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語られた腐敗

翌朝、ギルドに向かうと、受付嬢がギルドマスター室に案内した。

中に入るとバルドーグが座っていた。

前の机には大きな袋が三つ用意されていた。


「これが報酬だ」


ポルが袋を持ち上げ、目を見開く。


「お、おい……重すぎるだろ……!」


レーネも驚く。


「金貨……何百枚あるんですか……?」


バルドーグが笑う。


「Sランク依頼だ。

 それに、鉱山の封鎖が解けた価値は計り知れん」


アッシュは静かに袋を受け取った。


バルドーグは三人のギルドカードを机に並べた。


「それと……お前ら三人のランクを上げる」


ポルが驚く。


「え、俺はDのままでいいんだが……」


「うるせぇ。

 お前らはSランク依頼をこなしたんだ。

 ギルドマスター特権で――」


バルドーグはカードに刻印を押した。


「――今日からBランクだ」


レーネが目を丸くする。


「わ、私も……?

 そもそも登録すらしていませんが……」


「昨日登録しておいた。

 お前も立派な冒険者だ」


レーネは顔を赤くして俯いた。


ポルがふと真顔になり、バルドーグに尋ねた。


「……なあ、バルドーグさん。

 なんで軍を辞めたんだ?」


室内の空気が少しだけ重くなる。


バルドーグは長い髭を撫で、ゆっくりと語り始めた。


「今の王は……二十年前に魔王を倒した勇者パーティ〈五光の勇団〉の一人、ドルガン=ハンマードだ」


ポルが驚く。


「勇者パーティのか?」


バルドーグは頷く。


「ドワルガンは力を重んじる国だ。

 英雄が王になるのは当然の流れだった」


だが、とバルドーグは続ける。


「ドルガンは……金に走った。

 魔導兵器などの工学を縮小し、

 国の力を支えていた技術者たちを切り捨てた」


ポルが眉をひそめる。


「工学を……?」


「ああ。

 その代わりに商会を優遇し、

 国の資金を自分の贅沢と……帝国への横流しに使った」


アッシュの目が鋭くなる。


「帝国に……?」


バルドーグは静かに頷いた。


「俺は……それが耐えられなかった。

 軍に残れば、腐った命令に従うしかない。

 だから辞めた。

 そして――冒険者を守るためにギルドマスターになった」


レーネが小さく呟く。


「……そんなことが……」


バルドーグは三人を見つめた。


「お前らが来てくれて……本当に助かった。

 この国の軍事力はしれてるし

 高ランクの冒険者もしばらく滞在してなかった」


アッシュは静かに頷いた。


「……力になれてよかった」


ギルドでバルドーグに挨拶を済ませた三人は、街路へと出た。

石畳は朝日を反射して明るく、行き交う人々の声もどこか軽やかだ。


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