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東方人気投票の裏話(?)  作者: アブナ
第四章 決戦に向けて
26/123

異変と共に湧く希望

まさか、修行関連すら思い浮かばなかったから一気に日にちを進めてしまいました……笑

展開が速いが、これはあれから二週間が経った頃の話。







「……」


こいしは自室で座禅を組み、瞑想していた。


−……もう一人の私と……戦いたい






「……こいしも物好きだよねぇ……私と戦いたいだなんてさ」


「だって貴女の戦い方勉強になるんだもの……」


「それはよかった……さて、今日もやりますか?」


「ええ!」








その日は、とても穏やかな夜だった。

空には沢山の星が浮かび、鈴虫が鳴いている。

穏やかな風が吹き、草木が揺れている。

とても静かな様であるが、この地上に芽吹くありとあらゆる自然が靡き、唄っていた。

自然の鎮魂歌……そう呼ぶにも相応しい。

そんな中、一人の少女が紅魔館へと向かっていた。


「……ふふ、感じるわ……あの中から一人……妬みの気持ちを抱いている者が一人……ふふふ……」


「さあ……その妬みを力へと変えてあげるわ……ふふふふふ……」










「……ぷはっ…!かーっ強いなぁやっぱり……今回も負けちゃったか」


「……まあ今は負けても体を支配しようとはしないな……根は優しいんだねもう一人の私も」


ガチャ


「?」


何者かがドアを開ける。


「……」


そこにはアリスが立っていた。


「ん、どうかしたの?アリス。急用でもあるの?ノックもしないで開けるなんて……」


「……」


「……?アリス?どうかし……」


ブンッ


「え?」


ブシャアッ














「アリスー?アリス何処だー?」


「ったく何処いったんだよあいつ……世話の焼ける奴だぜ」


「魔理沙、どうかしたの?」


「おおレミリア。さっきからアリスの奴が見当たらなくてよ……何処にいるか知らないか?」


「アリスならさっきこいしの部屋の方に行ってたわよ」


「お、サンキュー!」







「かはっ……!ごふっ……!」


こいしは、アリスの人形に心臓部を刺されていた。


「はあっ…!はあっ…!アリ……ス……?」


「……」


「一体……何……が……」


−この感じ……アリスは何かに操られてるのか?


「……」


「……アリス……何があったの……?」


「……」



「……」


−操られてるな……


ズキンッ


「ゔっ…!げほっ!げほっ!」


−さっきの精神内の戦いの所為でまだ体が起きてないのか……!再生しない……!


「……ゼェ……ハァ……」


−意識……が……


ガチャ


「んん?空いてないな……こいしー?いるかー?」


「……!」


−魔理沙……!


「……」


ズバァンッ!


「がっ……!」


アリスが人差し指を立てると、人形が手に持っている剣でこいしを斬る。と同時にこいしの口を塞いだ。


「……魔理沙、ごめん。今は私精神内でもう一人の私と対話してるからさ……また後でにしてくれる?」


「……!?」


人形がこいしの声で喋った。


「あ、そうか。悪い!あ、そうだ。アリス見なかったか?レミリアからこいしの部屋に行ったって聞いたんだ」


「んー、見てないかな?図書館には居なかったの?」


「ああ……んー、まあ探してみるよ。サンキュー!」


「うん」


タッタッタッタッタッ……


走っていく音が聞こえた。


「……!!」


−やばい……!


「……」


アリスが手を上げる。


「……」すっ


手を振り下ろすと同時に口を塞いでいた人形がこいしの心臓部へと向かって行く


「……!!」


ドスッ


「あぁっ……あ……!」


−この……ままじゃ……!


ドスッ


「……かはっ……あ……」


ドスッ


「……がぁっ……」


ドスッ ドスッ ドスッ


「……か……ッ……」


こいしは至るところを刺され、致命傷だった。


「……ごふっ……」


−……意識……が……遠の……く……


「……」ブンッ


人形がこいしにとどめをさしに行く。


「……」


−……くそ……


ドスッ


「おっと……それ以上はやめてよね」


「……?」


人形が黒い刃の刀に刺されていた。


「この子、私の友達なんだよ」


ズバァンッ!


人形を真っ二つに切り裂いた。


「……」


−視界が……ぼやけて……


瞬間、こいしは体の傷が癒えていく感覚を覚えた。


−……再生……?じゃない……この人が魔法で……


「……貴女は……」


「随分酷くやられたね……こいし」


そこには、黒いフードを被った少女が立っていた。


「……」


−この声、何処かで聞いたことが……


「……!」ブンッ!


アリスが腕を振ると、人形が三体出てくる。


「……」ガチャ


フードの少女が刀を構える。


ブンッ!


人形が三体同時にフードの少女に向かっていく。


「……」


ズバァンッ……


「……?」


フードの少女が一瞬でアリスの後ろに移動する。


「……」スー……


黒い刀を鞘に収めると……


カシャンッ


ズバァンッ!!


「!!」


アリスと三体の人形が斬られた。


「……!」


−凄い……!妖夢より剣術に長けている?


「……アリス……」


フードの少女が心配そうにアリスのことを見ている。


こいしは、フードの少女に詰め寄った。


「……貴女は……何者?」


「……さあ?何者だろうね」


「……その声、何処かで聞いたことが……」


「……人違いじゃない?」


その時ーー


ゴオッ


人形が持っていた剣がこいしに向かって飛んでいく。


「!?」


「くっ…!」


フードの少女がこいしを庇うように前に立つ。


ズバァンッ!


フードが少し破けた。そしてそこから見えたのは、黄金色の髪だった。


「……!!」


−……まさか……いや……そんなわけ……!




−『こいし』


「……!!」


フランの声と、フードの少女の声が重なる。


「……殆どバレちゃっただろうから、もうフードはいいかな」


バサァッ


頭にかぶっていたフードを取ると……


「……あぁ……あああ……!!」


「……久しぶり、こいし」


「フラ……ン……?」


「……こいし、お話するのは後でにしよう。まずはアリスを止めなきゃ」


「……う、うん」


−……夢じゃないのか?これは……

……そうか……夢だ……フランが生きてるわけがないし、アリスがこんな風になるわけがない……


「こいし」


「!」


「夢じゃないよ」ニコッ


「え?」


ブンッ!


アリスが起き上がり、こいしに殴りかかる。


「!」


ガッ


フランがアリスの腕を指一本で止めていた。


「!」


「ちょっと手荒くなるけど、許してね」


「エルサンダー」バリバリバリバリッ


フランが雷撃魔法を唱える。


「がぁあっ……」ガッ


フランがアリスの口を抑える。


「フラ……!」


「大丈夫……私にはこの程度の雷撃は効かない」


−見るからに1000Vはあるように見える……!それが効かないなんて……!


ドサッ


アリスが倒れる。


「……意識は失って貰ったけど、ちゃんと治療するからね……アリス」








「……」


「……久しぶり、こいし。どうだった?最近は……随分強くなったようだけど……」


「フラァン!!」


こいしがフランに抱き着いた。


「っと……!」


「フラン……フラァン……!本当に……本当にフランなの?本当に?」


「……本当だよ。夢じゃない」


「え……」


「……私も……こいしと同じ夢を見てるんじゃないかな……」


「……本当に……夢じゃないの……?本当に……?」


「……夢じゃないよ……私はちゃんと、ここにいるから」


「……よかった……!嬉しい……!」


「……ただいま……こいし」


「おかえり……フラン……!」


「……しばらく、こうしていていいかな……フラン」


「……うん」


−夢じゃない……もうこれは、夢じゃないんだ。

本当に……フランは生きていてくれた。

私の大好きな親友……掛け替えのない存在。

そのフランが今……此処にいる。


「……フラン……」ぎゅっ


こいしがフランを強く抱き締める。


「……」


フランは、とても穏やかな目でそれを見ていた。









「どうやって入ってきたの?」


「そこの窓から……魔法で音を消して入った」


「そんなこと出来るんだ!凄いね」


「……実はこの部屋にも掛けてる。だから、ここで喋ってる声は聞こえないし届かない」


「そうなんだ……みんなには会った?」


「いや、まだだね……」


「そっか。なら、会いに行こうよ!」


「そのつもりよ。でも、ちょっと待って。文お姉ちゃんが外で待ってる」


「え?文と一緒に居たの?」


「うん。あの時私を助けてくれたのは文お姉ちゃんなの」


「そうなんだ!」


「うん。……!文お姉ちゃんからだ……」


「……文お姉ちゃんは先にみんなに会ってくるんだと……私たちもいこっか」


「ん?わかった。行こう」


「……」


禁忌『フォーオブアカインド』


「?フラン、何かした?」


「いや、何も」


「そう?」


「あ、そうだ。私が生きてた理由なんだけどね……」


「うんうん」











「まさか……!何でフランドールが……!紫様は死んだと……!」


パルスィが紅魔館の門に居た。


「さあて、何ででしょう?」


「!!」


「文お姉ちゃんも仕事が早いね……私も見つけてたけど、わざわざ連絡してくれるとは」


「フランドール……!!」


「おっす、なにやら企んでたらしいねぇ」


「わ、私はただ紫様の命令でしただけなの!許して!」


「……」


「私はただ、無理矢理命令でやらされただけなのよ……!」


「……戦意のない者を甚振るのは趣味じゃない……逃げたいなら勝手にしなよ」


「あ、ありがとう!」


−とでも言うと思ったか……!やはり、噂通り優しすぎるようだな……フランドール!


後ろから小刀でフランを刺そうとする。


「あーあ、最後のチャンスをあげたのにね」


ガッ


「!?」


フランが横からパルスィの手を掴んでいた。


「……貴女は、直接ではないにしろこいしを傷付けたね……」


「ひっ……!」


「なら、倒す理由はそれで充分だ」


「うわぁああぁあ!!」


「……何てね……これに懲りたらもう悪さしないでよ」


「え……?」


「……貴女も、紫に逆らえないから従ってるだけなんでしょう?さっき、目が本気だった。確かに私を騙そうとしてはいたけど、本心を言っていたようにも見えるけどね」


「……」


「……仲間、助けたいんでしょう?なら、私達と来ない?」


「……えっ……!」


「貴女が来てくれたら、きっと頼りになるわ……仲間を救いたいという気持ちがあるのなら、同じ意思を持つ者同士協力しあおうよ」


「……!」


「さあ、一緒に行きましょう」


フランがパルスィに手を差し伸べる。


「……うん……!」




ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



「……パルスィが落とされた……ちっ、こうなるなら奴にもスキマ仕込んでおくんだったわ……」


「……紫様、パルスィに何するつもりですか。いくら貴女でも……」


「わかってるわよ……ったく、煩いわねぇ」


「……」


−しかし、今回はパルスィの独断行動……こちらとしては都合はよかったのだけどね……。


「……はあ……悪いわね。ちょっと機嫌悪くて……」


「いえ」


「ちょっと部屋で寝てくるわ」


「ごゆっくり」


「……」(……フランドール……生きていたのね……)


−いいわ……私達も全力でぶつかってあげようじゃない……!私達に敗北はないわ……!




決戦まで、後【二週間】







いえーい!大好きなキャラ復活!これで話が弾むぞー!笑

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