修行3
あの後、フランと一緒にみんなに会ってきた。
みんな驚いてたなー。レミリアと咲夜に関しては泣いてたし……私も、そうだったな。
そして次の日。フラン、文、フランが説得したパルスィを加えて修行が再開する。
「……てなわけで、今日から一緒に行動することになったから……よろしく」
「大歓迎よ!よくぞ生きていてくれたわフラン!」
「またお会い出来て嬉しいです!妹様!」
「どうも!私達でこんなゲーム終わらせよう」
「ええ!」「はい!」
−フランが来たことで、みんながさらに明るくなった。やっぱり、フランは凄いや!
そういえばまだ黒い装束身に付けてるな……羽は背中から出てるけど
「いやーフランが生きてたのはすっごく嬉しいわね!これで修行にもやる気が出るってもんだわ」
「そんなこと言っても何も出ないよ。さ、修行続けようよ」
「私達は今までは、多少危険でしたが紫の部下?達と戦って修行をしていたんですよねー。危なくなったら私のこの自慢のスピードで逃げる!それの繰り返しでしたね!」
「そそ。だから、みんなはどうやって修行してんのかなーと思ってね」
「私達は、こいしが最近恐ろしい力を手に入れてね。それを相手に修行していたわ」
「ほー。どんなのか見せてくれない?こいし」
「いいよ!でも最近はあんまり使わずにみんなと戦ってたからね……素でもそこそこは強いよ」
「へぇ、それは頼もしいね……」
「へっへーん。とりあえず、あのモード見せるよ」
「ん。わかった」
「……」すっ
こいしが帽子を深く被る。
「……はい、これだよ」ドオオッ
狂こいしの眼になる。
「……!」
フランが一瞬驚いた。
「どう?かなり強いのよ、この状態のこいし」
「……こいし、その力……どんな人格?」
「……やっぱりわかってるんだね、フランも。……私のは、表面上は荒々しい奴だけど、根は優しいって感じかな……」
「……そう……なら心配はいらないか」
「うん。最近は協力もしてくれるから……」
「そっか。なら、よかった。……さて、じゃあ……今回は私がみんなの相手をするよ」
『え!?』
「私もそれなりには強いよ?」
「……まあ、貴女がやりたいって言うなら……ただ、この二週間の修行で私達は大分強くなったわ……それでも、やる?」
「望むところ!」ニッ
「……よぉーし、ならまずは私から行くわ!覚悟なさい、フラン!」
「お姉様か……全力で来てよ!」
「もちろん!」
その後、フランはこいし、文を除く全員を倒した。
「け、剣術的にも負けた気がします……」
「まあでも、私は妖夢の剣術を真似てこの剣術を出来るようになったから……事実上妖夢のおかげだよ」
「そ、そうですか……」
「その刀……もしかしてレーヴァテインなの?」
「そうだよ。刀の形状にしてるだけ」
「何でわざわざ?」
「解放状態のレーヴァテインに頼った戦い方にならないように力を刀の形にして封じたものなの」
「へえ、なら本気でやる時は……」
「うん。解放する」
「さて、次は私がやるよ」
「……こいしとかぁ……しばらくやってなかったから、楽しみだよ」
「私も、フランと戦いたかったんだ……!手加減無しで行くからね!」
「ええ!」
ブゥンッ
「……へぇ」
こいしが魔力刀を出し、フランに向かっていく。
「覚えてる?私も剣術出来るようになったんだよ!」
「へえ、そりゃ楽しみだ!」
フランも、レーヴァテインを鞘から抜いた。
「せい!」ブンッ!
「おっと」ガキィンッ!
「そらそらそら!」
「っと!わたったっ…!」
こいしが連続で斬りかかる。
「ほっ」ダンッ
フランが飛び上がる。
「逃がすか!」
フランが一瞬、空中で静止する。
「!?」
「……そら」
ビュンッ
フランが素早くこいしに斬りかかる。
ズバッ
「……っとぉ……!危なっ…!」
−服に少し掠ったな……!
「へえ、よく避けたね。やるじゃん」
「……!」
−『へえ、よく避けた。凄いじゃない』
「……どうも!」
−今思えば……あいつ、言葉回しは違っても雰囲気がフランに似てるな……
「……そろそろ、私本気で行くよ!」
「……ええ」
こいしが帽子を深く被る。
「……さあて、やろうか」ドオオッ
「……いいね」
「……行くよ」
「ええ」
ヒュッ
「!?」
こいしが一瞬でフランの背後に回った。
「……!」
「くらえっ!」ブンッ!
ガキィンッ!
「…ふぅ…!速いね」
「そう言いつつ、防いでるけどね……!」
「正直な感想さ」ガキィンッ!
ザザザァ……
「……」
−……やっぱりだ……あいつと同じだ……フランには構えがない……一瞬の隙もない……急所を狙ってくるようなことはしないけど、素早いし急に攻撃してくる。それに常に笑っているし……
読めない。フランの動きが……以前は読めたのに……今は……!
「……何を考えてるのか知らないけど、そんな調子だと敵に隙を突かれるよ。作戦を考えてる間ももっと身構えなきゃね」
「……!……わかってるさ……けど、フランはそんなことはしないでしょ?それがわかってて身構えてないだけ」
「……強く、なってるね」
「……どうも」
−あれこれ考えても仕方ないな……相手はあのフランなんだ
全力でぶつかるだけだ!
「行くよ!フラン!」
「来なよ!こいし!」
「やぁ!」ドォンッ!
「!」(速い!)
ガキィンッ!
「さっすが、速いねぇこいし!」
「まだまだ序の口さ、フラン!」
「それ!」ヒュッ
「!」
こいしがフランの周りを円を描くように高速移動する。
「……」
「……」(フランはおそらく、このスピードもちゃんと見えてる。私が武器を構えた瞬間に合わせてカウンターを入れてくる……はず)
−自信はないが、フラン程の実力者ならきっとそれくらい訳ないはずだ
それを逆に利用して、避けて攻撃してくる場合は高速移動で背後に回って薙ぎ払い。
受け止めてきた場合も同様だ!
「それ!」ビュンッ!
「!」
−さあ、どうする⁉︎
「……」
フランがこいしの攻撃を華麗にいなす様に躱した。
「……!?」(いなされたのか……⁉︎)
そしてその勢いで刀を振るう。
ズバァンッ!
「ぐあっ!」
ドゴォンッ!
こいしは壁に自ら突っ込んで行った。
「いっつ…!まさかいなしてくるとは思わなかったな……」
「私の得意技でもあるんだから、忘れちゃいけないよ」
「……」
ビュンッ!
「!」
こいしがフランの頭上から斬りかかる。
「油断大敵!」ブンッ!
「っと……!」ダンッ
フランは飛び下がって躱す。
「……こいしが全力で戦ってるのに、私だけ手加減してたら不公平だね」
すっ
フランが目を手で覆い隠す。
「……?」
「……行くよ……今度は
手加減無しだ」ドオオッ!
目から手を離すと、フランの目が、紅く光る。
「……!!」
「…さあ、続きやろうか…」
「……本気じゃ……なかったの……?」
「まあね……ここからは本気さ」
「……!ま、負けないからね…!」
「……そうこなくっちゃ」ニヤッ
「……凄い……!フランの魔力が一気に上がった……!」
「……何だあの力……!やばいだろ…!」
「フランさんは自身の力にリミッターのようなものを掛けていつもは抑えているんです。まあ、目に魔力を吸うコンタクトを付けて戦っているんですよ」
「え、そんなものあるのか!?」
「はい。私達天狗は第三勢力として活動していたのですよ。まあ、どちらかと言えば上位十位側でしたが」
「その際、にとりに開発してもらって常時付けているのですよ」
「……じゃあ、コンタクトを外したら……」
「いつも吸わせている分の魔力と、コンタクトに吸わせた魔力全てがフランさんに戻ります」
「……!!」
「フランさんは只でさえ鬼と同等レベルの強さを持っています。それが修行によりさらに強くなり……
解放したら……もはや敵無しと言っても過言ではありません」
「……コンタクトは取った後は自動で消えます。再び付けたい時は自分の意思で出す事が出来るという優れ物でしてね」
「今のフランさんは恐らく、解放しなくとも充分に風見幽香と同等かそれ以上でしょう」
「……!!」
「……負けた……」
「え、解説聞いてたらもう終わってる!」
「……こいしも強くなったね……私に解放させるだけでも充分だよ」
「ど、どうも……」
「……さあ、今日の修行はこれで終わり!晩御飯にするわよ!」
「おー、久しぶりに咲夜の料理が食べられる!楽しみだよ」すっ
コンタクトを付けるフラン。
「腕によりを掛けて作りましたわ!妹様!」
「……よーし、気を取り直して……!フランの復活パーティーだー!」
『おー!』
「……」(やっぱり、私は幸せ者だな……)
−こんなに優しい人達に囲まれて、とてもいい親友を持ち、尊敬出来る姉を持っている……
みんなが平和に暮らせれば……私はそれでいいんだけどね。
……この平和が……少しでも長く続いて欲しいな……
決戦まで、後【一週間と六日】
ちょっと強くしすぎた感があるけど、まあ今後の展開的にはいい感じになるからノー問題笑




