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34.世界情勢

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 コピーか。僕でもいろいろと活用方法思いつくなぁ。兵器をコピーしたら物品を気にしなくてもいいし、食料をコピーすれば食糧危機なんてものから無縁になる。それに、もし人をコピー出来たら……。


 「あんたも気づいたか。そう、コピーは生物にも適用される。無限にわいてくる兵士のおかげで、その国は一気に巨大な国となったんだ。」


 生物にも適用されるなら、本当に何でもありだ。人海戦術なんてやり放題だろうし、コピーのギフテッド一人で戦争に勝てるようになったらやりたい放題だよなぁ。でも、戦争なんてしちゃったら、もう歯止めが利かなくなるんじゃないか?


 「その国は、無限の兵士を使ってダンジョンの攻略と全世界との戦争なんて馬鹿な事を同時に行ったんだ。でも、いくら最強のギフテッドとはいえ、人間の子供。それにもともとが小さな国だ。コピーのギフテッドはすぐに国際指名手配となった。」


 「なんで子供が指名手配されるの?確かにその子供がコピーしなければ戦争は起こらないだろうけど……。それでもそんな国に生まれたんだったら、そういう生き方しかできないんだからしょうがないんじゃないかな。」


 「そうだな。俺もそう思うよ。でも、その時はそんな余裕なかったんだろうなぁ。ダンジョンの出現に各国がピリピリしてたらしいし。そんな状況になったら戦争なんてやってられないしな。」

 うーん。そういう事情もあるのか。なんか納得できないけどなぁ。

 「指名手配されたギフテッドの子供は、すぐに殺された。でも、負の遺産が残ったんだ。」

 「負の遺産?」


 「ギフテッドの戦場送り。コピーされた戦闘向きのギフテッドたちは次々と殺されていった。そのあとはもうわかるだろ?」


 あぁ。ギフテッドが死んだらダンジョンが生まれるんだっけ。


 「生まれた無数のダンジョンに各国は今まで以上に手を焼いた。そのせいだ。そのせいで、今まで頼りされていなかった新しいギフテッドたちがダンジョンの管理をいくつもするようになった。」


 「……それしかなかったのかな?」


 「だろうな。ギフテッドたちは子供であろうと自由を許されない状況を強要されて、国からの命令を着実にこなしていったんだ。でも、そんな中でも宗教は健在だ。ギフテッドを神の子である、と定めた宗教が現れて、その宗教の人間たちは、まだ生まれて幼いギフテッドを祭り上げて、国のやり方を暴露。一気に各国は傾き始めた。」


 うーん。難しい問題だよな。軍隊だけでなんとかできるのが一番いいんだけど。


 「まぁ、その状況で何年か過ぎたんだよ。小さな諍いはあったんだろうけどな。日本の首都が別のところに移ってある程度安定し始めたころ、飛行機や船が次々と行方不明になったんだ。それはかなりの間続いて、調査隊が驚くべき結果を出したんだ。」


 飛行機や船?ってことは!?


 「海中ダンジョンと空中ダンジョンの発見だ。」


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