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感情のオセロ  作者: snow
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3話 <段位取得目指して>

目標を決めた日。その日は金曜日だったから来週からは週2で行こうかなって思ってるんだ。

そして、日曜日。その日は久しぶりに母さんにあった。母さんは仕事で忙しくて家にいない。父さんは僕が小さいころ死んだ。僕は覚えてないけど。

「結城。学校では何してるの?」

「最近は、…部活かな。」

「結城、部活は入ったの!何部?」

「オセロ部。」

「そうなの。結城はオセロ得意だものね。どのくらいの頻度でやってるの?」

「平日は毎日。でも、僕は週二日かな。」

「どうして?」

「何が?」

「どうして毎回いかないの?」

「来なくてもいいから入ってくれって。」

「来週からは毎日行きなさい。」

「何で?」

「他の部員の子は毎回いっているのでしょう?なら結城も行かなくちゃ。」

「でも、興味ないし。」

「それでもよ。結城。結城には結城なりの考えがあるのでしょうけどさぼりはダメよ。」

そういう約束で入ったし。

「いいね。」

こういう時の母さんってハイ以外いうと話し長くなるんだよな。

「ハイ」

「よろしい。」




学校に着いた。これから毎日あそこに行かなくちゃいけない。めんどくさい。でも、母さんに言っちゃったからな。めんどくさいな~。


放課後になってしまった。

「白沢君。」

話しかけられてしまった。誰だっけ?

「何。」

「部活もう決めた?決まってなかったら、一緒にここいかない?」

「決めたから。」

「あ、そっか。どこにしたの?」

「君に関係ないよね。」

「そ、そうだね。ごめんね引き止めちゃって。」

もう帰ろう…部活行かなきゃいけなっかんだっけ。

めんどくさい。しょうがない。本でも読んでればいいか。静かだし。


部室の前に着いた。中から話声が聞こえる。

「……だから、まずは段位の取得から!そのためには、」

長くなりそうだったから先に入らせてもらった。

そしたら案の定羽倉が立って演説して、藤崎以外がきちんと聞いてる状況だった。藤崎が本読んでるのが意外だった。

「ごめん!今日は来ないかと思って始めちゃった。」

「別に。」

僕が仲間はずれなのには慣れてるし。

羽倉は、僕が言ったことを聞いて、また話し始めた。

「段位の取得には、大きな大会に出て勝たなきゃいけない。

さてさて、この部には何と2人も段位持ちがいます!六段の白沢結城君!三段の藤崎瑠衣君!2人ともどうやって段位をとったの?」

「僕は三段。六段を持ってる白沢君に聞きたいな。」

「名人戦無差別の部で3位になった。だから六段。」

それにしても、こいつ三段止まりか。興味ないな。

「瑠衣君は?」

「僕は、名人戦小学生の部で優勝したからね。」

「優勝、すごいですね。」

「そうなんだ。」

「ちなみに、全日本の無差別の部で出てそのまま本戦に行くと初段がもらえるよ。」

「そのまま行くというのはどういうことでしょう?」

「全日本には何個か部門があるんだけど、その1つのフリークラスから無差別部門に補充されることがある。その場合は、出場しても初段は貰えない。」

「そうなんですか。ありがとうございます!」

「私たちが目指すのはやっぱり、無差別の部!それが一番の近道な気がする!」

「柚子。その前に会員になんきゃだぞ。」

「ハッ!そうだった!」

そんなこともしてなかったのかよ。

「入会費は部費で出せるけど、年会費はどうしよう!」

「部費として親から徴収するのはどう?」

「ちょっと待ってください!会計は私です!まず何円使うのか教えてください!」

「え~っと、まず、入会費で、1,000円でしょ。年会費で、確か…」

「年会費、高校生から3,500円。」

「だって。」

「そんなにありません!このオセロ部は新設の部。活躍もない部なんです!部費としてもらえたのは5,000円。4,000円は、オセロ盤を2個買うのに使いました。もう1,000円しか残ってないんですよ!」

「そんだけしか残ってないの!」

「アッ!うちは、もう入ってるから入会費は入らないよ。」

「早くない!」

「調べてたら入らなきゃいけないってわかったから。」

「どうしよう。」

「こうするのは?年会費は部費として集めるとして、入会費はこの6人で払うのは?」

「でも割り切れないんじゃ。」

「大丈夫少ない分は私が払う!」

「でも…。」

「部長だもん!」

「わかりました。」

「2,000円を6人で。なら、一人333円で、2円足りない。」

「わかった!なら私が335円持ってくるよ!」

「それなら大丈夫です。」

「明日持ってこよう!」

「白沢君は、明日教室に行くから持ってきといてね。」

「いい。部室に来るから。」

「えっ!」

「明日も来てくれるの!」

「母さんに言われたからな。」

「白沢君ってマザコン?」

「違う。シングルマザーだから。言うことは聞く。」

「なら、結城君だ!私のことは柚子って呼んで!」

「嫌だ。」

「Repeat After Me柚子!」

「羽倉。」

「え~!柚子って呼んで!」

「羽倉。」

「そこまでにしとけ。柚子。」

「……わかった。

ゴホン!もう一度言おうか。ようこそ!そして、よろしく!」

「「「よろしく。」」」

「よろしく。」

今度は言った。毎回来るなら言っといたほうがいいと思ったからだ。

「もうこんな時間!今日は、解散!」

そ言われて僕はすぐに帰った。本以外出してないからね。だから、僕が去った後。僕の後ろ姿を見ながらこんな会話をしていることを僕は知らずにいた。

「あいつ本当に“よろしく”するのか?」

「大丈夫だよ。いつか、本当の本音が聞けるよ。そのときは君の本音も聞かせてね。瑠衣君。」

「気が向けばな。なら、その時はお前の本当の夢を教えろよ。柚子。」

「それこそ、気が向いたらね。」


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