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血の匂いが導いた救出

朝の冷気がまだ残る森の道を、三人は西へ向かって歩いていた。

ドワルガンまではまだ距離がある。

そのとき――アッシュがふと足を止めた。


「……血の匂いがする」


レーネが目を見開く。


「えっ……?」


ポルが両刃剣に手をかける。


「行くぞ!」


三人は森の奥へ駆け出した。



開けた場所に出ると、

荷馬車が横転し、行商人たちがファングウルフの群れに囲まれていた。


馬は怯えて暴れ、荷車は動かせない。


若い護衛が震える声で叫ぶ。


「ガルド様、下がってください! 俺たちが食い止めます!」


白髪混じりの髪を後ろに撫でつけ、

落ち着いた表情を保ちながらも、動けずにいる。


「……ここまでか......」


ポルが叫ぶ。


「間に合うぞ、レーネ!」


レーネが一歩前に出る。


「アイス・ウォール!」


巨大な魔法陣が浮かび、

氷の大楯が“壁”のように展開して馬車と行商人たちを囲む。


行商人に飛びかかっていたファングウルフの爪が

氷の大楯に弾かれ、火花が散る



ポルが目を見開く。


「レーネ!よくやった!」


レーネは振り返らず、声だけを飛ばす。


「アッシュ殿!お願いします!」


アッシュの手のひらに、

**直径50センチのファイアボールが生まれる。


黒みを帯びた炎が、内部で獣のように唸る。


ポルが息を呑む。


「以前よりもでかい……!」


アッシュは低く呟く。


「……くらえ」


ファイアボールが放たれ、

牙狼の群れの中心で炸裂する。


ファングウルフたちが一瞬で灰となり崩れ落ちた。


レーネが目を見開いて驚く。


「すごい火力ですね......」


ポルが小さく呟く。


「記憶に触れたことでこれだけの魔力を取り戻したのか?」


直撃をまぬがれたファングウルフ数匹は

戦意損失し方向も定まらぬまま駆け出した。



ガルドが深く頭を下げる。


「あなた方は命の恩人だ……。

 私はガルドと申します。

 行商団を率いております」


ポルが答える。


「無事でよかった。俺たちは西のドワルガンへ向かっている」


ガルドは穏やかに微笑む。


「それは奇遇ですな。

 我々もドワルガンに仕入れに向かうところでした。

 よろしければ、馬車にお乗りください。

 あなた方とご一緒出来るならこんなに心強いことはありません」


レーネが嬉しそうに振り返る。


「アッシュ殿! これで移動が楽になりますよ!」


アッシュは短く頷く。


「……助かる」


馬車に乗り込む三人。


レーネが笑顔で馬車の前に座る。


「さあ、西へ向かいましょう!」


馬車が動き出し、

三人の旅は本格的に始まる。

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