20.二回目の死
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レグルスはホロホロと分解されていく自分の体に驚く。光で自分の体を見ることはできていないが、皮膚が剝がれていく痛みがレグルスを襲った。
(やばい!!これは放置しておくと死ぬ!!)
レグルスは急いで自分の体を根源力で覆う。だが、痛みのせいで、集中しなきゃ根源力が操れない。
(くそっ!!くそくそっ!!まとまれ!まとまれ力ァ!!)
体を動かそうとしているのだろう。だがその結果はあまりにもお粗末だ。
筋肉にすら影響を及ぼし始め、痛みによって自分の考えとは異なる動きを体がとる。
光の中でレグルスは駄々っ子のような動きをしているのがよくわかる。レグルスは以前とは違い、自分の存在を消えているような感覚を覚えた。
(まだ、まだいやだ!消えたくない!)
レグルスが激痛の中悶えていると、何かが上から降りてきた。
「小僧ッ!待たせたな!」
煙の中現れたアークトゥルスはボロボロで、体にいくつか穴が開いていた。その翼で、落ちるようにレグルスのもとへ来る。
ずんっ。っと大きなもの落ちた衝撃をレグルスは感じた。
「はははっ。我の技に当たってしまったか。まぁいい機会だ。根源力についてもっと詳しく教えてやろう。」
笑って煙を吸収しているアークトゥルスは、レグルスに根源力を注ぎ込む。だが、注ぎ込めば注ぎ込むほどに違うところから漏れ出ていく。
「我と小僧では生物としての仕組みが違いすぎるのだ。だから体を構成する力である根源力を注ぎ込んでも治らない。そしてこれはすべての物体に適応されている。鉱物であれば純度や大きさ、形などが変わると根源力は異なってくる。」
レグルスは聞いていいるのか聞いていないのかわからない、死体のような風貌で治療を待っていた。
「要は、自分のことは自分にしか治せない、ということだ。今のままでは小僧は治療できない。」
アークトゥルスはもう何かを見ることができないレグルスに、意地の悪い顔をした。
「だからこうするんだ。」
そういってアークトゥルスは目の前の空間に手を突き出した。すると、ギュイーン!!という壊れた機械のような音がした。
瞬間、アークトゥルスの手には万全の状態のレグルスが握られていた。
「小僧から抽出して、その根源力を使う。」
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