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異世界落ちこぼれロボット学科  作者: 左リュウ
第三章 最終決戦編
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エピローグ

 西暦二千五十年。

 ある日、ロボットゲームの全国大会の帰りに少年が行方不明となった。

 その日は深夜になって突如として天候が不安定になり、全国的な大雨が合った日だった。


 一週間が経ち、その少年は発見された。


 なんとも奇妙な事に、とある離島の山奥で、鋼鉄の巨人と思われる物体の残骸の中から見知らぬ少女と共に発見された。

 その後はなしを聞いてみても何も覚えていないという。

 この謎のロボットの残骸から子供が発見されるという事例は数日前の物と合わせると二件目で、政府はこの事実を隠ぺいした。同時に、その残骸も二機とも改修された。

 その少年少女たちは怪我があったものの、大したものではなかった。

 少年と共に見つかった少女と、別件で発見された少女は一足早く退院しているという。


 □□□


 窓の外に広がっているのは見知った学園でもなく、格納庫でもなく、鋼鉄の巨人でもなく、城でもなく、中世ヨーロッパ風の世界でもなく、高層ビルの群れだった。

 風が入ってくるものの、あの世界とは空気が違うのが感じられる。

 真っ白な病室の個室。その中でノック音が響き渡ったのでそれに天野健太郎は答えた。


「どうぞ」

「......けんたろー?」


 入ってきたのは銀色の長い髪を揺らしながら少年の元に近づく少女の姿だった。服装はすっかりこの世界の住人そのもので見知った制服姿ではなかった。

 この少女は政府のとある機関に保護されて、現在はその保護下にあり、衣食住も不便はしていないらしい。


「お見舞い」

「ん。ありがと。そっちももういいのか?」

「うん。平気。けんたろーは?」

「俺も平気だよ。平気」


 風が再び入り込んできた少女の綺麗な髪が揺れる。

 少年が悲しげな眼で少女に語りかける。


「ここが、俺のいた世界だよ」

「......うん。ここが、けんたろーのいた世界なんだね」

「......ごめん。巻き込む形になっちゃって」


 少年の言葉に少女は首を横にふる。


「ううん。元々わたしが巻き込んでいた。それに、わたしは大丈夫。けんたろーがいるから」

「......そう、か」

「それに、この世界も面白そう」

「面白そうって......相変わらずだな、ディオーネは。これからどうなるかもわからいってのに」

「そうだね。でも大丈夫。けんたろーがいてくれるから」

 自然と二人は手を握り合っていた。

 そして、少年と少女の唇が重なった。

「約束したから。最後まで一緒にいるって」

「そうだな。だから、これからも一緒だ」


 ――――たとえ、どんなことがあっても。


 ――――少年と少女は共に道を歩み続ける。


 ――――最後まで、一緒に。



ラストが駆け足気味になったけどこれにて完結。


ここまで読んでくださった方々、本当にありがとうございました!



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