5.読書
コンコンッ
部屋の扉をノックする。さっき起こしちゃったからなぁ。怒ってないといいんだけど。
「失礼しまーす。」
ドキドキしながら扉を開ける。ギィという音が響いた。
「…あれ?ドラゴンは?」
扉の先には大きな洞窟に、巨大な門が佇んでいた。あれー?さっきまでいたよなぁ?
「あれ、もしかして…」
さっき昔の僕が、「目が覚めるまで守ってくれる」って言ってたよなぁ。
もしかしてさっき僕がドラゴンに会ちゃったから帰ったのかな?約束道理動いてくれてありがとう!
…やばいよなぁ。昔の僕はあのドラゴンから詳細は聞いてくれって言ってたもんな。目標もどうやってダンジョンを作り出すのかもわからん。
うーん、そうだ。ほかにも本があったよな。それにダンジョンのこととかが書いているんじゃないだろうか。
部屋に戻って本棚を探す。さっきの光る本は緑色。今度の本は紺色だ。金色の刺繡で魔方陣が書かれている。
『魔物図鑑』か。もしかしてこの本棚図鑑しかないんじゃないか?
他の本も見てみる。青い本『植物図鑑』。黄色の本『神話大全』。白い本『戦争百科』。黒い本『怪物図鑑』。ぼろぼろの茶色の本『能力大全』。
やっぱり図鑑しかない。多分昔の僕が、必要最低限の知識としておいていたんだろう。
すべて日本語で書かれているため何とかなりそうだ。
とりあえず神話大全でも見てみるか。
神話大全を手に持つ。
「うわー。厚ッ。」
大体2000ページぐらいあるんじゃないだろうか。
あまり本を読むタイプではないからなぁ。さすがにしり込みしちゃうぜ。
他の本も見てみる。
「一番薄いのは…これかな?」
手に取ったのは怪物大全。タイトルだけで何が書いてるのかは分からない。
ペラッと一ページめくってみる。
「…さっきの本みたいに浮き出したりはしないのか。」
ちょっと期待してたんだけどなぁ。浮き出してくれたら楽なんだけど。
一ページ目には目次が書いている。ぺらぺらとほかのページを見ていると、一枚のページに目が留まった。
「このページだけ日本語じゃない?」
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