メモリーズバースデー ~コスモス畑より~
なろラジパーソナリティ巽さん原案の看板企画
『ゆいこのトライアングルレッスン』
今回のテーマはバースデーの【B】
思い出に浸るゆいこのほっこりストーリーです。
お二人が演じるお声を想像しながら読んでみて下さい!
今日は私の20歳の誕生日。
毎年誕生日が近づくと、子供の頃の大切な思い出に浸ってしまう…
☆~☆~☆~☆
『なぁひろし!今度 ゆいこの誕生日に連れて行きたい場所があるんだ!!』
『一緒に下見付き合ってくれよ!』
『えっ?どこに行くの?』
『それはさぁ…』
と何か秘密の計画を立てている10才のたくみとひろし。
そんな事とは知らない私はある日
『たくみ~ひろし~これから一緒に遊ぼうよ?』と誘うと
『ごめん ゆいこ…ちょっとオレ達用事があるんだ』
『なっ!ひろし!』
『あ…うん…ごめんなゆいこ…』
申し訳なさそうにひろしが言った。
『そっか……』
少しがっかりした私の様子に二人の心は揺れ動いた。
『ゆいこ寂しそうだったよ?』
と心配するひろしに
『だっ 大丈夫だよ…多分…』
『それよりもさ、このサプライズバースデーを成功させようぜっ』
と、まるでいたずらっ子のようにたくみの声が弾けた。
そして私の8才の誕生日当日、たくみとひろしが迎えに来た。
『ねぇバスに乗ってどこに行くの?』
不思議そうに聞く私に
『隣町の河原だよ』
と優しい声でひろしが教えてくれた。
しばらくバスに揺られ、目的地近くでバスを降り河原に向かう。
そして突如視界に飛び込んできた景色に私は思わず叫んでいた。
『うわ~~きれい~』
そこは、河原一面にコスモスが咲き誇るコスモス畑。
『たくみ!ひろし!とっても綺麗だね!
ここ、コスモスの迷路みたいになってる!!』
目を輝かせながら喜ぶ私に
『ゆいこ!誕生日おめでと~』
『ゆいこ…おめでとう』
お祝いの言葉と同時に二人から贈られたプレゼントは、手作りのクッキーと可愛らしい猫のキーホルダー。
『ゆいこの喜ぶ顔が見たくてさ
オレ達頑張って作ったんだぜっ』
『なっ ひろし!』
『うん ゆいこの笑顔はかわいいからな…』
と照れながら言うひろしに、ちょっぴりドキドキした…
後で知ったのだけど、猫のキーホルダーは色違いで3人お揃いだったらしい(笑)
☆~☆~☆~☆
『 ゆいこ!お待たせ!』
『しかし何で待ち合わせがここなんだ?』
元気なたくみの声に続いて
『ゆいこ、この場所好きだよな?』
確認するようにひろしが言うと
『…だってここは大切な思い出の場所だから…』
と 笑みを浮かべながら答えた。
『なぁたくみ…ゆいこ綺麗になったな?』
『あぁ…すっごく大人なびて綺麗だな…』
『……オレひろしには絶対負けねぇ』
『……俺もたくみには負けないぜ』
何やら小声で話す二人に
『何?何?ヒソヒソ話?』
『何でもないよ!』
たくみがおどけて言うと
『さっ 20歳の誕生日祝いに美味しいお酒でも飲みに行こうか』
と、落ち着いたひろしの声が響いた
『うん!ありがとう♪』
今年も河原にコスモスが咲き誇り、大人になった私達を優しく包み込んでいた。
いつまでも、いつまでもこの心地いい時間が続いてほしいと願って……
最後まで読んでいただきありがとうございます!
年に2回のトライアングルレッスン♡
とても楽しい企画ですね。
次回はどんなストーリーにしようかな?