19.初めて見た戦い
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「なに、あれ。」
当然僕も何が起きているのかは分かっている。アークトゥルスことアーク。
アル、と僕を救った少女に呼ばれていたと呼ばれていた、アルデバランとの戦闘だ。
ただ、その戦闘は僕が思っていたものと違いすぎた。
甘く見ていたのだ。もっとこう、軽い銃撃戦のようなものを想像していたんだ。血みどろで、泥まみれだけど、森林が壊れたりはしない。そんな想像。
だけど現実はどうだ?根源力……自分でも感じられるようになったその力が、自分の生物的な危機本能をずっと警戒していた。まるでライオンの折の中にいるよう。いや、それ以上の危機感がある。
初めてアークと見つめあった時とは違い、僕に力が向けられていないために冷静な思考が続けられているけど、おそらく地上に出た瞬間、僕は気絶するだろう。そのぐらい大きな力が、僕の上で動いていた。
それにアークやアルデバランが使っていた、根源力ではない力は何だろう。
あれは魔法なのかな……?でも、なんだかアークの使っている力と、アルデバランが使っている力はなんだか違うような感じがする。
アークの力はこう、たたきつけられている感じ?で、アルデバランの力は、別のところからエネルギーを持ってきている感じだ。
多分こういう主観的な感想も、根源力を感じることができるようになったおかげだと思う。根源力を感じられるようになってから、風の動きや、自分の筋肉の使われ方がよくわかるようになっている。そのため、最も効率のいい動き方がよくわかる。
この世界の人間は、たぶん根源力を学んでいるんだろう。僕を殺した女の子が理解できない力強さを発揮していた理由がよくわかる。
そんなことを考えていると、上を向いていた僕の視界が光に包まれ、体が指から腐り果てているような強烈な痛みを感じた。
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