9.ゴブリンとの邂逅
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ゴブリンのこぶしが僕の顔をかすめる。
かすめたところから血が流れる。思わず後ろにのけぞってしまった。
ヤバいヤバいやばい!!死ぬッこれ死ぬッ!!
痛みが僕の思考を鈍らせる。そんな僕が思いついた現状の解決策。それは…。
「おらあぁぁぁぁああ!!」
殴りかかることだった。何やってんだ僕!
打ち出された右ストレートは、もう一度こぶしを放とうとしていたゴブリンの腹に当たる。しっかりと腰の入ったその一撃はゴブリンを吹き飛ばした。
「ギュ!!」
痛ッてぇ!なんだこれ!?壁かよ!
僕が殴ったゴブリンは腹を抱えて悶えている。痛いけど、今がチャンスだ。洞窟の境界線から完全に姿を出す。
「ギギャイ!!」
僕がゴブリンにとどめの一撃を刺そうとしたその瞬間。ゴブリンが頭を突き出してきた。
「ごふっ!」
血反吐を吐く。僕の腹に当たったその一撃は、見事に油断していた僕に絶望を与えた。
後ろから倒れた僕に、今までうずくまっていたはずのゴブリンが馬乗りになってきた。
「ゴギャッ!!」
ドスンドスンと思い一撃が僕の顔を歪ませる。ぼこぼこになった顔では、ゴブリンがどんな顔をしているのかすらわからない。
やまぬ連撃は僕の反抗すら許さない。足を蹴り上げる元気も、腕を振り回す元気も、なくなってくる。
あー、やばい。なんか冷静だ。…死ねよ。絶対殺してやる。
殴られた回数。殴られた分だけ怒りがたまる。涙が出る。涎が出る。血が出る。
今僕が鏡を持っているなら僕は自分が嫌いになるだろう。ゴブリン以上に醜い。
そんな考えをしていると、ゴブリンが価値を確信したような声を上げた。
「ギャギャギャッ!!」
なに嗤ってんだこいつ…。なんでお前が嗤ってんだ…。
頭がうまく回らない。さっきまで死ぬ死ぬ言ってたのに、なんで今死にそうになって、こんなに怒ってんだ。
反抗心だけが、僕の命をつないでいた。僕は今殴られているんだろうか。
「ギャギャギャ…?ギャーッ!!」
「さkfいhshが、bcまおhが?」
誰かいる!?