が消えた。
「正邪。貴女と萃香は明日、幻想郷に行きなさい。それで、ある者を始末して欲しいの」
「…何者でしょうか?」
「貴女は知らないでしょうけどね……今回予想以上に強くなり、その成長は尋常なじゃないわ……実験台として色々するつもりだったけど、もう始末してもいいわね」
「…名は?」
「あの子の名は……」
「分かりました。私は戻ります」
「ええ。萃香には私から言っておくわ」
「はい」
ギギギギィ……バタンッ
「…さて、準備は整った」
「そろそろ世界崩壊への序曲を奏でようかしらね」
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東方人気投票の裏話(?)
第一幕 サバイバルゲーム 終幕
第二幕 世界崩壊への序曲
第一幕のタイトル、初公開笑
実はずっと第一幕のラストの設定は決めてあったんですよねー笑 途中考えとけって話なんだけど
途中、どうやって引き伸ばそうか必死に考えてたなー