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占い師のモチベ

 屋敷の中は質素で物が少なく、なんだかやけに広く感じた。甲冑でのスキップがうるさいルーナと静かに歩くミーシャに案内され、俺は応接室に案内された。


「わたくしの占いは、わたくしが最も興味を示している人間の未来しか見られません。」


ソファーに腰を下ろした第一声。占い師・ミーシャは無慈悲に言い放った。


「要するに。おねえちゃん以外の人間を虫けらとしか思っていないわたくしには、おねえちゃんの未来しか見えないのです。」


虫けらって言わなかったかこいつ。ルーナがミーシャの頭を撫でている。


「ごめーん、ミーシャは私が大好きなのー。」


甘やかすからそうなったのでは?


「わたくしは、おねえちゃんが勇者になるという予言をしてから数年間……おねえちゃんが勇者になる日まで、何も見えませんでした。」


ミーシャの目元には涙。感涙ってやつか。初めて見た。


「そしておねえちゃんが勇者になった日……わたくしがおねえちゃんのパーティーに入るという予言が降りたのです。……スタンディングオベーションの時間ですよ、ヒロト。」


あらあら、初めてだから分からなかったのね、とでも言うように圧をかけられた。仕方がないので大人しく立って拍手する。ルーナは既にスタンディングオベーションしていた。甘やかすなよ。


「そういうわけですので、わたくしはおねえちゃん専属の占い師。あなたへの好感度が一般人並である限り、あなたの帰り方は分かりません。」


スタンディングオベーションまでやらせといて?? こいつ……柔らかい物腰でめちゃくちゃめんどいタイプだぞ。


 いや、俺は別に帰れなくてもいい。ちょっと希望を見せられたせいで帰りたくなっただけで。というかそこまで言われたら、ちょっとくらい意地になってもいいだろう。


 今後の目標は、この生意気なロリの好感度を上げることだ。

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