14/66
◆◆◆
――どうしたらいいのだろう。
もどかしい。誰か、この状況をどうにかしてくれないか。
……いや、きっと大丈夫だ。あの人の言う通りにしていれば。
信じているはずなのに。ときどき、じっとしていられなくなる。
どうしてこんなに気持ちが焦るのだろう。
……死体なんて、みつかっていないのに。
◆・◆・◆
――やれやれ。今は、我慢のときというところだろうか。
もう少し時間がたてばきっと、あの人も、自分の置かれた立場に慣れるだろう。そのあとで……。
大丈夫。
自分は間違っていない。
なんといっても、死体はみつかっていないのだから。
◆・◆・◆
――もしかしたら、このままなにごともなく、今まで通りの生活に戻れるのだろうか。
そんな甘い考えに浸りそうになるほど、表面上はなにも変わらない。
だが、油断はできない。
誰が、なぜ? どうして?
わからないまま、時間が過ぎていく。
……いまだに、死体は見つからない。




