灼熱の鉱山と土竜の影
封鎖された柵を越え、三人とガンリックは鉱山の入口へと進んだ。
洞窟の口は黒く焦げ、まるで炎が噴き出した跡のように岩肌が割れている。
レーネが眉を寄せる。
「……熱い。外よりずっと……」
アッシュは洞窟の奥に視線を向けた。
「普通の鉱山じゃない。
魔物が巣食っている証拠だ」
ポルが汗を拭う。
「まるで炉の中に入っていくみたいだな……」
四人は慎重に足を踏み入れた。
洞窟の中は、まるで炎の息吹が吹きつけるような熱さだった。
岩壁は赤く染まり、ところどころ溶けた跡すらある。
ガンリックが息を呑む。
「……こんな温度、普通じゃありません。
ヒートストーンの熱では説明できない……」
アッシュは剣に手をかけた。
「原因は奥にいる。
……来るぞ」
洞窟の奥から、赤い光が揺れた。
次の瞬間、炎を纏った獣が飛び出してくる。
「グルァァァァッ!!」
ポルが前に出て剣を構える。
「フレイムビーストか!
こいつらが鉱山を占拠してるってわけか!」
レーネが氷の大楯を展開する。
「アイス・ウォール!」
炎魔獣の突進を氷壁が受け止め、蒸気が爆ぜた。
アッシュはその隙に踏み込み、ショートソードを振る。
「――ッ!」
炎魔獣の首が一閃で落ちる。
だが、すぐに別の個体が現れた。
「まだ来るぞ!」
三人は連携しながら、次々と迫る炎魔獣を倒していく。
洞窟の奥へ進むほど、熱気は増し、魔物の数も増えていった。
ガンリックは震える声で言う。
「……こんな数、聞いていません……!」
アッシュは短く答える。
「最深部に“親玉”がいる。
そいつが熱源だ」
洞窟の奥へ進むと、空気がさらに重くなった。
熱気はまるで肌を焼くようで、呼吸すら苦しい。
レーネが額の汗を拭う。
「……魔力の流れが……乱れすぎています……」
ポルが剣を握り直す。
「ここが……最深部か」
巨大な空洞に出た瞬間――
地面が揺れた。
「……ッ!?」
アッシュが前に出る。
「来るぞ!」
岩壁が崩れ、巨大な影が姿を現した。
巨大土竜
それは、山ほどの体躯を持つ巨大な土竜だった。
全身が赤熱し、口からは溶岩のような熱気が漏れている。
ガンリックが叫ぶ。
「……あれは……グランドモール!?
鉱石を食べて巨大化する土竜です!」
土竜は咆哮し、地面が震えた。
「グォォォォォォッ!!」
アッシュは剣を構え、静かに言った。
「――倒すしかない」
ポルが笑う。
「だよな!」
レーネが魔力を高める。
「準備はできています!」
巨大土竜が突進してくる。
灼熱の最深部で、四人の戦いが始まった。




