表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
9/40

新たな旅立ち

木刀での訓練を終えたあと、

ポルは息を整えながら言った。


「……よし。

 次は武器だな」


アッシュは頷いた。


「この村に……武器屋なんてあるのか?」


ポルは肩をすくめた。


「“武器屋”ってほどのもんじゃねぇけどな。

 フロストレーンの鍛冶屋は、最低限のもんは作れる」


アッシュは胸の奥の火を感じながら歩き出した。


(……今の俺に、どんな武器が扱える……?)



鍛冶屋は雪に埋もれた木造の小屋だった。

中では、白髪の老人が炉に薪をくべている。


「おう、ポル坊か。

 珍しい客だな」


ポルはアッシュを指した。


「こいつに武器を頼みたい。

 ……軽いやつだ」


老人はアッシュを見て、

その白い髪と痩せた体を一瞥した。


「……なるほどな。

 身体が戻ってねぇ。

 重いもんは無理だろう」


アッシュは静かに頷いた。


「……頼む」


老人は棚から剣を取り出した。


「軽量のショートソード。

 扱いやすいし、反応が鈍ってても振れる」


アッシュは手に取った。


軽い。

だが、芯がある。


(……今の俺には……これが限界か)


悔しさが胸に広がる。

だが、アッシュは静かに頷いた。


「……これをもらう」


ポルは横で満足げに頷いた。


「いい判断だ。

 今のお前に必要なのは“振れる武器”だ」


「俺はこれがある。

 現役の頃からの相棒だ」


アッシュは目を細めた。


「……まだ持っていたのか」


「当たり前だろ。

 俺の誇りだ」


ポルは両刃剣を軽く振る。


老人が笑った。


「よくそんな扱いづらい武器を使うのはお前さんぐらいだよ」


店を出ると、

雪が静かに降り始めていた。


「よし。

 これでイシュヴァルまでは持つ。

 あっちは大国だ。

 武器も防具も、もっといいのが揃う」


アッシュは白い髪を揺らしながら言った。


「……俺はもう“ソウルベアラー”じゃない。

 でも……」


ポルは笑った。


「“戦士”には戻れるさ。

 ゆっくりでいい。

 炎も、身体も、全部育て直せばいい」


アッシュは静かに頷いた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ