今幸せー♪
魔法の才能が、無いかもしれない。
そういわれたのは、ついさっきのことなんだけど。
「め、メリノ…さん?」
「…どうした」
「本気でですか?」
「ああ。本気だ」
まじか。今までの苦労はなんだったんだ。
「まあ、そう気を落とすな。魔法を諦めるのは早ければ早いほどいい。それに、少し無理があるが魔法を上達する方法もある」
「魔法を選びます。そして…ちょこちょこ頑張ります」
「そうか」
ちょこちょこでいいのか……。
即答だけど、反対しないんだ…。
「丁度、5年が過ぎたんだな。あのときから。いまはもう6歳か。あと一年すればひとり立ちか」
「…!?めり、メリノさん…?ひとり立ちって…」
「言ってなかったか?来年私はある用事があるから戻らなきゃいけないんだよ」
「ど、どこに」
「…、家?」
なぜ疑問視。
家って……。
いえって…。
この場所はなんなんだ。
「なあ、ジェーン。私はな、…本当は言わないことにしておこうと思ったんだが言っておくよ。私はあと一年と一週間で死ぬんだ」
「え」
「まあ、理由はたくさんあるんだが、そこは自分で考えてくれ」
「あ、あの」
「だから、お前に全部の力を託してから行こうと思ってな」
「ちょ」
「実は私。――(判定不可能)――なんだ」
え。
え?
…えええええ?
――(判定不可能)――だったのか?
「どうした。驚かないのか?――(判定不可能)――だぞ」
「は。はんていふかのうですか…。そりゃすごい…」
「はんていふかのう?何を言ってるんだ?――(判定不可能)――だ!」
いや、同じだろ。
判定不可能って…なんだよ。
「とりあえず、魔法の練習だな。詠唱短縮が出来ないんだったが、そのまえに基礎となるものは全てやったのか?」
「あ、はい。土、火、水、風、光、闇は一応最低レベルまでやりました」
「…ふむ。やってみせろ」
「はい」
ずいぶんと無理のある切り替えしだな。
まあ、いいか。付き合ってやりゃあしょ。
「世界の元よ、大地の恵みよ、その大いなる力を我に」
ぼわと音がした。
土くれができた。
「世界の文明よ、新しき世紀の魂よ、その大いなる力を我に」
ぼあと音がした。
火の玉が出来た。青い火の玉だ。
これを蒼くする修行だけでも結構かかった。
「世界の源よ、誇りある歌よ、その大いなる力を我に」
びちゃと音がした。
水溜りが出来た。
「…省略…」
「…。終わりか」
「終わりです」
「本当に最低レベルだな。私の知っている限りではお前の歳ではすでにオークタイダーを殺せるほどの威力だったはずだが」
「あのオークタイガーをですか?ていうか、オークタイダーって(笑)」
「……ま、まちがってなんかないぞ!本当は怠惰のオークだったのだ」
「はいはい(可愛い)」
ああ、来年死ぬとか、どうでもいいや。
今が幸せだから。




