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36.朝飯前

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 お腹がすいた、か。もう長いこと食べ物を食べてないのに、僕はお腹がすいていない。

 それはなぜか。答えは簡単。僕がダンジョンマスターだからだ。



 これは、アークが根源力の訓練中に行ってたことなんだけど、ダンジョンマスターとそれに追従する魔物は空中に浮かんでいる魔力を吸い取って活動しているらしい。あの時は集中していたから、それとなくしか聞いていなかったけど、今考えてみたら、確かに魔石が魔力を取り込んでいる感じがする。



 「さあ、飯にするぞ。と言っても、何にも準備できてないからな。レグルスはここで待ってろよ。」

 シシは立ち上がり、部屋の中から出ていこうとする。


 僕に残れといったのは、目が見えないからかな?ちょっと申し訳ないな……。よし。

 僕は頭の中に意識を集中させる。想像するのは、アークに見せたあの魔物。


 バコバコっと僕の前で音が鳴る。今イメージできるのは、さっき見たゾンビだけだ。顔の形、胴体の形、足の形、そうやって頭の中で組み上げていくうちに、音が鳴りやんだ。

 よし!目が見えなくても成功した!!



 「お!!おい!!なんだこれ!!」

 シシが僕に叫んでいるのが分かった。音の反響的に結構距離をとっているようだ。

 あー。失敗したなぁ。先に言っておくべきだったか。



 「あー。大丈夫だよシシ。これは僕が作ったゾンビで……。」

 と、僕の言葉を遮るように、とんでもない轟音が鳴り響いた。それは、金属を加工しているような音で、この部屋の規模にはあまりにも大きな音だった。



 「なんだ、あんた。ギフテットだったんだな。せっかく同じような仲間ができたと思ったのに。目が見えないのも嘘か?今まで俺に話させてたのも、全部作戦のうちってか?……じゃあ、俺の敵だよ。」

 瞬間。シシの方へ強く引き寄せられた。僕は反射的にテーブルにつかまる。



 「待って、シシ!誤解だよ!僕はギフテットじゃないし、君に攻撃をしようとも思ってない!!」

 この轟音で、自分の声ですら聞こえない。果たして僕の声はシシに届いているんだろうか。

 それに、引き寄せる力も意味が分からない程度には強い。テーブルにつかまってる僕の体が、完全に浮くぐらいには。



 耐えられてる!!でも、ずっとじゃない!どうする、どうすればいいんだ!!



 ビュンっと音が鳴って、引き寄せる力がなくなる。僕は岩の地面にたたきつけられた。


 「うっ、聞こえてたのかわからないからもう一度言うけど僕はギフテットじゃないんだ。本当に、よくわからないままここに飛ばされてきたダンジョンマスターなんだ!!」


 僕は立て続けに、言う。シシが何をするのかわからないからだ。


 これで殺意が消えてなかったら、やばい!


 僕が話し終えてから、幾分かの間が開いた。ゼーハー、ゼーハーという音だけがこだまする。

 「……ダンジョンマスター?」


 シシが、口を開いた。

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