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25.魔力

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「光力って何?」

 また新しい言葉が出てきた。まぁ、おそらく魔力のような力だろうが。



 「光力は光の神の力だ。光の使徒も行使することがある。」


 ふむふむ。闇の神が持っていて、今は魔王が持っている闇の力。僕たち異世界から来た人間が持っている魔力。光の神が持っていて、今もなお力が強まっている光の力。この三つの力がこの世界にはある感じなのかな?



 「まぁ、力の説明はこのくらいでいいだろう。本題だ。小僧には、ダンジョンというものを作ってもらう。」

 そういえば、本題はそれだったっけ。ダンジョンか。魔力を操って作るんだよね。


 「ん?魔力ってどうやって操るの?」

 「魔力の操り方は、根源力とはまた違う。魔力は、空中から調達するものなんだ。」


 そういうと、アークが顔を上にあげた。

 つられて僕も上を見る。すると、目には見えないが、何か重い空気のようなものを真上に感じた。


 「感じるか。これが魔力だ。魔力は基本的に、この世界の物質にはなじむことができない。故に、空中を浮かんでいる魔力を使うことでしか、ダンジョンは作れない。我らは、な。」


 空に浮かんだ重い空気がパッと弾けたような感覚がした。あとには先ほどまでの重さがウソだったかのように元の空気に戻っていた。



 「混沌の者たちや魔物のような、魔力になじめる生物は、魔力を体にストックできる器官が体の中にある。魔石という部位だ。小僧は、空中に浮かんでいる魔力を使う必要はない。魔石というものをどうやって使えばよいのか我は分からんが、魔物は魔石をとると、体を維持できなくなる。だから小僧の体に今も魔石

が動いているはずなんだが……感じ取れるか?」



 魔石、か。全然知らないものが僕の中に動いているんだな。心臓が動いているような感じで動いているのかな?そもそも魔石ってどこにあるんだろう。さっき空中に浮かんでいた力のようなものを自分の中で感じ取ればいいのか。


 自分の中の器官に意識を集める。つま先。かかと。ふくらはぎ。太もも。腰。胴。肩。両手。そして、頭。そこで、何か今までにはなかった変な重さを感じた。



 その重さは、片頭痛のようなものではなく、脳の中にあるのかないのかわからない感じがした。


 重さを動かそうとして、頭を下げる。だが、重さはピクリとも動かない。頭を振ってみても重さは動かない。うーん。動けぇぇぇぇぇええ!!


 シュッと何かが動くような感じがした。重さの正体。魔力が動いたのだ。

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