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占い師の占いとは

 占い師・ミーシャは興味のある人間のことしか占えない。だから、ミーシャからの好感度を「虫けら」から「おねえちゃん!!」並みにしなければならない、と。


 ん? 待てよ? ルーナは占いだか預言だかを聞いて俺……魔術師ってやつを迎えに来たんだよな? じゃあ、異世界に行く方法はあるのでは? このめんどそうなロリの好感度を上げなくても!


「なぁ、ルーナが俺の世界に来た方法は使えないのか?」


俺の質問に、姉妹は顔を見合わせた。あ、ダメそう。


「私が使った道は、ミーシャが預言したから開かれた道なの。」


預言したから……開かれた……?


「わたくしの占いは絶対。だから『預言』とまで呼ばれているのです。」


「へー?」


分からない。


「わたくしの占いで見えたものが、どんなにありえないものでも──例えば、存在すら疑われる異世界に仲間がいるというようなものでも──わたくしが占いで見たからには、絶対に実現するのです。」


それって結構すごいのでは。


「つ、つまり……この世界では、俺のいた世界はそもそも無いとされていて、」


「言い伝えってレベルだね。」


ルーナが注釈を入れた。今はそれより重要なことがある。


「なのにミーシャが『勇者パーティーの呪術師が異世界にいる』と占ったから、異世界への道が開いて、」


「そうそう! 急に目の前が光に満ちてね!」


「俺がここに来たと。」


「そゆこと!」


「そういうことです。」


ミーシャの占いって……。いや、占いと呼んでいいのかそれ。だってミーシャの力は、もはや予知どころではない。未来を捻じ曲げる力だ。じゃあ、それに「呪術師」と呼ばれたってことは俺は本当に呪術師というものになってしまったのでは?


「俺は、その占いで呪術師になったのか?」


「いいえ。あなたはもともと呪術師です。わたくしはそれを探し出しただけ。無自覚のようですので、まずはあなたの能力を見つけるところからですね。」


ゆったりとほほ笑むミーシャが、やけに大きな存在に見えた。

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