33.シシの知ってる世界
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「日本がおかしなことになった後、世界中にダンジョンがあふれかえったんだ。」
「ダンジョンがあふれかえった?じゃあ、世界は……。」
少年ことシシは首を振った。
「世界がなくなるなんてことはなかったんだ。特殊な能力を持った人間たち……ギフテッドが生まれたことでな。」
ギフテッド……?なんだろうそれは。前の地球ではギフテッドってすごい頭がいい人って意味だったはずだけど。
「ギフテッドは特殊な能力を使う人間で、突然世界中に生まれた。この能力は、世界の法則すら変える能力で、魔物たちを次々と蹂躙していった。」
えぇ。何その力。光の力や、闇の力、魔力を扱える子供が生まれたってことでしょ?そりゃ魔物たちも負けるよね。
「だけどいいことばかりではなかったんだ。ギフテッドの弱点。死んだら新しいダンジョンがその場所に生まれること。これが分かったせいでギフテッドが活動できる範囲がとても狭まったんだ。」
ギフテッドが死んだらダンジョンが生まれる……?本当にそうなら確かにギフテッドの生活は制限されるだろうね……。
「そして、もう一つ。ギフテッドたちは力が強すぎるんだ。」
「力が強すぎる?」
「あぁ。力が強すぎるギフテッドたちは希望と恐怖の対象となって、小さな国で人間たちの戦争にも活用され始めたんだ。」
戦争に使われる?でもダンジョンが出てきているのになんで戦争なんてしてる余裕があるんだ?
「1、2歳の子供たちがだぞ?どんだけ切羽詰まってるんだよ、って話。しかも、その最初に戦争に活用されたギフテッドの能力が最悪だったんだ。」
1、2歳の子供、か。ほんとになんでそんな子供が戦争に行ってるんだよ。世界中にダンジョンが出てきたなら戦争なんてやめればいいのに。
「その能力は、【コピー】。物体を複製できる能力だ。」
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