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地底と彼岸と風の神 前篇

これ投稿した時、前篇抜けてるの気が付いてすっごい焦った笑

「……」


フランは……いつもいつも私の喜ぶことをしてくれる。それがどういう形であれ、私は凄く嬉しかった



−『妹様と連んでばっかり……不愉快よねあのさとり妖怪!』


−『ほんと!あいついつも無断侵入して来やがって……追い出してやらない?』


−『それがいいわね!行きましょう』


−『……!』


−(……そうだよね……どうせ私なんて……)


−『ねえ、今何の話してた?』


−『!』


−『い、妹様!いや、その〜……掃除割の話を……』


−『嘘つき。だったら何でこいしを追い出そうって話になるの』


−『え、えと……』


−『……はぁー……貴女達、もう少し人の気持ちを考えてあげなよ。こんなことを言われて喜ぶ人なんていないわよ?』


−『は、はい……』


−『今回は説教だけで済ませてあげるけど、次は咲夜にチクっちゃうぞ〜?』


−『ええ!?そそそ、それだけは!!』


−『ふふふ、冗談よ。あんまり人の悪口は言わないの。言われる人の気持ちにもなりなよ?』


−『はい……すいません』


−『分かってくれたのならよかったわ!』ニコッ


−『……』(……ありがとう……フラン)


何も話さずに私の事を毛嫌いしていた妖精メイド達の企みを止めてくれていたこと



−『あれ、こいし帽子どうしたの?』


−『……!い、いやぁ〜……何でも。私が紅魔館を散歩させてもらってる時に落としちゃって……それが偶然歩いてた妖精メイドの人に踏まれちゃって……』


−『……そう、なんだ。……それだけで、こんなに酷く破れるものかな』


−『ほ、ほら、帽子って結構脆いじゃん?』


−『……そう、だね』




−『……ふぁ……?』(私…寝てたのかな……?)


−『おはよ、こいし』


−『おはよー……ごめん、寝ちゃってたよ』


−『はは、いいよいいよ』


−『ん〜と、帽子帽子……』


−『あ、帽子ならそこの机にあるよ』


−『あ、本当だ。ありがとう』


−『うん』


−『……?』(あれ……?直ってる?)


−『どうかしたの?』


−『……!』(あの手の傷……まるで針を刺したみたいな……)


−『ううん、何でも!』(ありがとう……)


−『……そっか』


その妖精メイドに破られた私の帽子を直してくれていたこと




−『おいおい、何も地底の妖怪が全員さとりの野郎に従ってるわけじゃねぇんだぜ!?』


−『うぅ……』


−『怪我をしたらしいじゃん?そのお前が一人だけになったところを集団でリンチ……そそるじゃねぇかぁ〜……!』


−『おいおいこの変態!こいしちゃんが怖がるだろうがよ!ギャハハ!』


−『おっと、悪かったなぁこいしちゃん!ダッハハ!』


−『おいおい、変態って言うがお前もそれが望みだろ?その時点で変態なのは同じだろが』


−『ギャハハ!違いねぇ!』


−『……嫌……!来ないで……』


−『大丈夫だよぉ〜こいしちゃん!可愛がってやるからぁ……!』


−『……嫌……嫌……!』


−『ふへへへへ〜』


−『嫌ぁあぁぁあ!!』


−『禁忌「レーヴァテイン」!!』


−『はっ!?』


−『うぎゃああああ!!!』


−『大丈夫!?こいし!』


−『フラァン……!』


−『……もう、大丈夫。ごめんね、駆けつけるのが遅れちゃって……』


−『な、何だてめぇ!邪魔すんなぁ!』


−『何だてめぇ……か。それはこっちの台詞だね』


−『ああ!?』


−『貴方達こそ誰なのさ』


−『お姉ちゃんが気に入らなくて反乱を起こす計画を立ててる奴らだよ……!気をつけてフラン!こいつら……どんな手を使ってでも勝とうとするんだ!』


−『へっ、現にお前、ここに駆け付けるはずだった俺らの仲間を全員倒してやがるな』


−『え!?』


−『……』


−『ははっ!その傷を見るに余程卑怯なことをしたらしいなぁ俺の仲間は!』


−『……いいか低俗な妖怪』


−『……ああ?』


−『私はどんなに卑怯な手を使われようが、大抵のことは笑って見過ごしてやる。……けどね』


−『どんな理由があろうとも!!私の友達を傷付ける奴は許さない!!』


−『!!』ゾクッ


−『……覚悟しろ……今の私は加減が効かないよ』


−『ま、待てよ……!元はと言えばさとりの野郎が原因だろ!?』


−『どの道さとりに反乱を起こし、平和を乱すだけの低俗妖怪だろう?』


−『……!!』


−『そぉら!!』ブォンッ!


−『ぎゃああああ!!』




−『……ありがとう、フラン』


−『いいよそんな礼なんて……大丈夫?こいし』


−『うん』




地底の妖怪に……私が襲われた時助けてくれたこと


私はフランに助けられすぎたんだ……いつか……いつか恩返ししなきゃいけない






「……」


けど今……何か悪感がした。フランに何かあったのだろうか……それとも……。


「……」ぎゅっ


私はフランから貰ったネックレスを握り締めた。


−『これね、同じようなのがもう一つあるんだ。ほら、私も付けてるでしょ?本来結婚とかする人に渡すものなんだろうけど、こいしに渡すよ』


−『け、結婚……』//////


−『ん?こいし?』


−『い、いや!何でも!!』


−『?そう?』


「……」(フラン……


無事だよね……?



ドオオオオオオオンッ!


「!?な、何だ!?」


「……!あれは……さっき分かれた場所です」


「まさか敵に気付かれたのか……!?飛ばすぞ!」


「う、うん!」


今は、戦いに集中しよう……フランもきっとその方が嬉しいはずだ


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


ドオオオオオオオンッ!


「っと……!」


「逃げ足が速いわね!フランドール!」


「!」


永琳がフランの背後で弓を構えている。


ドッ


ドオオオオオオオンッ!


「……ッ…」(たった一発でこれだけの規模……か……もし連発でもされたらきついな)


爆発に巻き込まれて、フランの腕に焼け傷が出来ていた。


「あら、私の矢の爆発をくらって焼け傷だけとは中々ね……その装束、頑丈なのかしら?」


「さあね……」


−とにかく今は、時間をかせ……

ドスッ

ぐっ……!?


「……かはっ……!?」


後ろから何者かが剣を刺してきている。


「恨むなよ私を……これも不可抗力なんじゃから」


「……マミゾウ……さん……か」ごふっ


「おーおー、口から血を吐いておる割には元気そうじゃなぁ?しかしこの刀を抜くとどうなるのかの」


ズボッ


「はぁっ…う……!くっ……ぐっ……!」


−何だ……?ただの刀じゃないのか……?体の、力が……


「気が付いたようじゃの。この刀は毒付きじゃよ。一刺しすれば象をも倒す猛毒じゃ」


「ハアッ…!ハアッ…!」(意識が……くそ……)


「終わりね……フランドール。呆気ないわね全く」


「…ハアッ…!ハアッ…!」


−『ねえフラン、この戦いが終わったらさ……今度は紅魔館の近くだけじゃなく色んなところを回ろうよ!』


−『色んなところ?』


−『うん!地底に来た時くらいしか紅魔館から遠くは行ったことないよね?』


−『うん、まあ……』


−『この戦いが終わったら、一緒に行こ!フラン!』


−『……うん、行こう。楽しみにしてる』




−……そうだ……私はまだ死ねないじゃないか……

こいしと約束したんだ……生き延びるって……

負けて……たまるかっ……‼︎


「ハアアア!!」ドオォッ!!


「な、何!?」


「ば、馬鹿な!象をも殺す猛毒じゃぞ!」


「……もうひとつ精神がある者は、精神ごとに違う体があってね……片方を一時的に体を休ませて、しばらくすれば完全回復してもうひとつの体と入れ替えるなんてことも出来るんだ」


「そ、そんな馬鹿なことが……!」


「現に、今こうして再生してるでしょ?」


「……!」


「……悪いね……私はまだ……


死ぬわけにはいかないんだ」すっ


目に手を当てるフラン。


「!」


「……貴女に変わるのは久しぶりね……」


『なぁに、今更周りの人達を殺そうとしたりなんかしないよ……』


−そっか。それはよかった……なら、これから戦う人達は殺さないでね?


『ああ、分かってる』


「……さあて、存分に楽しもうか……!この戦闘あそびをねぇ!!」ニヤァッ






上位十位


生存者 13人

死者 0人








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