18.この世界の戦い
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地上。木々の中なら、太陽な姿を現すその場所は、元の自然の美しさを微塵も感じさせない。
「はははっ!!どうしたんだい?アークトゥルス!魔王の姿がないと力が出せないのかい?」
太陽にかんかんと照られている空に、アルデバランは浮かんでいた。その足元には、魔法陣がアルデバランを支えるように回っていた。
アルデバランの視界の先。煙で何も見えないその場所から、渋みのきいた重低音が響く。
「『ブレイクスモーク』」
森を包み込んでいた煙が、アルデバランに向かって弾けた。その勢いは、アルデバランの突進のようにすべてを吹き飛ばした。
「かはッ!!」
空に浮いていたアルデバランは、自分の失敗に気づく。空には自身を支える物体が何もないためだ。さらに、アークトゥルスの放った煙はある特性を持っていた。
巻き込まれるようにし吹き飛んだ、木々や地面は消滅した。そう。これこそが、アークトゥルスが放った煙の特性。その煙は、ありとあらゆる根源力を相殺するのだ。
生命の根源力の相殺……。それはつまり、この世界での存在を無に帰すということだ。
そのありとあらゆる存在を無に帰す一撃を受けた、アルデバランは……ピンピンとしていた。いや、ぴんぴんとしているように見えて、その実。かなりの根源力を消費していた。
「やっぱその技ずるいよ。でもさ。僕との相性あんまりよくないよね。君。」
そういうと、 アルデバランは、煙を根源力ではない何かの力を使って払ってから、アルデバランは目を閉じて、乗っていた魔法陣に膝をついた。
「『複製』」
アルデバランが、一瞬ぶれたかと思うと、アルデバランが5人に増えた。5人のアルデバランは、ぐっと力をため……突進した。
その突進は、先ほど洞窟を突き破った突進と比べても何の遜色もない勢いだった。
だが、アークトゥルスも先ほどの経験が生きている。アークトゥルスは大きく息を吸う。アークトゥルスの口が開いたかと思うと、そこから力の奔流が現れた。その空気には、当然先ほどの煙が含まれている。
それはまさに、伝説のようなドラゴンブレスだ。
5人のアルデバランとアークトゥルスのブレスが衝突する。
空気を割るような強大な衝撃が走る。光が周囲を包み込み、森を地面ごと吹き飛ばす。
この衝撃は、いまだ洞窟中に取り残され、真上の戦いを呆然と見ていたレグルスにも影響を及ぼした。
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