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東方人気投票の裏話(?)  作者: アブナ
第二章 過去編 〜吸血鬼と悟り妖怪〜
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悲しき戦い こいしVS暴走したフランドール

フランとこいしの激しい戦いが繰り広げられ……ません。まだ序の口の戦いが繰り広げられます。はい。


「……ああ……そうそう。フランがこう言っていたよ……あの子だけは巻き込まないようにしないと……とね」


「……」


「偽善だよねぇ……自分から話しておいて巻き込まないようにしないと……ってさ。あんたも面倒な奴に関わったとかどうせ思ってるんでしょ?」


「なっ……勝手に決めないでよ!」


そんなこと思う訳ないでしょ⁉︎


「……私はね……フランがいつもいつも辛いことを一人で抱え込んでいるところを見るのが辛かった。私だって人の心はある」


「だからさ……もうそんな思いさせないように全員を殺して楽にしてあげようと思ったわけ」


「そんなの……!何の解決にもならない!」


「知った風な口を利くな!お前は今までフランがどれほどの悲しみを背負ってきたか知ってるのか!?」


「なら……その悲しみの原因はあんただって知ってた?」


「……けっ、何を言ってんだか……吸血鬼が殺戮を好まないわけがないだろう?」


「……嘘つき……!本心がそうなら貴女はフランのことを心配なんかしないはずよ!」


「おーっと……気付かれたか……私はね……フランが辛そうになるのを見るのが大好きなんだ……!こいつ、凄い良い反応してくれるんだよねぇ!」


「……!」


「お母様殺しかけた時だって……こいつ泣きながら自分の腕を引っ掻いてたんだ!面白いよなぁ」


……。


「お前は……私を本気で怒らせてしまったみたいだね……!!」


「お前はフランの優しさを踏み躙ってる!!フランを苦しませ……悩ませ……!そしてそれを楽しんでる!!許せない!!」


「はははははは!止めたきゃ止めろよ……それがお前に出来るならなぁあ!!」ヒュン


フランが、一瞬でこいしの後ろに回り込む。


「ていやぁ!」


こいしは回し蹴りで攻撃する。


「っはは!お前の攻撃なんざ効かないんだよ!」


ガシッ


「何……!?」


足を掴まれるこいし。


「ソォラァ‼︎」


思い切り投げ飛ばされる。


「くぅ!!」


ダンッ‼︎


「何……!」


壁に打ち付けられる前に体制を立て直して、壁を蹴ってフランの方へ向かっていく。


「くらえっ‼︎」


拳に魔力を込め、フランに向けて振るう。


「……」ガッ


「くっ!?」


腕を軽く掴まれる。


「馬鹿がッ……今の状態の私に勝てると思ってるのかァ!!」ぐぐぐぐ


「うあっ……あぁああぁあ!!」バキバキッ


フランがこいしの拳を握り潰していく。


「ははっ!そぉら、吹き飛べ!!」ブンッ


「うわああああ!!」


ドゴォッ


「……かはっ……!」


壁に勢いよく叩きつけられる。


「うっ……」


ヒュン


ドゴォッ


「がっ……!あぐっ……」


「どうした……私を倒すんだろ?」


フランが壁に押し付けるようにこいしの首を掴む。


–強い……!


「ぐぐっ……!」


「!」


spell 困惑『イドの解放』


「っと……!それなりには機転は利くようね」


「かはっ!はあっ…!はあっ…!」


「随分苦しそうだな……ククク」


–今のあいつは、完全に油断してる……タイミングが大事だ……奴が完全に勝利を確信したタイミングで……


「何をしようと無駄だよ……私には勝てない」


「それはやってみなくちゃわからない!」ダッ


こいしがフランに向かっていく。


「正面からとは…舐められたもんだね」


こいしが魔力を固めて刀状にする。


「剣術はあまり得意じゃないけどね……!」


「へえ、そんなこと出来たんだ」


「せい!」ブンッ


フランに向けて薙ぎ払いをする。


「はいはい、もういいから……」


ガッ


「……嘘……」


フランはそれを指一本で止めていた。


「……」 ぐっ


ズバァンッ


「え……?」


こいしの腹部が切り裂かれていた。


「ん?腹から下を切り落としたつもりだったけど……浅かったかな」


「そん……な……」ガクッ


こいしが地面に膝をつく。もはや立ち上がることすら出来ない状態だった。


「結構頑張ったと思うよ?私相手にここまで耐え抜いたんだ……並大抵の妖怪じゃあ私の魔力に耐えられず一撃で体が消滅するしね」ぐいっ


「ぐっ……!」


フランがこいしの頭を掴みあげる。


「ま、死んだらそれで終わりだけどねぇ……」


−ここだ!


「抑制『スーパーエゴ』!!」


「なっ……!?」


フランが咄嗟に飛び下がる。


「……?何も起こらないな……」


「…はあっ…はあっ……」ドサッ


「はははっ!悔し紛れに叫んだのか!だがいいことだ……おかげで生きられる時間が少し伸びたんだからな!」


「……」


「それじゃあね!死になァ!」


フランが爪を立て、こいしの頭目掛けて振るう。


その時だった


ドオオオオオオオン


「⁉︎」くるっ


「……なんだ……これは……⁉︎」


−油断を誘って、ただ単に撃っただけじゃ当たらないことなんてわかってる

だから……一点に集中させ、逃げ場をなくせばいい!


外壁が壊れ、外から何百もの青いハートがフランに向けて飛んでいく。


「ぐっ……いつの間にこんな……!」


「あの時、悔し紛れとか言っていたね……」


「!」


「悔し紛れってのは、生に執着することだと私は持論づけてる」


こいしが帽子を深く被る。


「私は悔し紛れで嘘を吐くほど生には執着してないんでね!」


スゥー……


「!?消えた…!」


−私に気を取られすぎたね……


「……しまった……!」


フランの周りには、大量の青いハートで囲まれていた。


「……こんなもの、私の能力で……!」


ぐっ


ドドドドドドドドドドーーン


周りのハートが全て破壊される。


次の瞬間ーー


「終わりよ」ガチャ


「……なん……だと……?」


こいしがフランの首に魔力刀を押し付ける。


「少しでも動いたら斬る」


「……くっ……!」


−なんとかなった……こいつが油断していなければ、間違いなく負けていたな……


「……こうして、意味があるのか?」


「あんたに聞きたいことがある」


「……なんだよ?」


「フランは、あんたのことを恨んでると思う?」


「そりゃあね……私を憎まないはずが……」


「……残念。フランは貴女のこともちゃんと見ていたのにね」


「……は?」


「そりゃあフランだって家族を殺されたんだ……憎しみがないってわけじゃないだろうけど、少なくとも憎んでるわけではないよ」


「……どういう意味よ」


「あんた、フランに一回でも自分のことを否定されたことある?」


「……!!」


「……フランは、あんたとも分かり合おうとしていたんだよ……それなのにあんたはそれを踏み躙った……!だから私はそれが許せない!!」


「……」


「お前には、フランが味わった苦しみの何倍もの苦しみを与えてやるよ……!」


「あがっ……くっ……!お前は……引っ込んでろ……フラン……!」


「……!?」


「……こい…し……!」


紅い、とても澄んだ綺麗な目。フランの目だ。


「……そん……な……ことしなくて……いいから……!」


「フラン……!でもこいつはフランの気持ちを……!!」


「私だって……悪いんだ……もう一人の私は、地下に閉じ込めたお姉様のことを……恨んでるんだ……だから、それを抑えるのが……私の仕事……」


「……!」


「私は……何もしれあげられなかった……!憎しみを消すことも、心の闇を払うことも、気持ちを理解してあげることも……」


−フラン……


「……だから……もう一人の私を恨むのはやめて……!」


「……どうして……?どうしてそんなに優しくしてあげるのよ!?そいつは……そいつは!!」

「私には!!」


「!」ビクッ


「……この子の気持ちが……痛いほどわかるんだ……」


「……え……?」


「誰も助けてくれなくて……暗くて……寂しくて……何回泣いたか覚えてない……!」


「それが……どれだけ辛いことか……!この子はそれを知ってる……だから、私にはこの子の気持ちがすっごくわかるんだ……!」


「……!」


「うぐっ……がっ……!だか…ら……!この子を殺さないで……!私が……体を乗っ取られても……!殺さずに倒すだけにして!」


「……わかった……!絶対勝つから!」


「……ごめんね……こいし……」


「約束したよね」


「……?」


「またいつか……遊ぼうって」


「……!……うん……」


フランが俯く。


「……ああ〜鬱陶しい……なんだよさっきの茶番……見てて恥ずかしかったわ」


「……フランの気持ちを少しは理解したみたいだね。表情が少し暗いよ」


「……何のこと?」


「貴女だって、あんな風に言われちゃ同様するでしょ……どう?貴女のもうひとつの人格……とっても優しいでしょ?」


「……黙れ……」


「貴女が苦しませて来たのは……あんなに優しい人なのよ?」


「黙れ……!」


「少しは改心しなよ……フランは貴女のことを……」

「黙れぇ!!」


「……」


「お前らは……知りもしないくせに偉そうな口を利きやがって!!あの苦しみを……あの絶望を……味わったことがあるかぁ!?」


「フランが何を言おうと私は変わらない!!復讐こそが私の存在価値なんだ!!」


フランは絶望と憎悪、そして怒りで我を忘れていた。


「お前も!!あいつらも!!そしてこの世界も!!全部私が壊してやる!!」


「WRYYYYYYYYYYYYYYYYY!!!」


ゴオオッ


「ッ……!何て……魔力…⁉︎」


フランがいつの間にか消えている。


「くっ……!」


辺りを見回すも、フランの姿は見えない。


−右じゃない……左でもない……後ろでもない……前でもない……だとすれば……!


「上か!」


「ご名答!」


フランはレーヴァテインを手に持っていた。


「なっ……!」


「くらえっ!!」


ドゴオオオオン!!


フランがレーヴァテインを振るうも、こいしはそれを躱す。そして、振るった太刀筋からは爆発が起こる。


「……!」


−あれを喰らえば間違いなく負ける……!あれだけは当たらないようにしないと……!


「ちっ……避けたか」


「その剣……何なの?」


「……ああ……これか……」ガチャ


「レーヴァテイン。私の愛用の神剣よ」


「神剣…⁉︎」


「そう……神の力を宿した剣……お前如きでは止めるのはおろか触ることすら出来まい」


−確かに……あの禍々しい魔力には触れられる気がしない……!


「クククク……ククククククク……‼︎」ニィィ…


フランが狂気に染まった目でこちらを見つめている。


「……!」


−来る!


ザンッ


−……え?


ドシャッ


−……何……これ……?


「ゴフッ…ゲボォ……」


「……あ……あ……」ビクッ ビクンッ


「……無様ね……まあ、失禁とか……そういうことは起こしちゃいない分まだマシか」


−なんだこれ……?体の感覚が……?一体何が……?


「まだ自分がどうなってるか飲み込めてないようね」


「お前には……下半身と上半身に別れてもらったよ」


こいしの体が、腹部を境に真っ二つに切り裂かれていた。


−死ぬ……間違いなく……死ぬ


「……ぶふっ……ぐぷ……」


「まだ体内に血が溜まってるのね……上手く喋れていないわよ…………もう、とどめと行こうかな」


ガチャ


レーヴァテインを構える。


「死ね」ブオンッ!


−……ああ……ごめん、フラン……負けちゃった……


ガキィンッ!


「なっ……!?」


「咲夜!急いでその子を連れて逃げるわよ!」


「はっ!」


咲夜とレミリアが現れる。


「お姉様ァ……!会いたかったよ……!!」ギロッ


「悪いわね……今の貴女とは話したくないわ」


「お前を殺す!!」


フランがレーヴァテインをレミリアに向けて振るう。


「神剣と神槍、どっちが強いかしらね」


ガキィンッ!


「グングニルか……!」


「甘い甘い!」


「お嬢様!退却します!」


「よーし!頼むわよ!」


「時よ止まれ!『ザ・ワールド』!!」


止まった時間の中、大量のナイフをフランの周りに設置する。

そして、レミリアとこいしを抱え全速力で走る。


「そろそろ、限界か……時は動き出す」


「!?」


ドドドドドドドドドドッ!!


「あぁああぁあぁあぁぁあっ…!」


フランに大量のナイフが刺さる。


「あうっ……!く……くそ……!咲夜ァ……!!」


「殺す!!」ドンッ!!


刺さっていたナイフが全て一斉に抜ける。


「どこへ逃げたァァ!!」


「あ……?」ガクッ


フランが体制を崩した。


「……ダメージが……溜まってる……か……少し休まなきゃ……」


ドサッ


フランが倒れた。






「……ヒュー……ヒュー……」


「咲夜……ひとまず体の接合を」


「はい」


パチンッと咲夜が指を鳴らすと


「っはあっ……!はあっ……!」


こいしの体は繋がっていた。


「ふう……ひとまず安心ね」


「あ、ありがとう……主さんにメイドさん」


「いいのよ気にしなくて……それより、フランはどうだった?完全に暴走してる?」


「完全に暴走はしていないのかもしれない……さっき、一瞬フランが出てきたから」


「そう。そのあとまた戻ったのかしら?」


「……うん」


「……なら、完全に暴走してるわね……咲夜、わかってるわよね?」


「はい」


「今からでもまだ間に合うわ……フランを倒して精神を安定させましょう!」


「うん!」


−まっててフラン……!必ず救ってみせる!





「……傷は癒えた……月も紅色に染まっている……」


「……クククク……」


「さあ来い……一人残らず殺してやる……!」





フラン戦は最終決戦的雰囲気を出す笑

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