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開いた手と、空っぽ

作者: マーク
掲載日:2026/05/20

太陽を掴んでみたくて。

それに手を伸ばして、閉じて開いてを繰り返した。


見えなくなって、掴んだ気になって。

手を開いて、解放してやった。


私は何が出来るんだろう。

ずっと、ずっと、今も、考えている。


いつの日か。


あぁ、そうか。

これぐらいしか出来ないのかと、気付いたんだっけ。


心臓の鼓動が聞こえる。

私は生かされている。


言葉が浮かぶ。

私は考えさせられている。


花火を見上げる。

私は見たいと思わされている。


半端な所だけ、私が出来るのは、それだけ。


ムカツクから、死んでやろうかと思ったこともある。というか、今も別に思っている。


でも。


私はまだ、引き裂いている。

全部、受動を。


半端でぶち壊してやろうと、意気込んでいる。

細胞の集まりに、細胞の集まりで。


親に反抗する子どもみたいに、幼稚なことだけど。

それはきっと、必要なことでしょ?


魂について、考えたことがある。


それはきっと、私たちの概念では説明がつかないことで、それが存在していてもしなくても、私たちに影響はない。


黄泉の国について、考えたことがある。


あるなら、さっさっと死ねばいいのにと。


結局。

全部全部、無関係のどうでもいいことだ。


この世においては。


諦めから来るものに過ぎないのかもしれない。

半端なもので出来る、抵抗なのかもしれない。


そこに私は、綺麗さを感じることがある。


滑稽に願い、手を伸ばして、掴めなくて、手を握る。気付いて、手を開く。


そんなことの繰り返し。


解決はせず、いつか問題を忘れていく。


問題だと感じなくなっていく。





悩みが心から溢れ始めたのは確か、小学三年生のころだったと思う。


なにか失敗したり、言うことを聞かなかったり、普通から外れると毎回、私がどれだけ恵まれているのか講釈垂れる人がいる。


腕が2本あって、目が2つあって、足が2本あって、生まれたときから犯罪を強制されなくて、ご飯が食べられて。


命の危険がなくて。

私は恵まれているらしい。


私の不安や不満、不幸などは、それに比べたら小さなことらしい。


恵まれているのだから、それに感謝しないといけないらしい。

恵まれているのに、私はなにも出来ないらしい。


悪いのは私らしい。


私は頑張っていないらしい。


私は普通じゃないらしい。


私は幼稚園の子どもが出来ることができないらしい。


私は、生まれてきたくなかった。


自ら生まれてくることを願ったわけでもないのに、なぜみんなは頑張れるのだろう。


それとも、頑張らなくても私よりすごいのか?


そんなことを、ずっとずっと考えていた。


いつになっても、解決はしなかった。


どれだけ嘆いても、出来ないことが出来るようになるわけじゃない。


周りから見て私は、何も頑張っていないように見えたんだろう。


ストレスを貯めない人だなんて言われたこともある。


そりゃ、毎日学校を休んだり遅刻したりしていれば、そうなるだろう。


でも、あるとき、気づいた。


何も頑張っていないけど、歳を取ったら、出来るようになっていた。


あんなに頑張ってもできなかった私は、どこに行ったんだろう。


出来ないからとあきらめて、怒られて、泣いて、逃げ出して。


そんな私は、いつの間にかいなくなっていた。


あぁ、あの頃の傷だらけの自分が、自分を置いてどこかへ消えていってしまう。


怖かった。


私も、そうなるのが。


そういえば、この世から消えたいという思いは、今でも変わらない。


なんとなく、その事実に安心している私がいた。

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― 新着の感想 ―
訴えが静かに刺さります。 主張がすっと入ってくる。 そんな思いを感じました。
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