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異世界落ちこぼれロボット学科  作者: 左リュウ
第二章 太陽祭編
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第八話 隠し武装を積みまくったロボットの格好よさは異常

遅くなって申し訳ありません。



これには深い事情があるんです......。



俺が悪いんじゃない......Gジェネが......Gジェネが発売したのが悪いんだ! 



決してGジェネをやりまくってGファルコンDXでヒャッハーしてた俺が悪いんじゃない!



くそっ! Gジェネめ! Gユニットまで参戦させてくれやがって! こんなの喜んでPXするしかないじゃないか!


鋼鉄の七人の機体もガッツリ参戦させやがって! どうしてくれるんだ!





だが何故AGEはあんなにも扱いが酷いんだ。せめてAGE-FXぐらいはゲスト参戦でいいから入れてやれよ......


フリット編だけにしろデスペラードとイワークさんをハブったバンナムを俺は絶対に許さない。



 バイクというこの世界にはない世界の技術を使ったMCD強化ユニットの効果は予想以上の物だった。スタート前は落ちこぼれという印象の方が強く、そういった方が有名な第零科がスタートと同時にトップに躍り出た瞬間、第零科の《オリオン・ベテルギウス》はまさにダークホースとなった。

 この第一予選のレースでは規定距離まで武装を使ってはならないことになっている。これはスタート付近でトラブルを避け、直前までスタート付近にいる技術スタッフ達の安全を確保する為だ。


「規定ライン通過。ここからは気をつけて」

「了解」


 まだ後続は追い付いていない。荒野を抜け、先日エルナと出会った森林エリアにへと突入する。

 この第一予選を勝ち抜けるのは五機まで。つまりこのままトップを走り抜ければ予選は楽々一位で通過出来るが――――、


「後方からエネルギー反応。......くる」


 そう簡単にはいかなかった。

 機体を右に剃らし、背後から放たれたエネルギーの矢をかわす。トップに躍り出たはずの《オリオン・ベテルギウス》を追撃するかのように複数の機体が加速しながら迫ってくる。

 攻撃を放ったのはその内の一機のようで、背中にはコンテナのようなランドセルを装備しており、腰部には何かの装備や、左右の肩と首の間の部分には銃口のような物が顔を覗かせている。

 手には追加パーツによる改良でライフルと化し小型の銃剣を持っており、何より目を見張るのは――――、浮いていた。


 MCDは飛ぶことは不可能ではない。だがそれはあくまでもジャンプの延長線上のような物でしかなく、多少浮き続ける事は出来ても長時間は基本的には不可能だ。

 最近ではフライトユニットを持つ機体も国王軍にも存在するが、その数や種類は限られている。故に、この言うなればこのアマチュアの大会でフライトユニットを持った機体を見ることは珍しい。


「フライトユニット!? まさか国王軍以外の機体で存在していたなんて!?」

「......あの背中のコンテナのような物がフライトユニット、かもしれない。それに魔力以外にも別の方法で加速力を生み出している......」

「それで、簡単に言うと?」

「......かなり速い」

「ですよねぇ」


 実際、ディオーネがその正体を看破出来なかったコンテナランドセルの正体は、圧力装置である。このフライトユニットを搭載した機体、《カシオペヤ・シェダル》は、通常のスラスターに加えて、背中の圧力装置によって圧縮空気を噴射し、機動力を強化した機体であり、その応用として飛行すらも可能にしたのだ。

 コックピット内に再び警告音が鳴り響く。ディオーネのアシストを受けた健太郎は機体を右に傾ける。すぐ左を通りすぎた閃光は、《オリオン・ベテルギウス》の前方で――――爆発した。


「ッ!?」


 距離が近かった為に爆風に煽られて機体が大きく傾く。転倒は免れたが、その代わりに大きく後退し、速度を落としてしまった。


「な、んて計算された攻撃なんだ......!」


 速度を落としてしまった代償として、後方の機体郡が大きく追い縋ってくる。


「くっ......!」

「焦らないで。大丈夫」

「ッ......。ああ」


 気を取り直し、改めて速度を維持、そしてスピードアップを心掛ける。だが、後方からの機体の射撃攻撃が徐々に激しくなってきた。辺りが爆発に包まれる。しかしそれでも、ディオーネのサポートのお陰もあって何とか避けきる。


「こうなったら......!」


 瞬間、健太郎は機体を横に半回転させ、後方の機体と対峙する。しかし実質的にこれは後ろ走りをしていることになる。制御の大部分を健太郎が占めている分、これはほぼ無謀という他ない行動だ。たが、それでも不思議と健太郎の心は落ち着いていた。冷静に制御を維持し、そして《オリオン・ベテルギウス》のリボルバーガンで狙いを定める。


「......そこだっ!」


 轟音と共にリボルバーガンから銃弾が放たれる。次の瞬間には銃弾が追い縋ってきていた機体の内の一機の腕部を貫いていた。更に貫通した銃弾はその後方にいた機体の頭部をも撃ち抜く。それぞれの部位を撃ち抜かれた二機はバランスを崩し、地面を転倒しながらリタイアする事となった。


「なっ......!」


 後続のパイロット達が息をのむ。その表情は驚愕を露にしていた。


「馬鹿な、一撃で二機のMCDを......!?」

「あのスピードで後ろ向きに走るだけではなく、的確な射撃まで......!」

「な、なんだアイツは!?」


 この一撃。たった一撃だけで、追撃するように走る大半の参加者に多大なる警戒心を与えた。それだけではない。この様子を見ていた多くの人々が、今の健太郎とディオーネの披露した高等技術に驚きを隠せないでいた。

 だが、参加者は警戒心を抱くだけの者だけではなかった。すかさず機体の射撃武器で攻撃に移る。

 このレースという予選の性質上、自然と実弾系武器は避けられる。実弾は積むだけでそれが重さとなり、スピードを落とす要因となる。故に、《オリオン・ベテルギウス》や先程のフライトユニットを装備していた機体、《カシオペヤ・シェダル》のように実弾を積んでいる方が珍しい。

 そうなると、武器は限られてくる。

 即ち、実弾を使用しない銃――――魔導銃だ。

 後続の機体の内の一機が魔導銃からエネルギーの矢を放つ。それに合わせて、カウンターで健太郎もリボルバーガンから銃弾......実体弾を放った。

 直後に、エネルギーの矢と銃弾が激突する。

 本来ならばエネルギーに焼かれ、実体弾である銃弾は消滅する。だが、リボルバーガンから放たれた銃弾は消滅せず、それどころか魔導銃から放たれたエネルギーを削り、直進を続けている。

 やがてエネルギーの矢を突き破り、リボルバーガンから放たれた銃弾は相手の魔導銃を破壊した。

 リボルバーガンに装填されている銃弾は、《古代魔力融合炉エンシェント・マナドライヴ》内に記録されていた技術の一つである《アンチ・エネルギー・コーティング》と呼ばれる処理が施されており、魔導銃などのエネルギー系攻撃に対する耐性を持っている。故に、今のようなエネルギー系攻撃と激突した場合にはそれを突き破る事が可能だ。

 ただし、エネルギー系攻撃に対するカウンター攻撃は相手の攻撃に対して的確にカウンターを合わせなければならないので、難易度はかなり高い。

 それこそ、国王軍エース級並の技量が求められる。


「馬鹿な!? 何故......ッ!?」

「あいにく、こっちはそんじょそこらの実体弾とは違うんだよ!」


 リボルバーガンの残弾は四発。そして健太郎は、次弾を放つ。それは的確に魔導銃を撃ってきたMCDの機体に直撃し、バランスを崩した機体は転倒しながら地面に叩きつけられていく。

 第一予選突破人数は五機。

 参加機体は十一機。

 健太郎とディオーネの駆る《オリオン・ベテルギウス》はそれらの内三機をレース開始五分も経たない内に撃墜してしまった。

 たった一機がここまでしたことは今までの太陽祭の長い歴史の中でも起こった事がない。基本的にアマチュアの大会にこんなことは滅多に起こる物ではない。

 第一予選参加機体数は残り八機。

 第一予選通過数は五機までと決められているので、八機の内、あと三機リタイアすれば予選通過となる。

 その後しばらくは、牽制攻撃だけが続いた。どの機体も大きく動かず、ひたすら牽制に徹した。恐らく狙い目はレースの終盤。ゴール付近で一気に勝負を仕掛ける気なのだろう。

 そしてレース終盤。

 ゴール付近。


 ――――先に動いたのは、《カシオペヤ・シェダル》だった。


 背中に積んであるコンテナから爆発的な推進力が突如として生まれた。同時に機体は《オリオン・ベテルギウス》を一気に抜き去り、僅かにリードする。


「......!?」


 恐らくこれはレース終盤にのみ使える物だ。目に見えて背中のフライトユニットに負荷が掛かっていたし、この中でも最高速を誇る《オリオン・ベテルギウス》を一気に抜き去る事が出来る程の加速力を持っていたのなら既に使っているはずだ。

 この爆発的な加速も、もうあまり保たない。

 《カシオペヤ・シェダル》のパイロット、ギル・ノーランはただ静かに背後の機体郡を見据え、そして呟いた。


「戦いに常に必要な物は情報だ。情報こそが最強の兵器。だが兵器はただ持つだけでは威力を発揮しない。使いこなせてこそ効力を発揮する」


 そしてギルは、《カシオペヤ・シェダル》の腰後部にある筒の形をした武装を起動させる。筒の形をした武装から、黒い煙のような物が噴き出してくる。それは途端に後方にいる七機の視界を覆ってしまう。その煙幕は極端に暗く、魔法技術を応用しているのか周囲が真っ暗になり、暗闇しかそこにはなかった。


「こ、れは......! 煙幕か!?」


 視界が封じられた。

 機体内のデータにはコースまでの道は設定してある。しかしこの場合問題なのは、前方にいる《カシオペヤ・シェダル》からの攻撃。この煙幕は一刻も早く取り払うべきだ。


「このっ!」


 健太郎は《オリオン・ベテルギウス》のリボルバーガンを放つ。その強大な威力をもつ銃弾は一撃で極端に暗い煙幕を凪ぎ払う。

 そしてその目の前にいたのは――――、ゴールに背を向け、胸部に搭載されている銃口のような物を七機の機体に向けている《カシオペヤ・シェダル》の姿だった。


「なっ――――、」

「そう。その銃から放たれる銃弾は極端に威力が高い。その銃弾ならば煙幕を凪ぎ払う事が可能だ」


 そして、ギルはトリガーをひく。


「――――情報は揃った」


 その瞬間、《カシオペヤ・シェダル》の胸部にある銃口から、何かが放たれた。何か、としか分からなかった。何故ならば次の瞬間にはその何かが眩いばかりの光を放ち、健太郎達の視界が遮られたからだ。


「しまっ――――!?」


 先程まで極端に暗い煙幕の中におり、直後にこの閃光を受けてしまった為に視界が完全に封じられてしまった。


「くっ、そぉ......!」


 目の前が眩しくて目が開かない。目の前が闇に覆われている。何も、見えない。


「――――けんたろー」

「ッ! ディオーネ!?」

「私は見えるよ」

「無事だったのか!?」

「うん。閃光が来る前に目を保護する魔法を使ったから。けんたろー、私が機体の動きを指示をして誘導するから従って」

「分かった......!」

「まずは機体を反転。その後、リボルバーガンを起動」


 健太郎はディオーネの指示を受けて、機体を反転させた後に何も見えないままリボルバーガンを起動させ、その照準を合わせる。

 同時にその後、ディオーネから指示されたポイントに向けて、銃口を合わせる。何も見えず、眼を閉じたまま、健太郎は自分の勘と技術とディオーネを信じて銃弾を放つ。

 リボルバーガンから放たれた銃弾は空気を切り裂き、後方の機体の内、一機の左腕を撃ち抜いた。そして射角の関係で撃ち抜かれていた機体と競り合っていた機体の右腕をも撃ち抜く。だが、まだそれだけでは終わらなかった。完璧に計算されつくした銃弾の軌道は、そのままギリギリ最後尾にいた機体の頭部をも――――貫いた。

 《二機同時撃墜ダブルデリート》を超える、最高クラスの難易度を誇る超エース級高等技術。


 ――――《三機同時撃墜トリプルデリート》。


 健太郎とディオーネはこの高等技術をあろうことか目を閉じたまま成功させた。

 この高等技術に街中の人間が歓声を上げた。これは過去の太陽祭でも盛り上がり所は色々とあったが、第一予選からこれほど魅せてくれる事など一度もなかった。


「......!」


 この高等技術にはさすがのギルも唖然とする。まさか閃光弾を放った直後。視界も悪いにも関わらず《三機同時撃墜トリプルデリート》を成功させてしまうことなど想像にもしなかった。


「隙が出来た」

「――――!」


 ディオーネの魔法によって視界を回復した健太郎は前方の《カシオペヤ・シェダル》に向けて腕のワイヤーアンカーを射出する。何とかコンテナに張り付いたワイヤーアンカーを機体の力の許す限りの力で引っ張る。


「ッ!? 何、を!?」

「悪いがこっちはまだ、一位を諦めたわけじゃない!」


 《オリオン・ベテルギウス》のパワーにより引っ張られた《カシオペヤ・シェダル》はバランスを崩しながら大きく後退し、《オリオン・ベテルギウス》との距離はそう大差がなくなった。他の機体に比べて抜き出ている二機は既にゴールもすぐそこだ。


「くっ......!」

「これで決まりだッ!」


 瞬間。

 《オリオン・ベテルギウス》は《シュトルム/トルンプフ》から跳躍した。そのまま《カシオペヤ・シェダル》の背中のコンテナを踏みつけ、そこを足場にして再び大きく跳躍する。跳躍した《オリオン・ベテルギウス》はそのままゴールラインを横切り、晴れて一位でゴールした。


 そのゴール前の攻防を制した《オリオン・ベテルギウス》が一位となった事で街中は大きくどよめき、同時に大歓声をダークホースの機体にあげた。


「おい、一体何なんだよあの機体は!?」

「今まで見たこともない物だったが......」

「そんなことはどうでもいいって! 《二機同時撃墜ダブルデリート》どころか《三機同時撃墜トリプルデリート》を成功させやがったぞ!?」

「おい、あれは何処の機体だ!」

「確か......学生の所じゃなかったか!?」

「学生!? 馬鹿いうな。あんな超高等技術を学生が出来るわけないだろ!?」

「マジだって! 大会参加機体一覧には確かに学園所属の学生だって書いてあるぞ!」


「あの機体の所属は......オメテオトル魔導学園高等部第零MCD科?」


 この日、第零科の名は街中には留まらず、国中を駆け巡る事になった。





バンナム様、次のGジェネには黒ガンダムXとダークハウンドとデスペラードとゴースト参戦をお願いします^^


もし黒ガンダムXとダークハウンドとデスペラードとゴーストをGジェネとエクバに参戦させてくれたらもうバンナム様に一生ついていく。


それにしてもコーラさんエクバ参戦はよ!








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