採点
こんな過去があったような
ここは首都の真ん中にある『区市町村』の何とか市。ここに在住15年位の中学生のお話
その日は休日だった。彼の住んでいる家の最寄り駅は各駅しか停まらないが、5分位自転車をこいでひと駅先に行けば特急電車も停まる結構大きな駅がある。中学生の彼はその大きな駅近くにある図書館に向かう所だった。図書館へ行くには駅前広場を通る必要がある。厳密には少々遠回りすれば行けるが、気をつけてゆっくり通れば問題ないのでいつもそこを通過していた。他にも理由がある。広場に噴水があるのでそれを眺めるのも落ち着くのだ。水に気持ちをなごませる《リラックス》作用があるという説が正しそうだと思う瞬間。
その噴水に中学生になるかならないか位の女の子、ショートカットな子に三つ編みアレンジしていた2人程いた。中学生の妹と似たような年齢だから間違いないと思う。それだけだったら特に気も留めずに通り過ぎるはずだった。しかし、その女の子2人がやっている事を口に出しているので良くわかった。通りすがりの男の人を聞こえよがしに得点付けしている!? 彼はくだらない事をしているなと思って通りすぎようと思った。いつからやっているか知ったことではないが、もう一人の女の子はそろそろやめない? と言っているのがわかる。中学生の彼、「う~ん、くだらない採点はされたくないから少し遠回りしようか、でもどうでもいいか」と考えて通り過ぎる事に決めた。
62点とか55点とか30点とか採点しているのがわかる。彼も得点をされるのを覚悟で極力気にしないようにとは思ってはいた。1人の子が40点位? もう1人の子がえ~!? マイナスでしょとかふざけた事を言っているのが耳に届いてきて――
普段性格的に温厚で無口な中学生だったが、さすがに自分の容姿を馬鹿にしすぎだと憤った。彼は自分でも驚きだが中学生に無意識に詰め寄っていた。「ふざけた事を言ってんじゃないか」「自分がかっこいいだなんて言うつもりはないが、平均的または平均より少し下くらいだろ。マイナスはないわ」 言う事を言って少し冷静になり「それにもう1人の子がもうやめようと言っているのわかっていてまだ続けてるとか神経を疑うぞ」「それとも、最初から隣の子は遊んでやっているだけと思っているとか?」「あんたは軽い気持ちでやっているかもしれないが、無駄に厳しい得点付けして言われた人達の気持ちを考えろ」と反論を許さないくらい質問を続けてやったのである。
当然ショートカット少女が冴えない見た目のあんたなんかにという視線を向けてきた。そんな奴には毅然とした態度でいれば良いだけ。
「何か文句でもあるのか? そんなマネをしているあんたも可愛くはないね。むしろ(人間的に)0点じゃね」
「言われてもしょうがないよ。この遊びはやめて別の場所行こう?」
だが、どうやらその少女達のくだらない遊びを快く思っていなかった人々も多かったらしく中学生の方を応援しているような雰囲気が周囲を支配。少女達はいたたまれなくなったのか、または三つ編みお下げっ子の意見を聞き入れたのかで足早にその場を後にしたのであった。
中学生な少年は自分の行動にびっくりである。どんな弱気でも人が嫌がっている人が多そうだと思ったから無意識に行動したのかなと思った。
どうも噴水復活計画が再開発によってあるとかないとか。
噴水のある風景、復活したらいいな~(願望)