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東方人気投票の裏話(?)  作者: アブナ
第四章 決戦に向けて
33/123

修行5

「足跡の正体は結局誰も見つからなかったわね……」


「ですねぇ……」


「……その足跡多分、私だと」


「咲夜?何でよ?」


「実は急いで帰っていたので……足跡を残さないなんて気配り忘れていましたからもう……」


「……あんたねぇ……!」


「す、すいません!お嬢様!ど、どうかお許しを!」


「てっきり咲夜が危ない目にあってるんじゃないかって心配したのよ?全く……」


「……!」


「ま、そんなことなら全然いいわよ……怒ったりなんかしないわ」


「ありがとう、ございます」


あの後、レミリア達が帰ってくるまで紅魔館で待っていたらしい。

咲夜さんが危なかったのかもしれないのに、何でわざわざ待ったのだろうか……。


「……」


ドクンッ


「!!」


−この感じ……!!


「……!」


−いきなり何よ……!


『何も……これは警告さ。あと三日しかないんだ……そんな無駄な事は考えてる暇はないよ』


−……その通りだね……ありがとう


『ったく……相変わらず嫉妬深い奴……貴女、最近精神が不安定すぎるよ。フランにも心配かけてる。もう少し性格を直しな』


−……うん、わかってる。……ありがとう


『…っはっ……別に……私はただ貴女が嫌われるのは気に食わないだけさ……私でもあるんだからな』


−……ふふ


「みんな、早速修行を再開しよう!」


「そうね……なら、今回はどんな修行法を……」


「自分が戦いたい相手を指名して戦う感じでいいと思うよ。もちろん、”一斉に”……ね」


「決戦が何も一対一とは限らない。なら、乱戦にも慣れておく必要があるよ」


「そうね……ならそれで行きましょうか」








遊戯場


「さーて、それじゃあ……みんな誰誘うかは決めた?」


「うん!」


「早い者勝ちだからねぇ〜?それじゃ、スタート!」


『フラン!!』


「うおっ…!」ビクッ


「おい、この場合どうなる?」


「……じゃんけん?」


「よし来た」


『じゃんけんぽん!あいこでしょ!!あいこでしょ!!あいこでしょ!!』


「……」(誰にしようか悩んでた自分が馬鹿らしくなってきたな……)


−呆れた目で見てるよフラン……笑

まあでも今のは仕方ないね。

さて、完全に私の計算通り、漁夫の利作戦成功っと。


「……フラン、やらない?」


「ん?こいし……そう言えばあの中にいなかったね……いいよ。みんなには適当に言い訳するから」


「うんっ」


−やった!フランとだー!


「あ!?こいし!抜け駆けはズルいぞ!ちゃんとじゃんけんしろ!」


「約束してたのを思い出してね……ごめんねみんな」


「ええ……約束してたんなら仕方ないか……」


「よし、なら妖夢!勝負だぜ!」


「いいでしょう魔理沙!私が勝ちますからね!」


「望むところだァ…!返り討ちにしてやるぜ!」


「……さて、それじゃあ……妹紅。お願い出来るかしら?」


「……いいよ……お前と戦うのは久しぶりだな……霊夢!」


「そうね!」


「行くぞ!」


「……ま、余り物だしね……私達は其々でやりましょうか」


「さとり!この私と勝負よ!一人の姉として貴女と私の格の違いを教えてあげるわ!」


「…!よーし、いいでしょう……!同じ姉として、そして主として!私が勝ちます!」


「いい心構えね!やってやろうじゃない!」


「妹や家族を思う気持ちは負けませんよ!」


「……なら私達でやりましょうか、アリス?」


「そうね……それじゃあよろしくね、咲夜?」


そうして、乱戦は始まった。


「いよっ!」ブンッ


「っと…!速いねやっぱりこいしは……」ガキィンッ


「随分余裕そうに見えるけどね」ザザザァ…


「正直な感想さ」ザザザァ…


ゴオオッ


「!」


フランの方に弾幕が飛んでくる。


「乱戦っぽくなってるじゃん」ズバァンッ!


弾幕を真っ二つに切り裂いた。


「やっぱり乱戦だと……互いの実力を出し切れない感があるわね」


「だなぁ……けどやっぱり、乱戦のが実戦的だろ!」


「そうね!」


「そぉーらそらそらぁ!」ドドドド


魔理沙が連続で弾幕を放つ。


「うっシャアアアア!!」ズババババ


妖夢はそれを全て切り落としていく。


「お前その掛け声まさか!」


「分かってくれる人がいましたか!」


「いいねぇ!私も◯々雄好きだぜ!」


「同志ですね!私も凄く好きです!」


「関係ないな!」


「そうですね!」


マスタースパーク!


待宵反射衛星斬!


「そらそらどうしたさとり!弾幕の精度が悪いんじゃないの!?」


「まだまだこんなものじゃありませんよ!」


さとりが弾幕を飛ばし、それをレミリアが全て躱している。


「ザ・ワールド!時よ止まれェい!!」


「完全に人間をやめてらっしゃ…」


「まずはお試し……」


咲夜がアリスに向けて三本程ナイフを投げた。


「時間ね……時は動き出す」


「る!うおぉお!?」


アリスが咄嗟にしゃがんで避けた。


「時止め無しにしない!?」


「実戦的な戦いがしたいのでしょう?なら、能力は使うわよ」


「……あんたみたいなチート能力者はそうそう居ないっての……!」

「あぶなぁぁあいいぃ!!」


「ん?」


その時、アリスの方へこいしが飛んでくる。


「お!?」


「避けてアリスゥゥ!?」


「ギャーーース!!」


アリスとこいしが激突した。


「……(;゜Д゜)」


「あらら…」


「妹様?何でこいしが飛んでくるんですか?」


「いや、これは不可効力なんすよ。こいしが突進攻撃してきたから避けたらその勢いのままアリスに……」


「……あー……」


−何だこれ……


「おぉい!こいし!!何よいきなり!」


「いやぁ〜……ごめんなさい。これには深〜い訳がありまして……」


「どんな訳で私に飛んでくるのよ!?」


「と、とにかくすいませーん!!後できっちり謝罪するから!」


「…まあいいけど!次から気を付けなさいよ!?」


「ういっす!」


−乱戦ってこんな感じになるのかな?何か違う気がするんだけど……


「こいし、あんまり今の技やらない方がいいよ……隙だらけだし」


「それはフランだからだよ!アリスでも結構距離あったのに避けれなかったんだよ!?」


「それは急にこいしが行ったからじゃない?まあ……何でもいいけど」


「くっそー、フランに攻撃当たらないなぁ……」


「それを言うなら私もさ。こいしに攻撃は中々当たらないね」


「……本気、出していい?」


「……いいよ」


「……それじゃあ……」すっ…


「……」すっ…


こいしは帽子を深く被り、フランは目に手を当てる。


「本気でいくよ!」ドオオッ!


「望むところよ!」ドオオッ!


「……笑ってる……あれは楽しんでるな二人共」


「……うん」


「それはさておき、妖夢……お前は以前……そう、幽々子と戦った時だ……凄い強さを発揮していたな」


「……」


「その力を、いつでも引き出せるようにするんだ!行くぜ!」


「……うん!」


「MAXフルパワーで行くぜぇ!!」ドオオッ


「私だって負けませんからね!!」ドオオッ


「みんな気合入ってるわねぇ……私達も、そろそろ本気でやる?」


「よっしゃ、ウォーミングアップはここら辺で終わりにしよう!」


「行くわよ……妹紅!」ドオオッ


「さあ来い……霊夢!」ドオオッ


「盛り上がって来たわねぇ……!私達も乗っかりましょうか」


「そうですね……もう手加減をしているのは飽きましたしね」


「全力で行くわよさとり!」ドオオッ


「勝負だ、レミリアさん!」ドオオッ


「……これは私達も行くしかないわね」


「……どうやらそうするしかないわね」


「負けないわよ……アリス」ドオオッ


「こっちの台詞よ……咲夜」ドオオッ


そしてその後、遊戯場からは爆音が絶えなかったという。






「私だけそっちのけで修行するなんて……妬ましいわ……!」


「はあ……暇ね……」


その時だった


「何だ……一人なのね。他の皆も居ると思ったけど……そうでもなかったか」


「!?」


「自分達の本拠地にいる時が一番油断している時というのを知らないらしい」


ブゥンッ


パチュリーが隙間から出てくる。


「……パチュリー……!」


「……久しぶりね、パルスィ……」


「……!」


「……私と来なさい、パルスィ」


「なっ……何を……!誰が行」「声を上げるな」


「!!」ゾクッ


「貴女の答えは『はい』だけだ」


パルスィはパチュリーから放たれる悍ましい魔力に背筋が凍った。まるで栗鼠が鷹に睨まれる気持ちを理解したようだった。


「助けは呼ばないことね……死人が出るわよ」


「貴女ではなく……貴女を紫様から助けてくれた彼女フランの……ね」


「……!!」


「もう一度言うわ」


「”私と来なさい”……水橋パルスィ」













「!」(パルスィの近くに誰か居る……)


「こいし、ごめんけどちょっと休憩にしてもらえる?」


「ん?分かった……それじゃあまた後で」


「うん」


フランが部屋を出た瞬間


ドオオッ


−パルスィ……!


凄まじいスピードでパルスィの下へ向かって行った。








「……」


「パルスィ!大丈夫だった?誰か居たみたいだけど……」


「フ、フラン……」


「よかった、怪我はないみたいだね。……ところで、誰がいたの?もしかして紫がスキマで」

「誰もいなかったから!私は何もないから、大丈夫よ!」


「……パルスィ?」


「多分、フランの勘違いよ……」


「……パルスィ、隠し事なんてしなくていいよ。何があったの?」


「本当に何もなかったってば!」


「嘘つき。本当に何もなかったらそんなに必死になんかならないよ」


「……!」


「……私なら大丈夫だから、心配しないで。何があったの?」


「……言えない……あいつらの力は……本当に恐ろしいんだ……!何の躊躇いも無く人を殺せる……そんな残酷な奴らなんだ……勇儀が……『パルスィを殺されたくなかったら仲間になれ』って脅されて……その後何かしらの装置で洗脳されていたの……!」


「……」


「私の事を助けてくれたフランを……わざわざそんな危険なことに晒したくないんだよ……私は……」


「……そっか。わかったよ……話したくないのなら話さなくていい。……でも、一つだけ……」


「……?」


「私のことを心配してくれるのは凄く嬉しいよ……でもね?」


フランがパルスィの肩に手を置く。


「悩みは一人では解決出来ないし、心を余計締め付けるだけなんだ。だからさ……どうしようもない時は私を頼って?私に出来ることなら何でもするから!」


「……フラン……!何で……?何で見ず知らずだった私にそこまで……」


「だって、私とパルスィは”仲間”でしょ?」


「!」


「だから、放ってはおけないよ」


「……ありがとう、フラン」


「うん……言いたくないんでしょ?なら……言える時になったらいつでも言ってね?」


「……うん……フラン、私にも一つだけ……言わせて」


「ん?」


「……私のことを救ってくれてありがとう。本当に嬉しかったわ……」


「……うん」


「……短い間だったけど、本当に本当に楽しかったわ。貴女達といた時間……忘れない」


「……パルスィ?」


「……本当に……ありがとう……ごめんね……」


後ろからスキマが現れる。


「!パルスィ!」


「ありがとう……フラン……


さようなら」


「パルスィ!!」


ブゥンッ


パルスィと共に、スキマが消えていった。


「……パルスィ……!」


−……パルスィ……何があったの……?





ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「……」


「……妹様のこと、随分気にかけていたらしいわね」


「……私のことを救ってくれた人だもの……傷付いて欲しくないわ……」


「優しいのね、貴女も……」


「……ふん…」





−『一人だけ……別れの挨拶をしても構わないわ』


『別れの……挨拶……?』


『今日一日だけ猶予を与えるわ……来るか来ないかは自分で決めなさい』


『……』


『……それじゃあ、明日またここに来るわ……それまでに決め』『行くわ』


『……そう』


『……一人にだけ……別れを言っても、いいのよね?』


『ええ……好きにしなさい』


『……』




「……」


−ごめん……フラン……私には……仲間を信じる事が出来ない……臆病者だから……ごめん……。


「……パルスィ……」


「……!ゆ、勇儀……!」


「……何だ、元気そうでよかったよ」


「う、うん……」


「お帰り、パルスィ」


「……!!」ゾクッ


長机の一番奥の方に紫が座っていた。


「……」


「無断で攻めに行っちゃ駄目じゃない……今度から注意なさい?」


「……はい」


「さて、それじゃあ……其々部屋に帰っていいわよ」


『はい』


「……」(そうだ……あの不気味な部屋にまた……)


紫の言った部屋とは、スキマ一つ一つに部屋が用意されている、所謂スキマの牢獄のようなところだった。


−ここに入る時は……いつも不安で仕方なかった……


「それじゃあね、パルスィ。今度からはあんまり無茶するんじゃないぞ?」


「え、ええ。それじゃあね、勇儀」


「ああ、じゃあね」


−勇儀はいつも声を掛けてくれた。私の気持ちを分かってくれているのだろうか、とても嬉しかった。

勇儀のおかげで、希望は捨てずに済んだんだ

フラン……お願いだから一人で乗り込むなんて事はしないでよ?あのみんなで行けばきっと……勝てるはず……!

それまでの辛抱だ……それまで耐えれば……この悪夢も終わる。

後三日……いや、今日はもう終わる……だから後二日だ……!後二日で決着が付くんだ。

お願い……紫を倒して……みんな…!



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー




「……」


「そんな事が……じゃあパルスィは……」


「うん、多分脅されていたんだろう。私の事を凄く心配してくれていた……きっと私を人質にされたんだろうね」


「フラン……人質にしたって意味なんでしょうに」


「多分、紫直々に来るんじゃないかな……」


「……だとしたら、厄介ね」


「……みんな、後二日だよ……その間にもっと強くなろう!フラン……パルスィは絶対助ける!もっと強くなって、紫をコテンパンにやっつけちゃおう!」


「……そうだね!いつまでもくよくよしてても仕方ないよね!」


「よーしみんな!救うべき者が増えたわ……気合入れて行くわよー!」


『おおー!』



決戦まで、後【二日】







フラパルも、いいかm((


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