予期せぬ戦い
ちょっと今回は病みな部分があります
「さて、フランと文とパルスィの部屋を用意しなきゃ……まあ、フランは自室でいいかしら?」
「うん。私は自分の部屋使うよ」
「……フランと同じ部屋がいい」
「ゑ」
「寝るならフランと同じ部屋がいい!」
「ちょっ……こ、こいし?」
「あらまぁ……正直ねこいし。いいわよ、二人分のベッドがある部屋に移りなさい」
「わーい!ありがとうレミリア!」
「……お姉様……」
「いいじゃないいいじゃない!楽しみなさいよ?」
「いや……私が言いたいのは……」
「ほらほら、行こうフラン!」
「あっ…待ってこいし!まだお姉様と話が…!」
こいしがフランを無理矢理引っ張っていった。
「……」
「……お嬢様……妹様とご一緒に居たかったのでは?」
「……いいのよ……こいしとフランはやっと会えたのだから」
「……ちょっとくらい……ね……」
「……」
「……嫉妬したら私が暴れるわよ」
「あっ……パルスィ居たわねそういえば」
「そういえば!?」
「ほらほらフラン!行こうよ!」
「う、うん……」
−お姉様は、大丈夫かな……私も一緒に居たかったんだけど……
「……レミリアと、そんなに会いたいの?」
「えっ…!いや、そんなことないよ!こいしと一緒にいるのも楽しいし、全然……」
「いるの”も”……?」
「……!」
−馬鹿……!こいしが嫉妬深いのは前々から知ってたのに……!
「い、いや……これはその……あれだよ。どっちも大好きだから選べなくてさ……」
「……フランはやっぱりさ……レミリアの方が私より好きなんだよね……」
「そ、そんなこと……」
「い、いいの……正直に言ってよ。私だってただの親友の癖に欲張っちゃって駄目だったよね……」
「い、いや、だからそんな……!」
「どうして正直にレミリアと会いたいって言わないの!気を使ってるの!?そんなの私からしたら余計イライラするのよ!!」
「!」
「前まではもっと正直だったのに……!暫く合わない間に臆病になっちゃったねフラン!!今の貴女なんか嫌いだよ!!フランなんかもう知ら……!!」
そこでこいしは、はっとする。
−何……言ってんの……私
「……あはは……そう……だよね……私が正直に言わなかったのが悪い。ごめん、こいし……」
「……!」
−……違う……フランのせいじゃない……!
「ご、ごめんフラン……勢いで言っちゃっ…」
「ごめんこいし……嫌いなら、顔も見たくないよね……?」
フランが走っていった。
「!フラン!!」
−……私は……何て事を……!!
「うわぁああぁあっ…!」
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「……いい感じになっているわね……レミリアはこいしに嫉妬しているわ。フランはレミリアを心配してこいしといる時も少し素っ気ない感じになり、それが気に食わずこいしが不機嫌になる……」
「そしてそれがレミリアに伝わり、嫉妬の念は怒りに変わる……!」
「ふふふっ……パルスィの体に無意識に能力が働く装置を細工しておいて正解だったわ……!」
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「……」
−フランも……私のことはちゃんと心配してくれていた。だからきっと……後でまた……
「……うぅっ……!」グスッ
「……!?フラン?」
「……お姉様……!」
フランが走って逃げようとする。
「待ちなさい!何があったの!」ガッ
フランの肩を掴んで止める。
「お姉様には関係ない……!一人にさせて……!」
「関係なくないわよ!貴女は私の妹なのよ!?貴女が悲しんでいるところは見たくないわ!」
「……!」
「……何があったの……話してみなさい」
「……こいしはさ……私のこと、どう思ってるのかな……?」
「……?大好きに決まって……」
「……そうだよね……それなのに私は…………私って……最低だよ……」
「落ち着きなさい。何があったの」
「……」
「……何よそれ……!フランは悪くないじゃない!」
「私が悪いよ……こいしはただ私と一緒に居たかっただけなんだから……その気持ちにちゃんと向き合わずに素っ気ない態度を取った私が……」
「……!」
フランは涙を流していた。こいしに酷いことを言われたからではなく、友達を傷付けてしまったという自己嫌悪からだった。
「……わかったわ。こいしには私から言っておくから、もう泣かないで」
「……うん……」
「……今日はこいしとは別の部屋で寝なさい。自室にでも……」
「……お姉様の部屋に行っても、いい?」
「……構わないわよ」
「……ありがとう。お姉様……落ち着いたよ。また後で……こいしに謝りに行くよ」
「……それは明日になさい。今日はこいしも落ち着かないでしょう」
「それもそうだね……わかった。話聞いてくれて本当にありがとう。また後でね」
「ええ。また」
タッタッタッ……
フランが自室の方へ走っていく。
「……」
−私からフランを遠ざけた上に、勝手に逆ギレしてフランを傷付けた……
ギリィッ
−…古明地…こいしぃ…!!!
「……」
−フランに謝らなくちゃ……!何処にいるんだろう。
「……こういう時は、私なら外の空気を吸いたいな……バルコニーか屋上………フランならきっと……」
−屋上に行くはず……!
屋上
バンッ!
「フラン!」
「……来たわね……こいし」
「……⁉︎」
−レミリア……?
「……何でここに……レミリアが?」
「……話は聞いたわ」
「……フランの居場所、知ら」
「黙りなさい」
「……⁉︎」
「……貴女には失望したわ……少しはいい子だと思っていたのに……」
「……れ、レミリア……!?」
「よくも……よくもフランに涙を流させたわね……!あんな悲しそうな顔……今まで見たことがないわよ!!」
「……!!」
−涙を……流させた……⁉︎
フランは……泣いてたんだ……あの時……!
私の……馬鹿……!死んじまえ!!
「……うぅっ……!」
「何やってんのよ……今更自己嫌悪?フランは最初っから最後まで貴女のことをずっと心配して居たわよ?」
「……!!」
「……もうお前は……謝っても許さん……!!」
「……レミリア……落ち着いてよ……!私……」
「黙れ!!お前とはもう話したくもないんだ!!」
「……!」
−レミリア……!明らかに普通じゃない……!怒るのは分かるけど……ここまでなるものか……!?
「さあ、覚悟を決めろ……!死ぬ覚悟をだ!!」
「レミリア!やめてよ!こんな戦い……!」
「黙れと言ったのが聞こえなかったか!?お前とは話したくもないと言ったはずだ!!」
「……レミリア……!」
「さて、みんなもう部屋に帰っただろうし私も寝ますかねぇ……」
「咲夜ー、私の部屋の鍵知らない?」
「あ、申し訳ありません妹様!掃除して居た際に落としてしまって……修復しておりました」
「あはは、ありがとう。おやすみ咲夜」
「おやすみなさいませ」
ガチャ バタンッ
「……」
−『今の貴女なんか嫌いだよ!!』
「……!」ズキッ
−やっぱり……私には友達なんて……
「……」
「何これ暗っ!私暗っ!もっと元気出していかなきゃ!」
−…そうだよ……いつまでも引き摺っても仕方ない……こいしには明日謝るか
「っふぁあ〜……!今日はもう寝よ寝よ。明日になりゃあちっとはこいしも落ち着いてくれてるだろうし……」
−……でも何だろう……嫌な予感がする。
−『こいしには私から言っておくから、もう泣かないで』
「……ふふ……」
−ありがとう、お姉様
「……ん?」
−……おかしいな……確か私の部屋の隣はお姉様の部屋だよね?
「……まだ帰って来てない……よね?ドアの音しなかったし……」
−『こいしには私から言っておくから』
−……一応、こいしの部屋見に行こうかな……
決戦まで、後【一週間と五日】
嫉妬する乙女って、怖いね(′・ω・`)




