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東方人気投票の裏話(?)  作者: アブナ
Another World Story
121/123

護る者と壊す者


「…フラン、結局食堂来なかったね」


「…やっぱりこいしさんも気になります?」


「うん…だから呼び出したんだ。今日フランに会った?霊夢」


「はい、朝に……」


「その時フランと何か話した?」


「えーと……ごめんなさい、図書館に行くって言ってたことしか……」


「でもその図書館にはいなかったんだよね?ぬえ」


「うん、いなかった。私もそこまで詳しく探したわけじゃないけどね」


「……」


こいしとぬえと霊夢の三人が、紅魔館の屋上で話している。

三人は、同じ方向を向いていた。


「……やっぱり、気になるよね……あそこ」


「…はい。異様な魔力を感じます」


「何となくだけど、片方はフランだと思うよ」


「私もそう思う。誰かと戦ってるね」


「…行きますよね?」


「勿論」


三人が同時に飛び上がって、フラン達の戦っているあの木のもとへと飛んでいった。









ガキィンッ!


バシァッ


フランとこいしが、激しい攻防を繰り広げていた。


「ッ…!」


「強がっても吸血鬼!流水で少しずつダメージは入っていくみたいだね!」


「…さあ、どうかな!」


フランがこいしの背後に回る。


「!」


フランが刀をこいしに向けて振るう。

しかしこいしはそれを上に飛び上がって躱した。


「はっは!遅いね!」


その時、こいしは頭上に人の気配を感じた。


「…!?」


上を見ると、もう一人のフランが拳を握りしめ、こいしに殴りかかっていた。


ドゴォンッ!


「ぐっ!!」


こいしの顔を思い切り殴りつける。

そのまま、こいしを殴り飛ばした。


こいしは水に何度も打ち付けられながら吹き飛んでいく。


「ぐっ…!」


何とか停止し、フランのいた方を見る。

水面にいたフランが消え、空中にいたフランがこいしの少し手前に降りた。


「……」


「……」


二人が睨み合う。


こいしは、フランをどうやって殺そうかという事だけを考えていた。自分の意思を……それが正しい選択なのだと信じて。


−あいつはまだ時間停止を使っていない……何か理由があるはずだ。

流水がある中だと能力が使えないのか…?そういう過程にするとして、奴は今相当弱ってるはずだ……一気に畳み掛けて捩伏せるか……。


フランは、自分が本気を出せていない事に気が付いていた。

フランはあるものの答えをこの戦いで探していたのだ。こいしを助けるためにするべき行動……自分の導き出すべき答えを。


−私はこいしに何をしてやれるのか……私の取るべき行動はなんなのか……。


「…この一戦で…答えを見つける」


「…くくっ」


こいしが刀を構え、フランに斬りかかった。


しかしフランは、それを後ろに下がって躱す。


「逃がすか…!」


こいしが水面を蹴って一気にフランに向かっていく。

フランに向けて刀を振るう。


ガキィンッ!!


フランは刀でそれを防いだ。そして、刀を回してこいしの刀を弾くと、逆手持ちにしてこいしに突撃していった。


「…ふんっ」


「…?」


ドシュッ


「!?」


フランがこいしの方に突撃していったその時、フランの右目から血が噴き出した。


「ぐっ…!?」


「目に見えない弾幕って怖いよねぇ!!」


こいしは、目に見えない程の小さな弾幕をそこに置いていた。フランの目にその弾幕が当たったのだ。

普段ならそんな子供騙しには引っかからないが、流水の渦中に入るため弱っていたために見えなかった。

こいしがそのままフランに突撃していく。


「…禁忌」


「…!?」


「カタディオプトリック」


ドオオオオオオオンッ!!


フランのスペカで、大爆発が起きた。

こいしは、フランのスペカをゼロ距離でくらってしまった。


「うがぁっ!!」


ヒュンッ


「!?」


フランがこいしの目の前に現れる。

フランの帽子と、髪の毛を結んでいたリボンが取れていた。


ドガァッ!!


「ぎっ!?」


頭に踵落としをくらわせた。

そのまま、こいしが水面に落ちていく。


「はあっ…はあっ…」


−…水がなければ……もっと早く終わらせられたのに…!


流水によって、フランの体力はどんどん削られていっていた。


ドオオオオオオオンッ


「!」


こいしが勢いよく水から飛び出した。

そして、水面に着地する。


「はあっ…はあっ…やっぱり、強いね……少し休んで、万全の状態でここに来ればよかった…!」


「…やっぱりこいしも本気じゃなかったか」


「…こいし”も”って事は……フランも?」


「ええ……」


「……くくっ、さすがだね。けど……そろそろきつくなってきたんじゃない?」


「……」


「……さあ、ここからは真剣勝負だ……私にもあまり時間がないから……そろそろ決着をつけようよ……!!」


「…ええ……私もそのつもりだった」


ヒュンッ


「!」


こいしがフランの後ろに回った。

左足で回し蹴りを繰り出す。


しかしフランはそれをしゃがんで躱した。

こいしはそのまま、右足、左足の順でまた回し蹴りを繰り出した。


「せやっ…!」


フランはバックステップでそれを躱す。

そして、突撃しながらこいしに刀を振るった。


「ふんっ…!」


ヒュンッ


「!!」


しかし、こいしはフランの後ろに回って弾幕を放つ。

フランはそれを横に高速移動して躱す。

そして、こいしに斬りかかった。


ガキィンッ! ガキィッ


こいしはそれを刀で防ぎ、フランの刀を弾いてまた弾幕を放った。


フランはその弾幕を切り裂いてそのままこいしに突撃していく。


「おぉっ!」


こいしが刀を振るう。


ガキィッ


「!?」


フランがいなすように刀で受け、そのままこいしの懐に入った。


「もらった…!」


「…ふっ」


こいしがまたもフランの後ろに回り込む。

そして、刀を構えて斬りかかった。しかし……


ドゴォッ!!


「ぐはっ!!」


フランが振り向きざまに刀の柄をこいしの顔めがけて振るっていた。

そのまま、こいしが吹き飛ばされる。


「ぐっ…!」


こいしが空中で受け身を取り、フランに突撃していく。


「!」


ガキィンッ!!


フランの刀とこいしの刀が、激しくぶつかり合う。


フランが刀を弾いて、後方に下がる。


「スカーレットシュート…!」


フランが刀を水の中に刺すと、こいしの立っている水面下に紅い光が発生する。


「!!」


こいしはすぐさまその場所から離れた。

すると、紅い弓矢のような弾幕がそこから出てきた。

紅い光が、またこいしの下に発生した。


「くっ…!」


こいしは、走ってその光から逃れる。

しかし、その光は次々と発生し、こいしを追っていく。


ドドドドドドドドドドドドドドドド……


「……」


フランが刀を水から抜くと、刀をレーヴァテインの元の形に戻し、それを弓のようにして構える。


「…そこ!」


こいしの動きを先読みして、弓矢のような弾幕を放った。


「!!恋の埋火!!」


こいしが弾幕を放ってその弾幕を相殺した。

爆発が起きて、煙が発生する。


「……」


フランがレーヴァテインをまた刀状に戻したその時……。


「おぉっ!!」


「!?」


ドゴォッ!!


こいしの声が背後から聞こえ、咄嗟に振り返った時、右手で顔を殴られた。

そのまま、殴り飛ばされる。


「くっ…!!」


フランは空中で受け身を取って、水面に着地した。


「はあっ……はあっ……」


「はあっ……はあっ……」


二人がお互いを睨み合う。


「……」


「……」


バシャッ


二人が同時に横に走り出す。

こいしは右へ、フランは左に走っていく。

並走しながら、お互いを睨んでいる。

そのスピードは、どんどん早くなっていく。


ガキィンッ ガキィッ ガキィンッ!!


並走しながら、刀を打ち付け合う二人。


ザザザザァ…


二人が急ブレーキをかけ、また刀を振るった。


ガキィンッ


「…ッ…!」


フランの剣撃の重さに、こいしの顔が歪む。


ガキィンッ


刀を弾いて、こいしがジャンプしながらフランの顔に向けて刀を振るう。

フランはそれをしゃがんで躱す。

こいしは刀を逆手持ちにして、フランの顔に向けて突きで攻撃する。

フランはそれを刀を使っていなし、ジャンプで木の幹に飛び乗った。


ドンッ!


「ッ!!」


その時、こいしの弾幕が飛んでくる。

フランは、それをギリギリで躱した。


こいしは弾幕を放ち続ける。

フランはそれを全て避けている。

弾幕の煙で辺りが見えなくなってしまったため、フランは木から飛んだ。


「!!」


飛んだ先から、こいしが凄まじいスピードで、刀を構えて飛んできている。


フランも、刀を構えてこいしに突撃していく。


ガキィィンッ!!


二人の剣がぶつかり合う。

その時、こいしの刀にヒビが入る。


「ッ!!」


こいしの刀が折れた。

そして、フランがこいしの腹部に蹴りを入れ、そのまま蹴り飛ばす。


こいしは空中で受け身を取り、水面に着地した。

フランが高速でそこまで移動し、こいしに連続で斬りかかる。


こいしはそれを全て躱し、新しい刀を出してフランに唐竹で斬りかかった。


ガッ


「!!」


フランは刀を上に投げ、こいしの刀を白刃取りで止めた。

そして、そのままこいしの刀を折って、こいしに蹴りを繰り出す。

こいしは両腕を盾にしてそれを防いだ。その衝撃で、少し後ろに下がった。


その直後、フランが正面から刀を持って突撃してきた。


「ぐっ…!」


こいしはその突撃を咄嗟に躱した。

しかし……


「…なっ…!?」


フランの後ろに、もう一人フランがいた。

最初に躱したのは、フォーオブアカインドの分身だった。


ドゴォッ!!


こいしは右手で左側頭部を殴られ、そのまま吹き飛ばされた。

何度か水に叩きつけられながら、何とか止まる。


「……はあっ…!はあっ…!」(くそっ……!流水で弱ってる吸血鬼如きに…!)


「はあっ……はあっ……」(……本気なんだね……こいし……)


−本気で私との繋がりを……断ち切ろうとしてるんだ……。


「……くくくくっ」


こいしが不気味な笑みを浮かべ、ゆっくりと立ち上がった。


「……そろそろ終いにしようよ……フラン…!!」


「……」




挿絵(By みてみん)







「……嫌われ者の……」


こいしの左手に、魔力が集まっていく。


バリバリバリバリバリバリッ


そして、こいしの左手が碧い稲妻で覆われた。


「……禁忌」


フランは右手に刀を持ち、それを逆手持ちにして、魔力を送り込んでいく。


バリバリバリバリバリバリッ


刀から、紅い稲妻が発生する。


こいしは左手を顔の後ろに回し、身を屈めるようにして構えた。


フランも刀を顔の後ろに回し、同じようにして構える。






ドンッ!!


ドンッ!!


少しの静寂の後、二人が同時に凄まじいスピードで突撃していく。


−私は、貴女やお姉様みたいな強くて優しい人になりたいとずっとずっと願っていた。……私は貴女に、憧れていたんだ。

だから私は、貴女の友達として役に立ちたいとずっとずっと思ってた。だから……

貴女がどんなに道を踏み外しても……どんなに絶望を、世界の闇を口にしても……


私が、希望ひかりに連れ戻す!!


「フィロソフィー!!」


「レーヴァテイン!!」


ドオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ……


二人の攻撃がぶつかり合い、辺りには凄まじい衝撃と稲妻が迸っていた。


「ウオオオオオオオオオオオオオオッ!!!」


「うおおおおおおあああッ!!!」


カッ


凄まじい大爆発と共に、辺りを白い光が包んだ。







「……ありがとう、こいし」


「元の世界では、レミリアと仲は良かったんだ。そう、友達みたいに」


「!」


「だから、私にも祈らせて」


「…うん」


こいしは、私が守ってみせる。そして、みんなでまた笑い合うんだ。

戦いが終わったらまた……みんなを連れてここに来るよ。だから待っててね……お姉様。

……こいし……私は……


貴女の事が、大好きよ。






To be continue…


また粗末な物を書いてしまった……。

絵が上達しなぁい!!

目の書き分けはだんだん出来るようになってきたけど!

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