修行
今回何故か書いてて楽しかった笑
こいしがもう一人の自分を支配した次の日、早速修行は始まる。
「みんなぁ!こいしに負けないよう、頑張って行くわよー!」
『おおー!』
−みんな気合い入ってるな……
「さて、と……私もコントロールしたとはいえうかうかはしてられない」
「あっ、こいし。今日から貴女が私達全員の相手をするのよ」
「……なん……だと……」
「あの力をコントロールしたんだからそれくらい余裕でしょ?」
「……が、頑張ります……」
「それじゃ早速あのモードになってよ!」
「……」すっ
こいしが帽子を深く被る。
「……さあて、やりますか」ドオオッ!
帽子を上げると、こいしの目が狂こいしの目になっている。
「……本当にこいしよね?」
「うん。さ、誰からでもいいよ」
「……本当にコントロールしたんだな……!よぉっしゃ、私から行くぜ!」
「最初は魔理沙?手加減はしないからね…!」
「おう!」
その後も妹紅、霊夢、妖夢、アリス、レミリア、咲夜と、連戦していった。だがこいしは全員に勝ったのだった。
「……まさかここまで強いとは思わなかったわ……流石ね…」
「……どうも」
こいしが目を閉じる。
「……ふう」
こいしが目を開けると、こいしの目に戻っていた。
「……このモード、何のリスクもないわけじゃないんだ。それなりに体力使うし、何より能力が使えなくなる」
「!能力が!?」
「……うん。だから単純な強さで戦うしかないんだ」
「……そうなのね……」
「……だからさ……明日からは最初はあのモードを使わずに行くよ」
「!了解よ」
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「紫様の命だ……”紅魔館の偵察に行け”……仮に奴等が今休んでるのだとしたら、殺してしまってもいいだそうだぜ」
「……まあ、そうなるでしょうねぇ」
−……あの子達の悪運も、ここまでかしら……
勇儀、幽香が大量の妖怪達を引き連れて紅魔館へと向かっている。
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「今日の夕飯は、ビーフハンバーグステーキですわ。どうぞ」
「おほっ、旨そうだなぁー!」
「……こんなの久々な気がするわ」
「ま、ここ一週間くらい非常食ばっかだったからなぁ」
「……」
−『さ、今日はお泊りなんだから、遠慮なく食べなよ!咲夜の料理はとっても美味しいのよ?』
「……」グスッ
「……こいし……」
「……大丈夫……ごめん」
−やっぱりフランとの思い出を……引き摺らないなんて無理な話だ
……一目でいいからまた……会いたいなぁ……
「……」
その夜、屋上にて
「夜空が綺麗だ……こんな夜はあの日のことを思い出す……」
−フランが私と服を取り替えっこして、夜に外でそのまま鬼ごっこした事。今となってはとても幸せな時間だったなぁ……フランが胸元のリボンを結んでくれたり、髪の毛をフラン風にしてもらったり……何だかお姉ちゃんみたいで嬉しかったなぁ……
「私の服着た時のフラン、可愛かったなぁ……」
−……また感傷に浸ってるな……今日はもう寝よう
「おやすみフラン……私、明日からも頑張るよ」
カッ
「……?」
−今向こうで何か光ったような……気の所為か
「……寝よ寝よ!」
ガチャ バタンッ
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「……あんた、何者だい?」
「……名乗る程の者じゃないさ」
フードを被った少女一人に、幽香、勇儀含む大量の妖怪達が苦戦していた。
「……そんだけ強くてかい?」
「……」
「……何でそこに立ちはだかるのかしら?紅魔館に何か思い入れでも?」
「……まあ、ちょっとね」
「邪魔だてするなら……そろそろ私らで叩き潰すが?」
「……来なよ」
「そうかい!」ドンッ!!
勇儀が凄まじいスピードで突進を繰り出す。
「……」
ガッ
「……!?」
少女は勇儀の突進を、片手で止めていた。
「……!?」(馬鹿な……!)
「……」ニッ
ヒュンッ
フードの少女が消える。
「……!?」
ザッ ザッ ザッ ザッ
「……」
フードの少女が勇儀の後ろを優雅に歩いて行く。
「……」スー…カシャンッ
手に持つ柄が赤く刃が黒い日本刀の様な刀を鞘に収めると……
ズバァンッ!
「……がっ……!」
ドサッ
勇儀が右胸から肩にかけて切り裂かれた。
「勇儀…!」
「……次は、貴女かな?」
「……ちょい待ち……私はまだ負けちゃいないさ……」
勇儀が起き上がる。
「……あんたの魔力……どっかで……」
「そのフード、取りなさい」
「……いきなり迫真に迫るね……」
「いいから取りなさい」
「……悪いね、取るつもりはないの」
「なら、無理矢理引っぺがして……!」
『幽香ー、もういいわよ。その子が誰かは知らないけど貴女達じゃちょっと厳しいからね。退きなさい』
「……!わかりました……」
「……退却だ!戻るぞ!」
「命拾いしたわね、フードの女の子?」
「……ふふ、そうだね」
「……それじゃあね」
スキマに全員が入っていった。
「……見てたんなら援護して欲しかったんだけどなぁ……
”文お姉ちゃん”」
草むらから文が姿を現す。
「いやー、まさかたった三日修行しただけでそこまで強くなるとは思っても見なくて……流石ですねぇ」
「……ふふ、まあいいや。紅魔館は守れたかな」
「……会いに行かなくていいのですか?」
「……うん」
「……そうですか」
「……敵の本拠地は割り出せた。多分紫はこれから一ヶ月は攻撃して来ない」
「……と、言いますと?」
「一ヶ月間、修行に励もう。そして一ヶ月後……決戦と行こう」
「承知しました!」
二人が何処かへ飛んで行った。
「起きなさーい!朝よー!」カンカンカンッ!
フライパンと大匙を打ち付けて咲夜が皆を起こして回っている。
「……んー……!もう朝かぁ……!」
伸びをして、ベッドから起き上がるこいし。
−……きっと、一ヶ月間修行に励めば……勝てるはずだ
「よぉし、今日から一ヶ月間頑張るぞ!」
そう決意するこいしだった。
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「へえ、とんでもなく強い子らしいわね……その子」
「はい……」
「……面白そうね……今度見かけたら呼んで。私が直々に出向くわ」
「……分かりました」
「……」(フードの少女……か。怪しいわねぇ……何処ぞの馬の骨かしら?)
フードの少女……あっ(察し




