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13.初めての死

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僕がドアを開けようとしたとき、

ドンッ!!

ドアがはじけ飛んだ。巻き込まれた僕は吹っ飛んで尻もちをつく。

「なんだ。生きていましたか。」

外れたドアの上には、一人の女性がいた。

見た目は先ほどまで話していた彼女に近い。ブロンズ髪をストレートに生やしており、きれいな蒼瞳をしていた。先ほどまでの彼女より一回りは小さいその体は、ドアを壊した犯人だとは到底思えなかった。


「なんですか?姉さまを騙した魔物の分際で。」

騙した?嘘はついていないはずだ。しかも魔物だと?僕がか?

「ちょ、ちょっと落ち着いてくださいよ。多分認識にすれ違いがあるだけですよ。」

僕は努めて笑顔で目の前の女の子に話す。大丈夫。きっと話を聞けばわかってくれる。

「うるさいですよ。」

「うわっ!!」

女の子がどこからともなく取り出した小さなナイフを投げてきた。

しっかりと僕の頭を狙ってきたその一撃は、何とかよけようと動いた僕の頬をかすめた。


だめだ。この人話通じない!

どうしよう。どうすれば生き残れる!?落ち着け、この部屋で武器になるもの…ウシの首だっ!

ウシの首のある場所を見る。だめだ。女の子の真上にある。

クローゼット?タンスの中?今すぐにまさに襲ってきている女の子がいる前でか?

じゃあ…

「早くやっちゃわないと…。姉さまが下で待ってますしね。だからこそ早く死んでください、っね!」

女の子がナイフを投げてくる。とっさに右腕で防御した。

「うっ!」

しっかりと僕の肉をえぐる感覚がした。大丈夫。ゴブリンに殴られたときほどではない。


腕を下げると目の前に女の子がいた。

「うわぁっ!」

女の子が僕の顔めがけてけりを放つ。尻もちをついている僕は蹴るにはちょうど良い位置だろう。

「ぎゅっ。」

いってぇぇぇぇぇえええ!!ゴブリンに殴られたときより全然痛い!!

首の骨が折れたんじゃないだろうか。顔が言うことを聞かない。

なんだよ。なんなんだよこの世界!!味方なんていねーじゃねーか!

ふつふつとわいてくる怒り。ともに感じる浮遊感。

最後に感じていたのはどうしようもない怒りだけだった。

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