終章
(ここは……どこだ?)
混濁する記憶の中で、智之はそう思った。
ここはどこだ。俺は何故、ここにいる。
(どこに向かっているんだ? 俺の意識は――)
唐突に視界が開けた。
彼は今、20歳の若き姿で、病室にたたずんでいた。
横のベッドには、動かなくなった親友の姿がある。
(徹……逝ったのか)
智之は、確かめるように冷たくなった体に触れた。
(おかしいな。こんなにもお前がくたばる日を待っていたというのに)
呪いに負けて、弱い自分をさらけだして、彼が死ぬ。
きっとそれを見れば、自分は彼よりはるかに強く、彼に勝る存在であるという確信が得られるはず。
ずっとそう思い、密かにかつて親友とした男の最後を待っていたというのに。
いざそうなっても、一人のライバルを負かしたという勝利の余韻は得られなかった。
何故、魔力も家柄も遥かに劣る、こんな男を意識し続けたのかわからない。
それは中学のときに、あの精霊が最後まで自分に心を許さなかったという、ただ一点に端を発していた。
本当は嫉妬し、醜く彼を憎んでいたのは自分だったのだと、今更ながらに智之は思う。
最後に親友が見せている安らかな顔が、更に彼を戸惑わせた。
(なんだってこいつは、こんなに満足そうにしてやがるんだ)
考えても考えてもわからない。
すべてに絶望し、自分を呪って嫌悪したあげく苦しんで逝ったはずなのに、この仏のような表情はなんなのだろう。
いずれにしても徹は彼が予想していたような苦しみの気持ちではなく、すべてに満足して眠りについたようだ。
(俺は、またこいつに勝てなかったのか)
そんな不安が智之に付きまとう。
彼の持つ自信が崩れ去ろうとしていた。
徹と精霊の絆など簡単に断ち切れるものだと思っていた。
二人の力など微々たるもので、自分がちょっと力を振るえば、すぐ彼女を手に入れられると思っていた。
そして実行した結果、見事に智之はあの精霊の主人となったのだ。
だが結局思ったより強い徹の想い(呪い)によって阻まれ、あのティアを完全に自分の所有精霊にしたという感覚が智之にはない。
それが悔しくてしょうがなかったのだと、智之は認めざるを得なかった。
(完全にガキのケンカだな)
若い頃だから出来る、感情も野心もむき出しのぶつけ合い。
譲ることも譲られることも我慢出来ない、そんなエネルギーに満ちた時だからこそ出来た事だ。
(でも最後に立っていた方が勝者なんだよ、徹)
智之は薄く微笑んで、親友から目をそらす。
(そうだ。俺は今、生きている。こいつは死んで……俺はやはりこいつに勝ったはずだ。徹は生きることも出来ず、自ら敗北者となってくたばったんじゃないか。何をそんなに不安になることがある)
窓の外を見下ろしながら、彼は一生懸命自分に言い聞かせた。
自分は勝てなかったのではないかという一抹の不安を消すように、彼は思い込みで記憶を塗りつぶす。
(そうだ、俺は勝者だ……)
「ん……」
うっすらと目を開けた智之の視界に、ぼんやりと白い天井が写った。
(ここは……保健室?)
自分は一体どうしたというのか。
智之は急に意識がはっきりして、がばっと起き上がった。
「町田先生、大丈夫ですか」
「君は……」
「生徒会会計 森崎直樹です」
「僕はどうしたんだ?」
まだ定かでない記憶を探る智之に、黒眼鏡が淡々と説明する。
「先生は図書室で倒れたんです。後野さんを一緒に連れていったでしょう?」
覚えてませんか、とつぶやかれ、智之は、そうだったかもしれない、と思い出した。
(そうだ、何か光が突然走って……俺は)
そこから先の記憶は、すべて飛んでいる。
おそらくまぶしい光を浴びて、意識を手放したに違いない。
「後野はどうしてる?」
「後野さんは無事ですよ。突然先生が倒れて、彼女はあわてて助けを呼びに走ったんです。丁度俺達生徒会が残った業務を片付けるために校内に残っていたのが幸いでした」
「そうか。世話になったな」
「いいえ、それとあの精霊ですが、突然消えました」
「消えた?」
智之は驚く。
「ティアが消えた? まさか」
「ほう、先生は、あの精霊の名前までご存知なんですね」
にやりと意味深に笑む直樹につっこまれ、はっと智之は口を押さえた。
「い、いや、後野に聞いたんだ」
「そうですか。あの精霊の少女が最後に奇跡でも起こしたんでしょう。暴走するかと思ったら、光を放って忽然と消えました。こちらの調べでは、どうやら最後の力を振り絞って過去に飛んだようですよ」
「過去?」
「過去に、会いたい人でもいたんでしょうかね」
ふうっと息をつくと、直樹は立ち上がる。
では俺はこれで、と彼は背を向け、保健室を出て行った。
――過去に会いたい人でもいたんでしょうかね。
彼の最後の言葉に、智之は胸を押さえる。
(ティア、あいつは)
徹のあの幸せそうな最後の笑顔。
あれは――あの表情を彼が浮かべたのは、きっと――。
笑いが、体中からこみ上げてきた。
(ふふふっ……俺は結局勝てなかったのか)
あの二人の絆に。
想いの強さに。
最後の最後で二人は想いを交し合い、共に永遠の世界へと旅立っていった。
そして自分は結局何をしても、彼女の心を得ることは出来なかった。
徹に対して優越感を感じてきたが、最後で逆転されたのだ。
(くっくっくっ……馬鹿みたいだな。俺は一体今まで何をしていたんだか)
自分で自分を嘲笑しながら智之は俯き、低い嗚咽を漏らした。
ティアが消えてから、一夜が明けた。
いつものごとくの変わらぬ一日が過ぎる。
放課後、生徒会室では皆が集まって、反省会のような雑談のような集まりを持っていた。
「一応、良かったんじゃないか」
「めでたしめでたしですよね」
「あの図書室の奥の壁は『奇跡の壁』と命名されるそうだ。なんでもあそこで最後まであきらめずに想いを遂げた精霊にあやかってだな、あの壁に触れながら想いを唱えると、それが成就するという言い伝えが出来ることになった」
「ていうか、そのいかにも作ったような伝説、直樹先輩の作じゃないんですか」
「……英司、お前には神経を静める美味しいお茶を一杯」
「わわわわっ、い、いかにもそれらしくて素晴らしい伝説ですよねっ、雅人先輩」
「そ、そうだね、なんてロマンティックな伝説だろう。ああ、僕もあんな可愛いけなげな精霊に魂をかけて愛されたいものだよ」
「だったらお前も探して契約すればいいだろうが」
ぶすっとしながら帝がつぶやく。
「それはそうかも。雅人先輩の容姿と実力なら、直樹先輩に負けないくらい可憐で清楚な精霊の一人や二人、すぐ確保出来ると思いますよ」
「可愛い英司君、素敵な賞賛をありがとう。でも僕はね、今、君という人がいるのに、他の少女を側に侍らせたいとは思わないんだよ」
「はあああっ、何ですか、それ」
顔を赤らめながら、英司は怒ってそっぽを向く。
『あいかわらずですね、雅人先輩』
横で斎がくすくす笑う。
「笑ってる場合か、斎。毎回おちょくられるこっちの身にもなってみろ」
ぶつぶつ英司は斎に毒づいた。
帝はいつもと変わらぬ彼らの姿を確認し、すっと立ち上がる。
「帝、どこ行くの?」
「やぼ用だ」
ぼそっとつぶやくと、彼は先に帰ると言い、鞄を持って生徒会室を出て行った。
茉理は少々緊張しながら、校門の横にある桜の木の前に立っていた。
我ながらなんでこんなことになったのかなと、自分で自分がわからない。
(わたしの馬鹿っ、なんで帝先輩にあんなこと……)
少女の頭の中に、午前中の出来事がよみがえる。
休み時間、考え事をしているときに、たまたま廊下で帝とすれ違った。
気付かずに通りすぎようとした彼女だったが、帝はすばやく茉理の腕を捕まえ、挨拶ぐらいしろ、と怒鳴る。
「あ、あ、すみません。おはようございます」
茉理は顔を真っ赤にしながら頭を下げた。
そして動かない帝の黒靴の先を見ながら、ふと口をついて言葉が出てしまう。
「あ、あの……会長ってその、XX線のXX方面に用事とかってありませんか」
「なんだ、それは」
突然、路線と駅名を言われ、帝の眉間に皺が寄った。
(うわっ、何馬鹿なこと言ってんの。ド金持ちの帝先輩が電車なんか使うわけないじゃない)
自分の馬鹿さ加減に、茉理の顔は真っ赤になる。
(馬鹿馬鹿馬鹿っ、なんでこんなこと言ってんの、わたし)
気まずそうに恥らう少女をじっと見つめ、帝は考え込んだ。
――XX線のXX方面。
彼はふっと笑む。
「奇遇だな。今日の放課後、そっちに行ってみようと思っていたところだ」
「そ、そうなんですか」
茉理はいきなり肯定されて、心臓がばくばく音を立てた。
(絶対、嘘だ。嘘に決まってる)
でもそれを、あえて口にしたということは。
ますます気恥ずかしくなり、茉理は頬を高揚させた。
(どうしよう、ばれてるよ! ていうかなんでわたし、帝先輩にこんなことを……)
顔見知りの知り合いで済ますはずだったのに。
これでは自分から未練たらしく誘ってるようなものじゃないか。
XX線のXX方面は、まさしく自分の自宅の方向なのだ。
(ううっ、言葉が続かない、どうしよう)
何と言っていいか戸惑う少女の頭に、帝はポンっと手を乗せる。
「授業、終わったら、桜のところで待て」
「……」
彼は茉理の横を通り、上の階に上がっていった。
そして茉理はそのあと授業に集中できず、奈々たちから不思議がられるはめに陥って――結局、自分でもよくわからないまま桜の下に立っているというわけだ。
(ど、ど、どうしよう、もし一緒に帰ることになったりしたら)
彼がどこまで自分についてくるかだ。
自宅まで送ってくれちゃうのか、それともどこかの駅で降りて別れるとか。
(別れるって線はないわ、きっと。だって一緒に帰りたいっていうお誘いだって絶対思ってるよ、あれ)
茉理は、どうしよう、どうしよう、それじゃあいけないのに、変な誤解させちゃいけないのに――と何度も何度もつぶやいた。
「何をぶつぶつ言ってるんだ」
あきれた声が背後からかけられる。
帝が鞄を持って立っているのを見て、茉理は心臓が飛び出すかと思った。
「あ、あ、あ、会長」
帝はため息をつくと、茉理を軽く睨む。
「一緒に帰るときぐらい名前で呼べ」
「あ……はい」
茉理は恥ずかしくなって俯いた。
「行くぞ」
すっと彼は先に立ち、さっさと歩き出す。
「置いていくぞ。早く来い」
「あ、はいっ、行きます」
茉理はあわてて彼の後を追い、校門を出た。
「けっこう混むな」
「そうですね」
二人はXX線の電車に揺られていた。
車内は軽く冷房が効いているものの、人がけっこう乗っていて涼しい気がしない。
「お前はいつもこういう通学をしてるのか」
つり革につかまり、揺られながら帝が問う。
「あ、はい。いつもですけど」
そう答えて、茉理ははっとした。
(もしかして会長って電車に乗るの、初めてじゃないでしょうね)
先ほど切符の自動販売機ではお金の入れ口を捜してためらっていたし、改札口でもどこに切符を差し込むのか迷っているようだった。
(なんかまるっきり世界の違う人だなあ)
立っているだけで人目を引く綺麗な彼の顔を、茉理は改めて見上げる。
横の方でしゃべっている別な学校の女生徒達も、先ほどからちらちらとこっちを見ては何気に騒いでいた。
こんな人と並んで電車に乗っているなんて、自分の人並みの体型と容姿を思うと、あまりにも肩身がせまい。
(うーっ、他人の振りしたいよーっ、どう考えてもわたしなんてつりあわないって)
時々自分にも向けられる視線が痛くて茉理は身を縮め、早く目的の駅に着かないかとそればかりを願っていた。
電車を降りて少し歩くと、茉理の家の側にある交差点についた。
「あのっ、送ってくださって、どうもありがとうございました」
茉理はぺこっと頭を下げる。
それは暗に、ここまででいいです、と言っているものなのだが、帝は軽く眉をあげて聞く。
「普通、顔見知りの場合、こういう場所で別れるのか」
「え? え……あーと、その」
時と場合によりますけど、と茉理はもごもごつぶやく。
「そうか。で、今のお前の俺に対する評価としては『一緒に帰ってもいいけど、ここまで』というレベルなのだな」
何と答えたらよいかわからず、茉理は俯いた。
「これが『ちょっとした顔見知り』程度の距離ということか」
真剣にそうつぶやく帝に、茉理は思わず一言言いたくなってしまう。
「あの、帝先輩」
「なんだ」
「そこまで窮屈に考えなくてもいいんですけど」
「は?」
「えーと、だからつまり、帝先輩はわたしに言われて、今度は『彼女』という態度じゃなく『ちょっとした顔見知りの先輩』という態度を取ろうと、一生懸命になってるわけですね」
「お前がそうしろと言っただろうがっ」
帝はぶっきらぼうに怒鳴った。
「別にそこまで深く考えなくても……っていうか、どうしてそう四角四面の考え方なんですか。もっと自然でいいんですってば」
茉理は脱力しながら言う。
「自然に?」
「だから先輩がわたしを――例えば本気で自宅まで送りたいとか思ってたら、素直にそう口に出して『送ってもいいか』と聞けばいいわけで、ここで別れてかまわないなら、それで『じゃあ、また明日』ということにすればいいわけで、自分の気持ちに正直になっていいんですよ」
「よくわからん」
眉間にしわを寄せ、帝は更に困惑する。
(疲れる人だわ。今まで一体、どんな人間関係の中にいたのかしら)
茉理は自分の言いたい事が上手く説明出来ず、大きなため息を漏らすしかなかった。
結局、二人はそれから公園に場所を移した。
「どうぞ」
古びたベンチに座り、茉理は缶を差し出す。
帝は受け取ると、プルタブを開けて一口飲んだ。
「うまいな」
「今、自販機で買ったばかりですから」
よく冷えてる、と嬉しそうに、茉理は自分の分のジュースを飲む。
「先輩」
「なんだ」
「あの、今日ホームルームで、突然町田先生の転勤が発表されたんです」
「……」
「別な県の私立中学に赴任が決まったとかで――もしかして昨日の件でですか」
茉理は顔を上げ、帝を見つめた。
「わたしを襲ったりしたから、あの先生を学校から追い出しちゃったんですか」
真剣に、彼のどんな表情の変化も見逃さないように。
「きっかけはそうだ。だがお前の件だけじゃない」
どうにも逃れられない視線にあい、帝は言葉を選びながら答えた。
「突然襲われたお前なら察しはつくと思うが、病院で調べたところ、あの教師には他にも色々と精神障害があることがわかった。薬である程度症状は改善したが、以前と同じ職場に戻ると、また精神が刺激されて元の障害が出る可能性が高いらしい。違う場所に転勤して、新しい環境に入ったほうがいいと医者に勧められたそうだ」
「そうですか」
結構気配り上手で良い先生だったのに残念です、と茉理はがっかりした顔でつぶやく。
お前が気にすることじゃない、そう言うと、帝はまたジュースを一口飲んだ。
彼女に本当のことを言うわけにはいかない。
確かに彼女の件が原因の一つなのは事実だ。
何故茉理を襲おうとしたのか、真の理由は徹底的に隠蔽すべし、というのが直樹と雅人の意見であり、帝も同意である。
当の襲われた彼女本人に全く自覚がないのだから、へたに伝えたら余計に混乱するし、彼女は深く悩むことになるだろう。
更にもう一つ、智之の中には恐ろしい野心がある事が発覚した。
今回の事件――茉理の不思議な力に関する記憶を消去するため、直樹が彼の意識を操作したときに、彼の心の奥にある高慢な欲心を見たのだ。
クリスティ学園で教師を勤めていた理由は、いつかここの実力者になり、クリスティ一族も無視出来ないほどの権力を手に入れて魔族の頂点に立ちたいというを野望を抱いていたに他ならない。
子どもが好きなわけでも、教えることに喜びを持っているわけでもなかった。
学生だった頃から彼は、常に自分は誰よりも優秀で最強である、と考えていたらしい。
そんな思いを抱いていた彼にとっては、小さなことでも自分の思い通りにならない事はあってはならなかった。
ゆえに彼は自分を選ばなかった精霊と、その精霊が心を許した友人を徹底的に追い込んだ。
しかし最後まで思い通りにはいかなかったのだ。
自分がさげすんでいた実力のない人間に勝つことが出来なかった。
最後まで、あの精霊の心は徹のものだったのだ。
今、そのことを感じ、智之の体内に変化が起きている。
自分にあった絶対の自信が崩れ、彼の精神は少しずつ欠け始めていた。
(このままクリスティにいたら、今度はあの男が自分自身を呪ってしまうだろう)
帝はそう考え、横にいる茉理をちらりと見た。
(そしてこいつは――)
今回の件で、彼女は2回意識を手放した。
だんだん聖魔の力が少女の中で目覚めつつある。
自分が心を許した者の痛みや苦しみを共有してしまう力が、これから彼女を苦しみに追い込むに違いない。
智之と違い、彼女には逃げ場がない。
どんなに環境を変えても、記憶を消したとしても、魂に宿る力からは逃れることが出来ないのだ。
「なんですか」
自分を見つめる茉理に気付き、帝はそっと少女の髪に触れた。
「お前は、俺に『自然に』していいと言ったな」
「あ……はい」
「じゃ、明日から自然に、俺の思う通りにするぞ。いいな」
「え?」
「え、じゃないっ。明日から俺はお前と一緒に帰ることに決めた。いいな」
「ええええええーっ」
茉理はベンチから飛び上がった。
「なんですか、それ」
「俺がそうしたいからだ。別に無理強いはしない」
「……」
「帰れないときは、お前も素直にそう言え。いいな」
「あの、でも」
「なんだ、何か変か?」
「変っていうか、帝先輩はどうしてわたしなんかと一緒に帰りたいんですか」
方向逆なのに――と、ぶつぶつ言う茉理に、帝はあきれた顔をした。
「そんなのは決まっている。お前と一緒にいたいからだ」
「え……」
「俺の今の『自然な』気持ちだ。これならいいんだろう?」
真顔でさらりとそう言われ、茉理は頬が真っ赤になった。
(なんなのっ、どうしてこうなちゃうの)
元はといえば言いだしたのは自分だし、でもまさか明日もなんて思ってなかった。
赤くなったり、青くなったりする彼女を見て、帝はにやりと笑って立ち上がる。
「ほら、帰るぞ。やっぱり家の前まで送る」
「え、えええっ、いいですっ。そこまでしてもらわなくても」
「遠慮するな。俺が今そうしたいからだ」
これでいいんだな、と言われ、茉理は何かが違うような気もしたが、立ち上がって歩き出す帝の後を追って、公園を出て家に向かった。
<終わり>
こんにちは。月森琴美です。
第二巻『図書室の守護精霊』完結しました。
ここまでお読みくださって、本当にありがとうございます。
特に1巻から連続でお付き合いくださった皆様には感謝です。
このお話はここで終わりますが、茉理と生徒会メンバーの物語はまだまだ続きます。
また次の巻でお会いできたら嬉しいです。
今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
ありがとうございました。
*活動報告に今後の更新予定を記載しました。
もしよろしければご覧ください。




