番外編―年下の本音―
―年の差って結構キツい
俺の隣で眠る可愛い人。
俺の最愛の彼女、白峰歩果さん。
年上の彼女に釣り合う男になりたくて精一杯やってる背伸び。
けど部署は違うし、時間も合わないしでなかなか上手くいかない。
そんな時に彼女と親しげに話す男を見たら、焦りが出てしまって。
もっと大人にならなきゃいけないのに、ガキっぽい嫉妬なんてしてしまった。
「情けねぇ……」
眠る彼女の髪を撫でながら出てくるのは溜め息。
どうしようもなく彼女が好きな気持ちが変に空回る。
自分のダメさ加減にまた溜め息をついた。
「……幸せ、逃げちゃうよ?」
ふいに聞こえた言葉にハッと彼女を見ると、寝ぼけ眼が俺を見上げていた。
「起こしちゃった?」
小さな声で尋ねるとフルフルと首を振った。
そしてまだ眠たげな彼女は俺に体を摺り寄せてくる。
「大丈夫……彼とは何もないよ……」
ギュッと抱き着きながらそう言った彼女。
彼、とは俺が見たあの男。
彼女と同期だという人のこと。
また規則正しい寝息をたて始めた彼女の頭を撫でながら、俺は彼女の言葉にホッとしていた。
彼女を疑ってた訳じゃない。
でもやっぱり不安なんだ。
年上の彼女にとって年下の俺はガキだろうから。
いつか彼女が離れていく、そんな気がして。
けど彼女を離してやるつもりはさらさらない。
自信なんてないけど、何度でも振り向かせてみせる。
やっと手に入れた大切な存在なんだから。
年っていう壁は大きくて越えられやしないけど、少しでも彼女に近づきたい。
そしていつか彼女と築く未来を夢見て。
俺は彼女の温もりを胸に抱いてゆっくりと瞼を閉じた。
【End】
続編これにて完結でーす☆
はぁ、書き上がってるのを小出しにするのは性に合わないみたいだ…
とりあえず完結なんですが初登場の玉田くんが活躍してません(笑)
まぁ暇があったらまた続編書こうかと。
ではまた次回、お会いできますようm(__)m